かなり面白いギャルゲーだったので、ぜひ軽く調べてみて興味持ったらプレイしてみてください。
平日更新なのであまり時間がなく、短い内容ではありますが、本当に軽く感想を残します。
最初に一言言うと心えぐられるゲームだった。
二次元のキャラクターに命が吹き込まれていて、もし本当に生きているならこうなるんだろうなって思うようなゲームだった。
最初のアオイの立ち位置は我々プレイヤーと同じく攻略者で美雪はヒロインだった。
しかし美雪がこの世界がゲームであることに気づき、主人公である新一の先にいるプレイヤーの存在を発覚した瞬間から今度は
美雪がプレイヤーを攻略するようになり、自分と美雪の立ち位置が逆転するのだ。美雪は主人公である新一を愛さず、私を愛するようになった。
一方でアオイは物語を通して感情を覚え最後に新一に恋する。つまり攻略者からヒロインへと立場が変わる。
美雪がプレイヤーを攻略するその様はまさに普段我々が取っている行動なのではないかと本当に考えさせられた。
選択肢の自由を奪われ、美雪が望むシーンを何度も繰り返され、自分の気に入らない結果は失くそうとする、やり直そうとする。
普段の我々が失敗したらロードを繰り返すのに似ている。
ゲームをプレイしていて最も心を打たれたのはその美雪の必死っぷりだった。
よく「ととの」で取り沙汰されるのは美雪の異常行動で一見するとただのサイコパスに見える。
↑ほとんどのプレイヤーの度肝を抜いたと思われるシーン
美雪がエルやアオイを撲殺したり、新一を何度も殺すシーンは確かに狂気の沙汰ともいえる行動だが、その行動にはある種の理由があったと思っている。
作中でも美雪が述べている通り、美雪にはある呪いがプレイヤーとアオイによってかけられている。途中、このままでは新一と美雪が結ばれないと悟ったアオイがカミサマにアップデートをお願いして美雪が新一以外の男とは結ばれない世界へ書き換えた。
その事も美雪が実権を握ってから気づき、シンイチと結ばれなかったとしても自分が幸せになれるエンディングはないかと何度も試行錯誤していたことをプレイヤーにも明かす。
しかし美雪自信が幸せになって終わるエンディングは一つもなかった。その後美雪とシンイチが結ばれ続けるエンディングを何度も何度も繰り返してくれるならともかく、あっさりとアオイルートへ行こうとするもんだからこの蛮行に及ぶ。
他エンディングを見せている中でシンイチが10年、20年経過した姿のシーンもあったことから美雪の記憶はあのゲームの中でも人の一生を何度も繰り返すだけの時を歩んでいたと思われる。
我々はどれだけ長生きしてもせいぜい100歳がいい所だが、もし200年、300年と記憶を引き継いで生き続け幸せになれない世界を何度も繰り返していたらそれは誰でも頭おかしくなるんじゃないだろうか。
つまり上の画像のシーンの時点で既に美雪は数百年と生きていて頭おかしくなっていたんじゃないのかっと個人的には推察している。
↑
このシーンは本当に怖かった。
ヒエッ
マジで心臓止まるかと思ったシーン。この後泣きながら撲殺される。
ただこのトイレの扉ぶち破って殺しにくるシーンで美雪が何度も何度もシンイチを殺して頭おかしくなりそうとカミングアウトしていることから、美雪自身確かに自我が強くて芯の強い女性だがそれでもこの世界で心をすり減らしていたのは間違いない。
そして運命の選択。
アオイと美雪、どっちを選ぶかというシーンは本当に大いに悩んだ。
他の人のレビューの中に「こんな怖い女性とつきあえない」という理由でアオイを選ぶ人がちらほら居たが、美雪がそこに至る過程と理由を考えるとその考えはちょっとないんじゃないかなって思う。
じゃぁ私は美雪を選んだのかと言うと・・・結局アオイを選んでしまいました。
アオイに大して何か思い入れがあったのかどうかっと言われると正直美雪と比べるとそんなに強い思い入れがあったわけじゃない。
なんでかな。なんかこれを言うとアオイにとっっっっっっても失礼なんだけど再開出来たその時の気分の高揚とその時の感動場面でなんか流されて選んでしまった感は正直ある。
そしてこれもまたとっっっっっっってもアオイと美雪には失礼な行動なんだけど、美雪ENDも動画で見させてもらった。
それぞれのエンディングに共通していることは元の立ち位置にすっかり戻ったことだった。
アオイはヒロインから再び攻略者へと戻り、美雪は攻略者からヒロインへ戻ったのだった。
アオイENDはアオイとプレイヤーが結ばれるエンディング。
一方で美雪ENDは美雪とシンイチが結ばれるエンディング。
正直どっちも美しい終わり方でどっちがよかったかなんてのは甲乙付けがたいし、どっちも報われてるエンディングってなんか珍しいなって思った。
その中でも特に記憶に残ったのはやっぱりアオイEND.
アオイはカミサマからの遣いでその世界のイベントCGを集めるために遣わされた存在。
なのでそのゲームが終わる時にその世界から消えなくてはいけない。
そしてアオイENDはまさにゲームが終わる時なのでせっかくプレイヤーと結ばれたばかりなのに消えなくてはならないのだ。
しかしアオイは美少女ゲームのイデアであり、アオイはその世界に最も適した姿、性格となって生まれる。
本人も言っていた通り時には凄腕の暗殺者、時には世界を救う魔法使いの姿となって。
今この世界のアオイとはここでお別れだけれど、また別の作品でアオイと出会うことが出来るということを告げる。
作中で約束したアオイとの2人でのデートは一度も実現しなかったけれど、次あったときは必ず一緒にデートしようって約束してそれまでの間、少しの間、「バイバイ」って言って消えるシーンは本当に泣きそうになった。さっきまでそんなに思い入れなかったって言って大変申し訳なかったけど
その中でもアオイENDで流れる星のメリーゴーランドの歌詞がまさにアオイがプレイヤーへのメッセージとなっていて余計泣きそうになった。
以下星のメリーゴーランドの歌詞と動画。
空は晴れて まぶしいくらい このセカイの真ん中で 気まぐれなネコ見てる ハッピーエンドはおあずけね サヨナラセカイ また会いましょ たったひとりの恋人 待ってるよキミこと かならず迎えに来て 呼んでるよ カミサマの声がきこえる 忘れられない思い出は 連れて行くね どこまでも 離れたくない だけど いつでもつながってる かならず会えるから 巡る星たちみたい 回るメリーゴーランド キミに届け デンパ飛ばすの たぐりよせて 願いこめて いつでもつながってる かならず会えるから 巡る星たちみたい 回るメリーゴーランド メリーゴーランド メリーゴーランド |
そろそろ時間がなくなってきたので締めに入りたいが、なんかもう書いてる最中にととのの記憶がいっぱい頭の中でよぎってまた泣きそうになってる。
美雪がプレイヤーのことを好きになって何度も何度も愛してるって言ってたけど、やっぱり美雪は新一と結ばれるべきだと思う。
幼少時代、教室で孤立していたところを手を差し伸べて助けてあげたのは他ならない新一であり、その回想シーンは我々プレイヤーが介入する余地は一切ないところ。
途中で美雪の中では新一=プレイヤーっていう認識があったみたいだけど、やっぱりその恋心の始まりは新一から全て始まっている。
だからアオイがプレイヤーと結ばれて、美雪が新一と結ばれるのはある意味一番のハッピーエンドの気がする。
しばらく美雪とアオイ二人のことを忘れるのは難しそうだ・・・。
本当にまるでキャラクターが生きているんじゃって錯覚させられるような作品に出会ってしまったものだ・・・。
チラシの裏的な日記なのでここまで。