小学校に通いなさい(後編の後編)




==その日の夜

「上がり。」

「ジェスターさんババ抜きでババ絶対に引きませんね。なんで?」

「さぁ?」

「ジェスターさん、機嫌悪くないですか?」

「全然怒ってないよ!」

「どっからどうみても怒ってるじゃないですかー!」

「たくみ君があんな不甲斐ない子だなんて思わなかった。」

「たくみ君・・・?」

「あ~!ジェスターさんにラブレター渡した子ですね?」

「んも~~~イチャイチャしちゃってぇ~~~。」

「って、言いたいところなんですが不甲斐ないってどういうことですっ?」

「別に?」

「それよりほら、琶月の番だよ。」

「ふふん、琶月さんの手元には今ババはない!私も引かなければ・・・・。」

「これだ!」

「はい、ババ。」

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

「うーるーさーいー!」



・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

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==翌日の昼



たくみ
「ねぇ、ジェスターちゃん。一緒にこなくていいって・・・。」

「むしろたくみ君がこなくていいよ。」

たくみ
「呼ばれてるの僕なんだから・・・。ねぇ、ジェスターちゃんあの人たちになにするつもりなの?」

「肉体言語での交渉。」

たくみ
「?????」




高学年生A
「きたな・・・って誰だこいつ?」
高学年生B
「おい、誰もつれてくるなって言ってただろ。」

「私が勝手に来ただけだから。」

高学年生A
「ふーん、んじゃ何の用でここにきた?」

「低学年の子にかつあげする悪い奴等がいると聞いて。」

高学年生B
「ちっ、たくみばらしたな?後でお仕置きだぞ。」
たくみ
「ジ、ジェスターちゃん・・・・。」
高学年生A
「どうする?」
高学年生B
「ただの小さい子っぽいし・・・1人が2人になったところで俺たちのほうがきっと強いだろ、一緒にかつあげしてやれば。」
高学年生A
「じゃーそこの白いのも明日俺たちにお金もってきなよ。いいな!?」

「きゃーーーーーーー。(棒声」

高学年生A
「??????」
高学年生B
「??????」

「おりゃぁっ!!」

高学年生A
「あがっ!」

ドサリ

高学年生B
「うわ!!こいつ武器もってる!!」
たくみ
「ジ、ジェスターちゃん!!」

「この鈍器は痛いよ。図工室からくすねてきた工作用ハンマーだから。」

高学年生B
「何でそんなのを・・・き、今日いがいに、俺らがお前に何したっていうんだよ!」

「私は弱いもの苛めする奴がだいっっきらいなの!!ここだ!!」

高学年生B
「うぶっ・・・・」

ドサリ

たくみ
「ちょ、ちょっとジェスターちゃん!!殺しちゃったの!!?」

「お腹だから死にはしないよ。・・・・多分。」

たくみ
「そ、それでもこ、こ、こんなことしたら・・・・。」

高学年生A
「い、いたい・・・」

「ほら生きてた。いい?次悪さしたら今度は頭かち割るからね。」

高学年生B
「お、おぼえておけよ・・・・。せんせーにいいつけてやる・・・それに俺のにいちゃん・・・ヤクザだからなっ!」

「先生にいいつけるのもヤクザにいいつけるのもどうぞご自由に。」





・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

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たくみ
「ジェスターちゃん・・・本当に先生にいつけられたりヤクザに言われちゃったらどうするつもりなの!?」

「男の子だったらもっと堂々とする!」

たくみ
「え、えーーー・・・・」

「大丈夫。そんなに酷い結果にはならないから。ほら、これみて。」

たくみ
「なにこれ?あ、これスマートフォンだ。学校にもってきちゃいけないんだよ。」

「たくみ君真面目すぎるよね。あんな高学年の子のいう事聞いちゃうあたりも。」

「後でこれもって先生に提出してくる。さっきのやり取りはこっそり録画してたの。」

たくみ
「そうなの?でもジェスターちゃん思いっきりハンマーで殴ってたよね・・・・。」

「そこはほら。編集でここから先は消去して・・・はい。再生してみてごらん。」

たくみ
「・・・・・あ、ジェスターちゃんが『きゃーーーー』って叫んでるところで止まってる。」

「傍から見れば私達が襲われたように見えるし殴った私のシーンもないからいかに高学年生が先生の前じゃ良い子だからっていってもこの映像あったらだめだよね。」

「ついでに腹部への攻撃は外相として残らないから『ハンマーでお腹に攻撃された!』なんていっても分かりにくい。そもそもハンマーでお腹攻撃するっていう発想がちょっとおかしい。」

たくみ
「先生はそれでいいとしてもやくざは・・・?」

「男の子なら堂々とする!!いいね!?」

たくみ
「は、はい・・・・」





・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

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「ジェスターさん先生から電話入って聞きましたよ!!かつあげされたんですって!?」

「返り討ちにしたけどね。」

「ふぅ、この様子を見ると怪我とかはしなかったみたいですね。先生言ってましたよ。かつあげしてきた子達には厳重注意するって。」

「そう。」

「・・・やっぱりなんかありました?」

「別に?」

「なんか変ですねぇ。」








・・・・・。

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==一ヵ月後


女の子A
「ジェスターちゃんさよーならー!」

「ばいばーい。」


・・・・。

・・・・・・・・・・。


「今日はランドセルに一杯教科書入ってるから重いっ。・・・・ん?」


ワラワラ

ヤクザ風の男A
「お嬢ちゃんがジェスターちゃんだな?」

「タスケテー!(防犯ブザーポチ)」

ビビビビビビビ

ヤクザ風の男B
「バカっ!逃げるぞ!!」

「秒速撃退。でも本当に来るなんて。これは警戒続けたほうがよさそう。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「ちょっとまって。これたくみ君の身も危ないかも!?たくみ君の家・・・こっちだっけ?」





・・・・・。

・・・・・・・・・・・。

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==たくみの家


ピンンポーン

「こんにちはー。たくみ君は帰ってますかー?」

たくみ君のお母さん
「あら。まだたくみは帰ってきてないわよ。遊びの約束でもしてたかしら?上がって待つ?」

「あ、本人に伝えたいことが合っただけなので大丈夫です。でももし家に帰ってきたらこの電話番号に電話してもらうように伝えてもらっていいですか?」

たくみ君のお母さん
「あらあら。わかったわ。」

「では。」

たくみ君のお母さん
「(もしかしてたくみに外国人の彼女でもできたのかしら?)」




・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



==一時間後


「おかしい。学校とたくみ君の通学路を見て回ったけど見当たらない。携帯電話に電話もかかってこないしますます何かおきてそう。」


パリーン


「今のは・・・。・・・・多分そうだ!」

「・・・・多分この裏口の中にいる。」





・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。




たくみ
「ンッーーー!!」(←口にガムテープはられてる
高学年生A
「お前のつれてきた変な奴のせいで俺たちは痛い目にあったんだぞ!お前も同じ目にあうべきだ!」
ヤクザC
「どんなことされたってんだ。」
高学年生B
「兄ちゃん、白い髪の子にお腹にハンマーで殴られたんだよ。」
ヤクザC
「はっ、そいつあけったいな子だ。まぁ、しかしお前等が同じような事してそのガキんちょの内臓でも潰してみろ。流石にお前らも後がなくなら。」
高学年生B
「んじゃどうすればいいのさ。」
ヤクザC
「俺が腹にパンチいれてやるよ。同じように外傷が残らない程度にな。」
高学年生B
「おいたくみ。兄ちゃんのパンチめっちゃ痛いからな!!」
ヤクザC
「んじゃいくぜ?」
たくみ
「ンンンンーーー!!!」


ブン

ゴツン

ヤクザC
「アガッ!!」(←頭に瓶がぶつかる
高学年生B
「兄ちゃん!?投げたの誰だ!?」

「ここまで姑息な連中だとは思わなかった!全員倒す!!」

高学年生A
「うわ!あいつだ!」
ヤクザC
「あいってててて・・・てめーが噂のちっこくて白いやつか。ここに足を踏み入れたのが最後だな。ここには仲間が大勢いるんだぞ。おい!」

ゾロゾロゾロ・・・

「10人ぐらいがなんだっていうの。」

ヤクザD
「へっへっへ、俺好みの可愛い子だ。」
ヤクザE
「捕えてまわそうぜ。」
ヤクザF
「ん・・・あいつどっかで見たことあるような・・・・。あ、てめー赤い髪の貧乳騙したときに現れた奴か!!?」

「ゼリッピ以下の人間なんか怖くないから。全員殺す気でかかってくれば?」

ヤクザC
「やろう・・・ぶっころしてやらぁ!」







・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・。


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たくみ
「ジェスターちゃん・・・大丈夫?」

「うん、平気。何発か食らっちゃったけどこのぐらいじゃ全然。流石にもう向こうから絡んでくることはないよ。」

「たくみ君。ここまでの反撃は極端だけど、何でもかんでも相手の言いなりになっていたら碌な人生を送れないよ。」

たくみ
「d・・・」

「何も言わないで聞いて。不思議に思うことがあっても。」

「大なり小なり、この世界はいつも誰かが誰かを陥れようとしている。そういう世界でこれから生きようとしたとき、どんな力が必要になるか知ってる?」

たくみ
「・・・・・・・。」

「敵に弱いところを見せないことだよ。」

「ま、今回のは普通の人がやることじゃないけどね。」





翌日以降。
例の高学年生がジェスターとたくみに絡むことはなくなった。
と、同時にジェスターが学校の通学路を歩くと一部の人間に怖がられて道を通すという珍事が起こった。


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