わらしべジェスター(前編)



==土曜日 夜


「明日はアルバイトもオヤスミの琶月さんです!」

「貯金も段々貯まってきましたし・・・たまには明日遊びに行ってきていいですか~~!?」

「わーい、どこいくー?」

「琶月さんちょっと大阪に行って宝塚を見に行きたいんです。」

「えー!!つまんなーーーい!!」

「こら、宝塚ファンを怒らせちゃダメ!!」

「日帰りを予定していますけどジェスターさんはきっと来ないと思って新幹線のチケットも予約していないです。」

「うん、琶月正解。」

「いつも琶月さんが働いているんですから、たまには自由にさせてください。ここに2000円も置いてあげますからこれで朝ごはんお昼ご飯夜ご飯自分でなんとかしてくださいね。」

「しつもーん。使い切らなかった2000円は私の物にしていいですかー?」

「あー・・・・。う~ん。まぁ、いいんじゃないんですか?今月のお小遣いあげていませんし」

「忘れてた。今すぐ今月のお小遣いを支給せよ。」

「先月のジェスターさんのお手伝いポイントが全然貯まってないので今月はなしでーす!}

「こらぁー!!」

「しっかりお手伝いしなかったジェスターさんが悪い!」

「しっかりお手伝いしてたもん。食器運びとか。」(←お手伝いの内にも入らない

「今月はしっかりお手伝いしてポイント貯めてくださいね。というわけで明日は早いのでもう寝ます!!おやすみなさーい!」

「騒ぐ。ぎゃーぎゃー。」

「お手伝いポイント没収しちゃいますよ!」

「ごめんなさーい。」

「お金のために謝る私であった。」

「最後の一言がなければ可愛いのに。」





・・・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・。





次の日。

朝10時。



「起きた。ギャー寝癖がー。」


・・・・。

「復活。琶月はもう行ったんだ。早い。」

「まぁいいや。この2000円で食費安く抑えて遊んできちゃおう~~~っと。」







・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・。







「ん?なにこれ。」

「茶色い封筒だ。お金入ってないかな。」(卑しい


バタバタ


通りすがりの男性
「あぁ、君!今そこに茶色い封筒が落ちていなかったかい!?」

「ん~?これ?」

通りすがりの男性
「あ、そうそれ!!ありがとう!拾ってくれたんだね!」

「ねーねー、この中に何が入っているのー?」

通りすがりの男性
「沢山の領収書だよ。額が額だから大事にしまっていたんだ。」

「(なんだ、ネコババしなくて正解だった。)」

通りすがりの男性
「お礼にはい、お駄賃。」(1000円

「わーい、ありがとうー。」




・・・・。

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




「お小遣いが3000円に増えた!」

落ち込んでいる男性
「はぁ・・・・。」

「辛気臭そうな人が1人。」

落ち込んでいる男性
「うぐ。最近の子供は思ったことをすぐ口にする・・・。」

「どうしたの。」

落ち込んでいる男性
「いや、いいよ。」

「そう。」

落ち込んでいる男性
「はぁ・・・・。」(チラッ

「(うざい・・・)やっぱり聞こうか?」

落ち込んでいる男性
「はぁ・・・うーん・・・。気になっているみたいだねぇ・・・しょうがないなぁ、話してあげるよ。
実はさっきまで僕の彼女とデートの待ち合わせしてたんだけど・・・身内に不幸があったみたいでドタキャンされちゃったんだよ・・・。
ちなみに僕の彼女すっごく可愛くて抱きしめると良いにおいがするんだけどそれd」

「あーうんうんたいへんだったねー。(何で私こんな人の話を聞いているんだろう?)」

落ち込んでいる男性
「・・・・それで遊園地の入場チケット結局余らせちゃってさー、お金もったいないことしたなぁぁぁああ。」

「あっそう」

落ち込んでいる男性
「はぁあぁぁぁぁぁぁ」

「うざっ。私あっちいっていい?ってかばいばい。」

落ち込んでいる男性
「はあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・。」(

「あーもうー。買い取ればいいんでしょ買い取れば!はい、3000円。」

落ち込んでいる男性
「しょうがないわああぁぁぁ・・・・。」

「(キレソウ)」




・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




「3000円なくなって手元に遊園地のチケットが2枚。どうしてこうなった。」

喧嘩してるカップル
「ギャーギャー!」

「ん。」

ヒステリックっぽそうな女性
「どっか行くお金がないってどーゆーこと!?」
とんがった髪の男性
「しょーがねーだろ!給料日前なんだからよぉ~。」
ヒステリックっぽそうな女性
「あ~~こうなるんだったらあっちの男から遊園地のチケットだけでも貰っておけばよかったぁぁ~~。」

「状況把握。あの女性さいてー。」

とんがった髪の男性
「あん?今何かいったか?」

「遊園地のチケット買わない?定価より安く売るよ。」

とんがった髪の男性
「あー、でも俺金ねーんだよー。」
ヒステックっぽそうな女性
「あ、この遊園地。ちょうど私が行きたいと思ってたところじゃんー!ねえねえ、この男の腕時計さっき拾ったものだからあげるから交換してよ!」
とんがった髪の男性
「はっ!?いやちょ、これは」

「交換成立~!はい、どうぞ。」

「そして腕時計を強引に剥がす。

とんがった髪の男性
「あ、コラーー!!」
ヒステリックっぽそうな女性
「別にいいでしょ、ほら一緒に遊園地いこ♪」
とんがった髪の男性
「いや、あの腕時計本当は・・・あぁぁああこら引っ張るなぁあああぁぁああぁ。」





・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





「あ、この腕時計しってる。アップルウォッチっていう意識高い人がつけてる腕時計だ。」

「うん・・・?個人情報が一杯残ってる。これはちょっと危ないかもね。消しておこうかな。」

泣いている女性
「あああ、ううう・・・・」

「あれ?どうかしたの?」

泣いている女性
「大切にしていたアップルウォッチ盗まれちゃった・・・」

「・・・・・・。・・・・・・・・・・・・もしかしてこれ?」

泣いている女性
「見せて・・・。・・・・あ!!これです!!!ありがとう~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」

「どんな偶然。その前に個人情報消さなくてよかった。(後で通報しておこ」

泣いている女性
「お礼しないとね・・・!!これ気に入るか分からないけど受け取って。まだ封も開けていないから綺麗だよ。」

「わーい(棒声」






・・・・・・・。


「中身はただのハンカチだった。ランクすごい下がった気がする。」

(続く)


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