一方その頃キュピル達は・・・・。



「んー・・・。」

「どうしたんですか?ジェスターさん。」

「今頃キュピルはどうしてるのかなーって。」

「何だかんだ言ってジェスターさんはキュピルさんの事が好きなんですね~。いつもはあんなにツンツンしてるのに。」

「キュピルは私のペットだからね。飼い主としてはやっぱりずっと放置してるのは心配。」

「・・・・ジェスターさん、逆逆。逆ですって。」

「あ、言っておくけど琶月も私のペットだからね。」

「はいはい。ジェスターさんが私の飼い主ならご飯を用意してくれませんか?」

「それは甘え。」

「なんでですかー!!!」




・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




ジェスターと琶月が日本にワープしてから二ヶ月・・・。
一方その頃、キュピル達は・・・・。




キュピル
「うーん、とりあえず仮設住宅は出来たな。やっとテント生活からおさらばだ。感無量。」
ファン
「ここまで長かったですね。」
キュピル
「ああ、なんせクエストショップにあった物が全部使い物にならなくなってしまったんだ。契約の解消だとかなんだとかで違約金を支払う羽目にもなったし・・・。
その返済のために仮設住宅建設のためのお金を割くのを遅らせたからな。何にしてもよかったよかった。」
ファン
「とりあえず僕たち全員が住むことの出来るスペースは確保できています。」
キュピル
「問題はワンルームだから、全員が同じ部屋で寝泊りするのは色々と問題があることだな・・・・」
キュー
「男と女がおんなじ部屋で寝るのは不健全だぞー!」
キュピル
「いや、そういう問題の前に・・・。」
ヘル
「こいつと同じ屋根の下で寝れるか!!」
輝月
「ワシもじゃ!!同じ空気も吸いたくない!」
キュピル
「元々同じ屋根の下で寝てたし空気も吸ってただろ。」

輝月
「ならば奴を殺すしかないな。」
ヘル
「いいぜくそったれ。その長い髪の毛を全部切り落としてやる!」
輝月
「一閃!」
ヘル
「喰らいやがれクソったれ!!」
キュー
「あーあ、また喧嘩が始まっちゃった。おとーさーん!なんとかしてー!」
キュピル
「どうにもならない。」


・・・。


・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・。



キュピル
「はぁ、しかしまだまだ解決しなければいけないことが多いな・・・。」
ルイ
「ジェスターさんに琶月さん。・・・無事でしょうか?」
キュピル
「よりによってあの二人が・・・だもんな・・・。せめてヘルでも輝月でも俺でもルイでも・・まともに戦える奴が一人ついてやっていれば・・くそ。」
ファン
「・・・僕としてはジェスターさんと琶月さんでよかったと思っていますよ。恐らくあの二人は日本での適応力は高いほうかと思います。」
キュピル
「何だって?」
ファン
「そもそも日本は僕たちが住んでいる世界みたいにモンスターなんていませんし、戦争も起きていないとっても平和な国ですから。」
キュピル
「そうか・・・。じゃぁ今も生きているんだな・・・。」
ファン
「(本音を言うと二人が素直に働いていける世界かどうかとっても気になりますが・・・キュピルさんを不安にさせるだけなので秘密にしておきましょう・・・)」
キュピル
「さて、仮設住宅は作ったもののこのままでは営業許可証が降りない。どのみち前の自宅と同じクラスの家を建てなきゃいけない。」
ルイ
「次新しい家作るときぜひ私に相談してください。部屋の間取りを考えます!」
キュピル
「出来たら俺専用の個室を作ってくれよ。寝る所と作業するところ。」
ルイ
「やっぱり降ります・・・。」
キュピル
「はい?」

ファン
「キュピルさん、再建及び設備を元のクラスに戻すにはこれぐらいの額が必要になります。」
キュピル
「どれどれ・・・ひー・・ふーーみ・・・・・・えっ!?高くないか!!?内訳は?」
ファン
「簡単に言うと大体僕の研究設備の費用ですネ。」
キュピル
「・・・・どうしても必要?」
ファン
「そもそもあの設備がなければ皆さんの武器の手入れをはじめとし、ジェスターさんと琶月さんを助け出すことも難しい状況です。」
キュピル
「まぁファンはいつも頑張っているからケチるつもりはないけれど、この額は流石に躊躇しちゃうな・・・手っ取り早く稼ぐ方法はないか?」
ファン
「やはり日本という国に言って黄銅を手に入れるほかありません。」
キュピル
「しかしその黄銅を手に入れるためにはファンの研究設備を整えいち早く特殊ワープ装置機を作り直さないといけない・・・うごごご・・・完全に積んでやがる・・・。」
ヘル
「おい、クソつき。てめー体売ってキュピルさんのために金を稼いでこいよ。いい街知ってるぞ。」
輝月
「筋肉馬鹿の貴様こそ、手早く銀行強盗でもしてくればどうじゃ?キュピルの喜ぶぞ?」
キュピル
「どっちもやめろ。」
ルイ
「うーん、もう一回メイドに戻ろうかしら・・・。意外とお給料はよかったんですよねー・・。」
キュピル
「おお、本当か?」
ルイ
「・・・そこは止めてくださいませんか?」
キュピル
「!?」

ファン
「とりあえず僕はありあわせの道具で日本にいけないか試してみますね。」
キュピル
「そういう発想が既におかしいと思う。
あぁ・・・ジェスター・・琶月・・・。頼む・・・黄銅を集めてくれ・・・・。」
キュー
「集めても運ぶ術がないぞーおとーさん。」
ファン
「・・・・なるほど。その手がありましたか。」
キュー
「ん?」
ファン
「キュピルさん。良い方法を思いつきました。」
キュピル
「なんだ?」
ファン
「人を日本に運ぶのは大変ですが物を行き来させるのは簡単です。」
キュピル
「ごめん意味が分からない。」

ファン
「言葉の通りですよ。僕たちが直接日本に行くのは難しいですけど、武器とか道具を日本に送ることは比較的簡単ということです。」
キュピル
「何で簡単なんだ?」
ファン
「物なら死なずに気を使う必要がないからです。」
キュピル
「あぁ・・・何か凄い納得感がある・・・。やっぱりワープって怖いな・・・」

ファン
「問題はまだ残されてますが、困難ではないのでさっそく準備に取り掛かります。この装置さえ完成すれば琶月さんたちにお願いして黄銅を持ってこさせるように出来ると思います。」
キュピル
「ああナイスだファン!頼むぞ。」
ルイ
「(いいなぁ~。私もキュピルさんに褒められたい。いっそ、琶月さんの変わりに私が飛ばされたかった・・・う~ん、でもそうするとキュピルさんとは離れてしまうから・・・悩ましいです)」
キュー
「不純な悩み・・・・いだいいだいほっぺたひっぱらないでぇー!」
キュピル
「一体そっちは何をやっているんだ。」





・・・・。


・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





キュピル
「さて、昼ごはん作るぞー。」
キュー
「おとーさん、大変。この仮設住宅コンロもない!」
ルイ
「火がないなら魔法で用意すればいいですよ~。」
ヘル
「火がないなら家を燃やせばいい。」
輝月
「火がないなら生で食す。」
キュピル
「後ろ二人ちょっと静かにしてもらっていいか?」

ルイ
「お料理はお任せください、キュピルさん♪」
キュピル
「ぜひとも頼む・・・が・・・肝心の食材がこれなんだ?」
ルイ
「どれですか?」
キュピル
「普通の魚。さっきそこで釣りしてた時に釣った。」
ルイ
「うーん、そうなると普通に開きにするのが無難でしょうか。グリルがないのでちょっと大変ですけど出来ないことはないですね。」
ヘル
「俺普通の肉持っているんだけど、これも調理してもらえます?」
ルイ
「ええ、いいですよ。」
キュー
「おー、ヘルの口調が普通だ。」
ヘル
「俺はクソつき意外は普通なんだけどな。」
輝月
「どっちが本性か分からぬ奴じゃ。」
ヘル
「あ”?」
キュピル
「輝月もいちいち絡まない。」

ルイ
「えーっとお魚のほう焼けるまでキューさん見ててもらっていいですか?」
キュー
「はーい、」
ルイ
「これだけ分厚いお肉ですと大胆に焼いたほうがおいしくできそうですね。」
キュピル
「そうなのか。」
ルイ
「本当はコショウとかがあればいいんですけど、お塩でいいですよね。」
キュピル
「塩はあったのか。」
ルイ
「海からいっぱい取れますから。」
輝月
「暇なんじゃな。」
ルイ
「フライパンでたたきたいです。」

キュピル
「やめてあげて。」


・・・・。

・・・・・・・・・・。

ルイ
「よし、こんな感じでどうでしょう?」
キュピル
「おーー、おいしそうに焼けてるなー。」
ルイ
「何か忘れているような気がしますけど・・・・。」
キュー
「焦げてるーーー!!!」
ルイ
「そう!!魚!!!!!」
キュピル
「何で焦げてから報告するんだ。」

キュー
「だってさーお魚って焼けたかどうか分からないぜ。」
キュピル
「うわ、真っ黒じゃないか。キュー・・・・。」
キュー
「に、にひひ・・・。」
キュピル
「ヘル、俺の魚と交換しないか?」

ヘル
「流石にお断りします・・・。」

キュピル
「そうか・・・食べるか・・・。あぁ・・・苦い・・・」






・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。





キュピル
「あっという間に夜になった。ほら、もう寝るぞー。」
キュー
「おとーさーん!仮設住宅の中の布団の数がたりなーい!!」
キュピル
「いくつ足りない?」
キュー
「えーっと、二つ足りないよ。」
キュピル
「んー、それならキューはお父さんと一緒に寝るか。」
キュー
「えーーーーやだーー。」
キュピル
「傷ついた・・・・。」

ルイ
「きゅ、きゅぴるさん。私と一緒に寝てもいいですよ?」
ヘル
「ルイさんと一緒に寝たい。・・・冗談!!冗談だって!キュピルさん蹴らないでくれ!」
キュピル
「そうか。・・・・ん?よくよく数えたら布団足りてないの一つだけじゃないか。」
キュー
「ん?ヘンダナァー。確かに二つ足りないと思ったんだけど。」
キュピル
「とりあえず誰かと一緒に寝ないといけないな。いっそ輝月とヘルが一緒に寝たらどうだ?」
輝月
「キュピルよ、殺すぞ?」
ヘル
「冗談でも殺すぞ。」
キュピル
「すいませんでした。」

輝月
「・・・・まぁ、おぬしがどうしてもと言うのであれば特別に我が布団に招いても良いが?」
ファン
「キュピルさん、僕の布団使ってもいいですよ。」
キュピル
「お、そうだな。」
輝月
「・・・・・・・・・・・・。」
キュピル
「全員布団あるな?じゃーおやすみ。」

・・・・・・。

テルミット
「あ~~~僕の布団がない~~~~~。」




・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



キュピル
「・・・・・・・。」
輝月
「・・・・・・・。」
ルイ
「・・・・・・・。」
キュー
「・・・・・・・・。」
ファン
「zzzz・・・・・。」
ヘル
「ンガァアアア~~~~~~ンゴォォオオオ~~~~~」

キュピル
「うるせぇ、こいつ。」

輝月
「もう我慢ならぬっ!!斬る!!!」
キュピル
「お、落ち着け。」
輝月
「邪魔するならばおぬしでも斬る!」
ルイ
「キュピルさん、撃ちたいです。」

キュピル
「まぁまぁまぁまぁ・・・・・。」
キュー
「おとーさーん!!うるさくて寝れない!!!!!」
キュピル
「静かーーーーーーに!!!!!!!!!!」
ヘル
「だあああ!!うるせぇ!うるさくて起きたぞ!!」

キュピル
「くたばれ。」

ヘル
「うわぁっーー!!なにをするーー!!!」

ファン
「zzzz・・・・・zzzz・・・・・。」
ルイ
「ファンさんすごすぎです・・・。」



・・・・。

・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・。






「多分キュピル大変そう。」

「あー、そういえば私達。日本にある通貨を集めなきゃいけないんでしたっけ・・・?」

「でもこうやって日々生活するのも必死ですから別に今集めなくてもいいんじゃないんですかねー。アノマラドに戻る術もないんですし。」

「もうちょっと普通に生活しててもいいですよネ。」

「まぁ好きにしてていいんじゃないの?もう私は寝るよ。」

「あ、わかりました。布団敷きますね。」

「ねー、そろそろ布団もう一枚買わない?もう落ち着いたんだから別に一枚で一緒に寝なくてもいいよね?」

「えーやだー。ジェスターさんもふもふして気持ちいい。」

「今日も一緒に寝ていいけど、このエリアに入ってこないでね。」

「小学生かい!」


続く


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