レミリアスパルタ劇場 失われたカリスマ(後編の後編)





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一ヶ月後の世界にやってきました。時刻は夜ですねぇ。

「ちょっとドローン貸して。」

ほい。




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「城 地下牢」の画像検索結果



ここは?


「フランの地下牢への入り口よ。」

ヒエッ、こんなところで寝てたら絶対体調悪くする。現代の地下室は地下室だと思わせないぐらいに立派なお部屋になっていたのに・・・。
ん、あの重厚な扉の前にレミリアちゃんが。





『フラン・・・フラン?聞こえる?』

『その声は・・・お姉さま!』

『よかった・・・』

『お姉さま、ここ最近来てくれなかったからフラン寂しかった・・・』

『ごめんね・・・。お父様がこの部屋に来るのを邪魔してて・・・今日やっとここに来れるタイミングを見つけたの。』

『それでフラン、ここからまた一緒に出よ?』

『ほんとに!?お外に出ていいの!?』

『この私が言っているんだから言いんだよ。』


ゴゴゴゴゴゴ(扉の開ける音


『お姉さま~~!!』(抱きしめあう二人

『フラン・・・・』






この頃のレミリアちゃんはフランちゃん想いですなぁ。

「ずっと妹想いですけどー。」

む、誰か来ましたよ(スルー






『やはり連れ出してしまったか・・・・』

『お父様!』



レミリアちゃんのお父さん?
でもドローンのカメラには何も写ってないぞ!?

「大人になった吸血鬼は物を通した状態では映らなくなるわ。」

そういや鏡やカメラで移すとぼやけるとかそんな話は聞いたことあるなぁ・・・。




『再三の忠告を無視して連れ出そうとするとは、もはや実力行使以外に残された手段はないようだ。』

『私は認めない。監禁してまで妹を地下に閉じ込めるのは!』

『そのなりそこないはお前の妹でもなければ吸血鬼でもない。』

『いいや、ちゃんと血の通った妹だしフランはなりそこないでもない!』

『そいつは見た目こそ我々と近しい姿をしているが、その内側は腐食者に近い。我々吸血鬼の内側に宿る力が互いに互いを侵食しあい食い合っている。己が持つ力が勝手に増大し、自らの身体をも侵食しようとしている。今でこそ奇跡的に意識を保てているが、いずれは自我を失い、己の名前も忘れ、無様な醜態を晒しながら欲望のままに暴れ尽くす事になる。』

『・・・・・じゃぁ殺せば?』

『殺す?だがそういう訳にもいかない。確かにお前は力を貪り食う異型。できそこない。だが上層部はこのなりそこないに利用価値があると判断した。なぜか分かるか?』

「・・・・・・・・・・・」

『先に言ったとおり、なりそこないが辿る末路は自我を捨て手当たり次第に暴れ尽くす怪物と化す。もはやその実態は吸血鬼とは言えない。だから利用価値がある。外界の人間共に痕跡を調べられても足がつかない。時が来た時、こいつは外へ放すのだ。』

『そんなことは私が絶対にさせない!』

『ではどうするつもりだ?』

『えっと・・・』

『フランが保ち続けられるための方法を見つけて私g・・』

『ハッハッハッハッハ!!!』

『何がおかしい!!』

『いや、なに。・・・・しかしだ。この先の話は・・・我々だけで話をしよう。部外者を追い出して・・・。』
























『な』



うおっ!?






ど、ドローン壊されたのか?

「そっか・・・あの時の爆発はこれだったのね・・・。っていうことは・・・・。』

「ワシ!今すぐそこの席をどきなさい!」

れ、れみりあちゃん。なんか怖いよ。

「今はふざけている時じゃないの!早く!!!」

要するにどこかに行きたいんだろ・・・。そこまで運転するから言って。どこへ?

「私のあの家へよ!!道は私が指示する!」

本気かよ・・・。俺ホラー無理・・・。ええい、ままよ!




・・・・・。


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ここは?

「私の家の裏門よ。・・・・すぐにくるわ。」

くるって・・・一体・・・。


「フラン、こっちよ!!」

「もうだめ・・・お姉さま・・・私もう・・・。」

「フラン・・が、頑張って!後もう少しなのよ!!」

「もう少しって・・・どういうこと・・・。」





「ワシ!二人を車に載せるわよ。」

え!?ちょっとまて、そんなことしたらタイムパラドックスが・・・

「それが正史って言ってんのよ!!早く!!」

んぐぐぐ、わかった。呼べばいいんだろう!だけどレミリアちゃんはせめて顔隠せよ!?







おい!レミリア!!助けにきた!!この乗り物に乗れ!早く!



「遅い!!」

ファッ!!?

「・・・・ま、時間通りなだけ褒めてやる。」

「ほら、早くいけ!」


















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==現代から150年前




勢いあまってよくわからない所まで来てしまった・・・・。ここは・・・現代から150年前か・・・。

「ん、ご苦労。私たちはここで降りるわ。」

「・・?・・・・?」

(ガチャ)

「おぉ、そうだ。」

「150年後にまた会おう。礼はその時の付き合いだ。じゃあな。」

え?


(バタッ)←ドアが閉まる音

「ほら、いけ。」




うおー!?デロリアンが勝手に!!?





・・・・・・・・・。



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==現代







おうふぅ・・・ここは?

「ん?戻ってきたなぁ。」

紅魔館の前・・・現代まで戻ってきたようで。

「戻ったわね。」

あのレミリアちゃん。俺達が未来からやってくる事が分かってたの?

「運命を操れるし運命を見通すこともできる。それが私の能力だけど?」

ソンナバナナ、あのレミリアちゃんとこのレミリアちゃんが同一人物のはずが・・・

「同一人物だっつーの!!」

それにしてもさっきのレミリアちゃん。カリスマあったなぁ。

「あったもなにも今もずっとあるわよ。」

本当に?ほっぺひっぱっても?ぐいー。

「ゔぁ~。」

ゔぁ~(震え声

結局レミリアちゃんはカリスマを取り戻した(?)のか、それとも何も変わっていないのか・・・・。
そもそもフランちゃんの身を心配しているのだけれどフランちゃんは大丈夫なの?

「フランはもう大丈夫だよ!治療が終わったと同時に幽閉を終了したの。」

そうか・・・幽閉されている理由はその治療だったのか。なるほどなぁ。

「あ、お姉さま。この可愛い妹をほったらかしにしてどこへ遊びに行っていたのかしら?博麗神社?」

ただのヤボ用よ。」

「そうだ、フラン。今日どこかに遊びに行かない?」

「ほんとに?いくいくー。」


(\キャッキャ/)


うーむ、レミリアちゃんは今回の旅でカリスマを取り戻すとか言っていたけど、その実態はカリスマを失っていなかったんじゃないのかなぁ。
でもここ最近のレミリアちゃんの言動は明らかにカリスマが渇望している・・・。
というか150年前のレミリアちゃんが150年後にまた会おうって言ってたしつまり演技の可能性・・・・が・・・・・。まさ・・か・・・。

「お、お嬢やんけwwww矢で射抜いたろwwwwwピューーーーーンwwwっw」

「あいたっ!!!びええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「びえ~~~~。」

俺の勘違いだな。



(終わり)


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