11シーズン よく分からない日常・3


第一話


あの日から三ヵ月後。
幽霊刀も元の地に戻して以来体調も良くなり
完全に全ての呪い、束縛から解放されたキュピル達・・・。

完全に元に戻った。





性格も





ジェスター
「暇ー・・・しかも暑いー・・・。」
キュピル
「・・・だらしない・・。」
ジェスター
「ん?今私の悪口言った?」
キュピル
「だらしなさすぎる、床の上をゴロゴロしてジュースをたまに飲んだりして
たまにお菓子摘んで扇風機に当たって・・・。」
ジェスター
「だってやる事何もないんだもん・・」




バキッ!!ガラガラガラ、ドシャン


ルイ
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」




ジェスター
「事件!事故!わーい!」
キュピル
「ひどいな」
ファン
「何事です!?」


==ルイの部屋

ルイ
「う・・うあ・・・がくっ」

衣装棚と縦長い引き出しがルイの上に倒れてる

キュピル
「まずい、一旦タンスを起すぞ。せーの!」
ジェスター
「だるい〜」
ルイ
「見殺しにしないでー!」


==五分後


キュピル
「やれやれ、不運だな」
ルイ
「すいませんでした・・。棚の上に荷物乗っけてて取ろうとして
衣装棚の引き出しを階段にしたら倒れました・・・」
ファン
「僕の部屋に来れば脚立を貸しますよ」
ルイ
「あったんだ!!脚立!」
キュピル
「ルイって仮にも元メイド長だよな?」
ルイ
「はい」
キュピル
「メイド長って生活の知恵やら知識やら結構あるようなイメージあったんだけど
案外そうでもない?」
ルイ
「いやいや、生活の知識は勿論。ある程度頭も良くないとこの職業には就けませんよ」

顔を見合わせるファンとキュピル

ルイ
「・・・信じてませんね?」
キュピル
「半分。ってか普通衣装棚を階段にして倒れて棚倒してガラガラって・・
ジェスターでもやるかどうか少し・・」
ジェスター
「さり気なく失礼な事さらって言ったね。私の前で」

ルイ
「分かりました、元メイド長だったことを証明してみせましょう!!」
ジェスター
「棚倒したのって体重じゃないの?」


・・・・・・・・。


ルイ
「・・・・・・」
ジェスター
「あれ?何かあった?」
キュピル
「(衣装棚の引き出しに乗って折れる・・・→過重・・・)」
ファン
「(重たい棚を倒す・・→重さがあった・・・)」

顔を見合わせるファンとキュピル。


ルイ
「失礼な!!私は痩せてます!!」
キュピル
「だ、誰も太ってるだなんて言ってない。」
ルイ
「どうやら誰も私が本気になったら凄い人だという事を知らないみたいなので
ちょっと勝負しましょう」
ジェスター
「何の勝負?」
ルイ
「家事対決です」

キュピル
「見せてもらおうか・・・ルイの家事とやらを!」
ジェスター
「シャア?」



=台所


ジェスター
「ってな訳でまずは料理対決〜!
私とファンが食べるから美味しいご飯作ってねー。」

ルイ
「ふふふ・・この私に料理で挑むなんて身の程知らずですね」
キュピル
「男の料理を舐めちゃあかん。」
ファン
「2人には予め料理の材料を買ってきて貰っているはずですので
自分が思う一番美味しい料理を作ってください。では始めてください。
なお、制限時間として今晩の夜ご飯までに仕上げてください。
時間的に今が二時ですので大体四時間半後ぐらいですね。」

2人とも中々の手さばきで具材を切ったり炒めたり煮込んだりしてる。

ルイ
「(私と似たような物を作ってるんでしょうか?
そうですよね、究極の美味しい料理と言ったら基本はあれですしね」
キュピル
「(ルイもワシと似たような物を作ってるのか?
・・・俺は好きだからいいけど・・なんか意外だなぁ)」



==二時間後

ファン
「残り二時間半ですね」
ジェスター
「zzz・・・・zzz・・」
ファン
「ジェスターさん昼寝してる・・」
ジェスター
「もう食べれない・・・zzz・・・」
ファン
「・・・・起きたら食べてもらいますよ」


キュピル
「よーっし、後は煮込んで終了。ワシも昼寝する」
ルイ
「え?・・・それ放棄したようなものですよ?」
キュピル
「何故に」
ルイ
「私はメイド長ですよ?そんな手抜き料理で勝つ気はあるんですか?」
キュピル
「ハッハッハ、甘い甘い。まぁ見てればわかるって」
ルイ
「・・・・・怪しいですね・・」

キュピルの鍋には蓋がされてあって中身がわからない。

ルイ
「(とにかく私は私なりに最高の料理を作ってキュピルさんにぎゃふんと言わせましょう!)」


=四時間経過

ジェスター
「ふあぁ〜・・寝すぎた〜・・寝すぎると頭痛いよね〜・・」
キュピル
「・・・!しまった、寝すぎた気がする」
ジェスター
「あれ?キュピルも寝てたの?料理は?」
キュピル
「煮込むだけで大丈夫。」
ジェスター
「へぇ〜・・・。・・・あ、この臭い。もしかしてあれ?」
キュピル
「そうそう、あれだよ」
ファン
「この臭いはあれですね」
ルイ
「(あれって・・・。皆知ってるようだけど・・この強烈な臭い・・。)」



ジェスター
「うーん、ルイの方からもいい臭いがする〜」
ルイ
「でしょー?これはお嬢様もお気に入りのメニューでしたから
ジェスターさんも気に入るはずですよ」
ジェスター
「・・・お嬢様って誰だっけ?」
ルイ
「・・・・セフィラス様のことですよ」
ジェスター
「あー、懐かしいー(シーズン8にチラッと)」


ファン
「はい、時間切れです。それではさっそくお皿にメニューを盛ってください」
ジェスター
「わくわく!今日はかなりの高級メニューに違いない!キュピルはあれだけど」
キュピル
「悪かったな」
ファン
「それでは、まずルイさんのほうから」

ルイ
「フランスと呼ばれる国から伝わった料理。「タブレ」と「コック・オー・ヴァン」です。
このタブレというのは元々クスクスと呼ばれる粒状のパスタを使ったサラダなのですが
2人の味の好みから考えてこのクスクスを止めて白米に変えました。
その代わりガーリックやレモン汁などミントの香りも白米とマッチするので風味を失わずに
パリならではの味の広さを味わう事ができます。

また、コック・オー・ヴァンは鶏のもも肉を使った肉料理です。
ブルゴーニュらしくたっぷりと赤ワインを使い、それを凝縮させたソースで頂くのが特徴です。
この手の料理には少々珍しくベーコンも使われているのですが
だし汁を加えなくても料理にコクと風味を与えます。
また、今回はチョコレートをほんの少量混ぜました。味にいっそう深みが出てるはずですので
どうぞご賞味ください」

キュピル
「これワシの分もある?」
ルイ
「ありますよ」
キュピル
「ご賞味してみようかな。」

ファン
「どうです?ジェスターさん」
ジェスター
「おぉー、なんかいつもと違う料理って感じ」
ファン
「・・・評論家になれませんね。
僕も本来は人が食べる料理は食べれないのですが良い胃もたれの薬があるので
今回は食べてみます」
キュピル
「無理するなよ」

ファン
「・・・・・」

ファン
「・・・・・・・・・・・・・」

ファン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ファン
「人が食べる料理はこれ含め三品しか食べた事無いので何とも言えませんね」



ジェスター
「ダメじゃん・・」
キュピル
「俺の意見。うーむ、やっぱ流石としか言いようがないな。
このコック・オー・ヴァン。説明には鶏のもも肉の事しか言ってないが
しっかり固めのブレッドも皿に添えてあってソースの味を賞味することができる・・。
この相性がまたいい。それにもも肉。随分と煮込んだようだね。
かなりソースが滲み込んでて必要以上にソースをつけて食べる必要がないから
味に辛さや塩気がない。
それにタブレに関しても考えたね。確かにジェスターは野菜が苦手だからクスクスから白米に
変えたのは良い案だ。元々白米というのはおかずと一緒に食べる物でもあったから
トマトや炒めた野菜を白米に混ぜガーリック、ミントなどの苦味を相殺しつつ
その風味だけを生かすってのは良いかもしれん。
ただ、個人的にはガーリックはいらなかったかもしれないな。ミントの香りも少しきつい」

ファン
「流石キュピルさん。コメントが一味違いますね」
キュピル
「ふははは」

ルイ
「次はキュピルさんの番ですよ。」
キュピル
「ワシの作った料理はこれだ」



ファン
「おー」
ジェスター
「お〜」
ルイ
「・・・なんです?これ?」






キュピル
「カレーだ」





キュピル
「ファンにはファン仕様のメニューを用意しておいたから安心してくれ」
ジェスター
「私これ好きー」
ファン
「僕もこれは好きですね。」
ルイ
「ず、ずるいですよ!2人の好きな物を出すなんて!」
キュピル
「違うぜ、ルイ。美味しい料理と食べなれた料理ってのは違うんだ。
今回のカレーは普通のカレーじゃない。俺なりにスパイシーを加えたスペシャルなカレーだ。
いわゆる特別仕様。食べなれたご飯がより一掃美味しくなる・・・。
人間って不思議でな、初めて食べる料理は少々抵抗があって若干舌が肥えなくなるんだ。
そこが盲点だったな、ルイ」
ルイ
「で、でも評価はまだ決まったわけじゃないですよ」

ジェスター
「カレー美味しい〜。キュピルに一票ー」
ルイ
「ええええ!!」
ファン
「キュピルさんの気遣いとその意見には納得です。キュピルさんに一票」



ルイ
「負けた・・・・」

ジェスター
「ルイもカレー食べようよ〜」
ファン
「ジェスターさん、それ追い討ちですか・・?」




==翌日


ルイ
「まだです!!まだ諦めたわけじゃありません!!!」
キュピル
「またか。また料理勝負?」
ルイ
「いえ、今度は接待です」
キュピル
「・・・・それっと家事なのか?」
ファン
「どちらかと言うとメイド長の仕事ですよね」
ルイ
「ファンさんに頼んで接待の難しいという人を呼んできてもらいました。
満足させた方が勝ちです。」
キュピル
「なるほど、それで接待する人って誰だ?」

マキシミン
「よぉ、俺だ」




ジェスター
「帰って!帰れ!ご帰還!」

キュピル
「最後なんか違う」
マキシミン
「機械のネジやるから今日は黙っててくれ」
ジェスター
「わーい」
ファン
「・・・・・」

マキシミン
「今日一日この家で休ませてもらっていいようだから休ませてもらう。
話によるとマヨネーズとそこのルイという名前の元メイドさんが俺様を接待してくれるそうだな。
今回俺なりに真面目に評価する。午前はルイで午後はマヨネーズ。それでいいな?」
ルイ&キュピル
「OK」

キュピル
「ファン、今日のマキシミンやたらと真面目だぞ。どうやって手なずけた?」
ファン
「S&Aに頼んで報酬つけました。2000Seed。休んで2000Seedで食事つきは
彼にとっておいしすぎる話のようです」
キュピル
「・・・まぁ、そうだろうなぁ。」


=午前

キュピル
「ルイ」
ルイ
「何です?」
キュピル
「立場を良く考えて行動する事。ワシからのアドバイス」
ルイ
「余裕ですね、悪いですが接待は誰にも負けませんよ。それがメイドの基本ですからね」
キュピル
「(はてさて、あいつの性格を考えるとどうやら)」


マキシミン
「ふむ、時間だ。今から三時間、俺は自由に休むからどの辺りまで気を使えるか
テストする。んじゃ初めてくれ。」

そういうとマキシミンは近くのソファーに土足で寝始めた

キュピル
「おい、まてこら。土足厳禁」

マキシミン
「うるせぇ、黙ってろ。とにかく寝かせろ」


そういうと本当にマキシミンは眠ってしまった・・。


ファン
「あれで本当に評価できるんでしょうか?やっぱ報酬はなしに・・」
キュピル
「まぁ、ルイの腕の見せ所だよな」



=一時間後

マキシミン
「ん・・・。扇風機か。考えたな。微弱だし寝やすい環境だな。
まぁ、そろそろ起きるとするか・・」
ルイ
「タイミング見計らってコーヒー入れて置きましたよ」
マキシミン
「コーヒーか。眠気覚まし用って奴だな・・・。」


ファン
「思ったよりルイさんやりますね」
キュピル
「むむむ」


=更に30分後


マキシミン
「毎日こういう仕事ばっかり来ればどれだけ楽か・・」

バン!!(ドアの開く音




イスピン
「こら!!マキシミン!また仕事さぼって!
何で君はいつも、k・・」
ルイ
「イスピンさんですね?」
イスピン
「え?あ、はい・・」
ルイ
「ごめんなさいね、今私のワガママに付き合っててもらってて
これも仕事の一つとしてS&Aに頼んでいます」
イスピン
「え?そうなんですか?・・・ファンさん本当ですか?」
ファン
「事実ですね」
マキシミン
「ククク、やれやれパートナーとして恥ずかしいな」
イスピン
「あー!言っt・・」
ルイ
「(お引き取りください!)」
イスピン
「うっ・・・わ、わかりました・・。」
マキシミン
「邪魔者の追い出し方も一流か・・。このポイントは高いぞ」


ファン
「キュピルさん、これ勝てませんよね?」
キュピル
「甘い」


=更に一時間後

マキシミン
「ぬぅー・・・」

段々居心地が悪くなってきた様子。

マキシミン
「・・・・・・」
ルイ
「・・・・・・・」

キュピル
「完全に気まずいムードに包まれてる」
ファン
「どうしてですか?」
キュピル
「理由はよく考えればわかると思うな」



==スタートしてから三時間後

マキシミン
「ふむ、ここまでだな。次はマヨネーズ。貴様の番だ」
キュピル
「うわ、酷い言い草。」
マキシミン
「黙って接待してくれ。んじゃ、スタート」
キュピル
「始まったか。まぁ、マキシミンや」
マキシミン
「何だ?」
キュピル
「ちょっとしたおかしな話があるがせっかくだから聞いてみないか?」
マキシミン
「・・・まぁ、さっき散々休みまくって逆に暇を持て余していたから聞いてやろう」


ファン
「トークに入りましたね」
ルイ
「あれって接待って言いませんよ。雑談です」


==一時間後

マキシミン
「ハッハッハ!そいつは愉快だな。ルベリエの野郎もその事件にはさぞ困っただろうな」
キュピル
「そもそもS&Aの連中は変わった人が多いよな。例えばべクレールだ。あいつ顔無いじゃないか・・


←目も鼻も口も何も無いべクレール


マキシミン
「・・・考えてみればあれ怖いな」



ルイ
「まさか三時間ずーっと雑談して終わらせる気じゃ・・・ないですよね?」
ファン
「どうでしょうね?」
ルイ
「疑問系で返さないで下さい・・」


==更に30分後

キュピル
「やれやれ、・・・そろそろ喋りつかれただろ?」
マキシミン
「まぁ、そうだな」
キュピル
「ソーダあるぜ。暑い夏はこいつでググッと決まりだろ」
マキシミン
「アホ、酒だろ酒」
キュピル
「やめとけ、ジェスターが飲みに食いついてくる」
マキシミン
「・・・そいつはお断りだな」
ジェスター
「じー・・・」
マキシミン
「うっ・・・。来ちまったよ・・。ほら、あっちいった。シッ、シッ」
ジェスター
「あ〜。犬みたいに扱った。ポイント下げるよ」
マキシミン
「何のポイントだよ!!」



=スタートして二時間後


キュピル
「うお、しまった。そういえば重大なこと忘れてたぞ」
マキシミン
「飯食ってない事だろ?」
キュピル
「Yes」
マキシミン
「早くだせ」
キュピル
「なんという口調。許せん」

と、いいつつも昨日の残り物を差し出すキュピル。

キュピル
「コック・オー・ヴァンでございます・・」
ルイ
「あ、ずるい!!キュピルさん卑怯です!」
キュピル
「タイムアップになる前に出さなかったお主の作戦負けじゃ!」
マキシミン
「おっ、こいつは随分とちゃんとした高級料理だな。頂くぜ」



==スタートして三時間後


マキシミン
「よし、そこまでだ。俺の意見としては2人とも悪くなかった。
とにかく2人の良かった点と悪かった点をそれぞれ上げていこうか」
ルイ
「むむむ・・!」
キュピル
「ふむ」


マキシミン
「まずルイからだな。良い点を上げると気配りは最高だったな。
これほど気配りが出来る奴は滅多にみかけん。
それに俺が昼寝しちまった時も焦らず起きるまで待ったのは出来る。
ただな・・・」
ルイ
「た、ただ・・?」
マキシミン
「その気配りが出来すぎて逆に居心地が悪かった部分があった。特に後半。
ずーっと後ろに立ってるのはまるで監視されてるようで落ち着けなかった。
ここが一番痛手だな。
次にマヨネーズだ。

マヨネーズの良い点を上げれば疲れを感じさせないトークだったな。
ルイの時に出来てしまったその沈黙と気まずさを行き成り壊して良い雰囲気を作ったのは
かなりの良いスタートだった。それにいくらか話ししたら小休憩挟んだり適当に休んだりして
しっかり気配りも出来ていた。ルイ程ではないにしろ上出来だ。飯も上手かったしな」

ルイ
「それは私の料理!」
ジェスター
「ルイー、遊ぼうよー。暇ー」
ルイ
「今は私は忙しいです!」
ジェスター
「むーん!」


マキシミン
「悪い点は・・そうだな。ちょっとトークが長すぎたな。30分ぐらいでよかったかもしれん。
ちょっと疲れちまったな。ま、そんな所だな。そんじゃ最終的に接待が上手だと思ったほうの
名前を言うぞ」

キュピル
「・・・・・・・」
ルイ
「・・・・・・・」













マキシミン
「互角」







ルイ
「それはなしです!!」
キュピル
「それは禁句だ!!」



マキシミン
「うるせぇ、互角つったら本当に互角なんだよ。文句あんのか」
ルイ
「あります!大有りです!」
マキシミン
「なら言わせてもらうとな、若干キュピルのほうが勝ってたからな」
ルイ
「うっ・!!?」
マキシミン
「んじゃ、俺は帰るぜ。また接待の相手求めてたなら俺に言ってくれよ。」


そういうとマキシミンは帰って言った。



ルイ
「・・・・・」

自分の部屋に戻ってしまったルイ。

キュピル
「凹みやすいな」
ファン
「ジェスターさんと似てますね」
ジェスター
「キュピルー、ファンー。暇すぎて死にそうー。何か遊ぼうよ」
キュピル
「スマブラやろう」

ファン
「キュピルさん、世界違う気がします」





==深夜

ルイ
「はぁー・・」
キュピル
「落ち込んでいるな」
ルイ
「そりゃそうですよ・・。メイド長だった私がこうも勝利を勝ち取れないなんて・・」
キュピル
「満足できない?」
ルイ
「はい」
キュピル
「そうだなぁ・・。ルイ。どっちかっと言えば今回俺は反則勝ちしたってのが正しいんだよな」
ルイ
「反則ですか!?まさかワイロとか・・」
キュピル
「いやいや、そういうわけじゃない。例えば一番最初の料理勝負を思い出してくれ。
ルイがウルトラ高級料理を作ったのに対し俺は誰でも作れるカレー。」
ルイ
「今でも分かりません。キュピルさんが勝った理由が。初めての人でもあの料理は
誰もが気に入って誰もが美味しいと言う物なんですが・・。」
キュピル
「やっぱりな、こう言っちゃなんだけどジェスターもファンも味覚が人間と違うんだよ。
だから彼等が一番気に入る味は俺も分からないから大好物な物をカレーに混ぜてるだけなんだよ。
ジェスターのカレーには機械のネジが混ざってるわけだしな・・。」
ルイ
「うーん・・」
キュピル
「あれだぞ、ルイの料理と俺の料理を見知らぬ人たちに食べてもらってどっちが美味しいか
聞いたら間違いなく全部ルイの方に行くよ」
ルイ
「まぁ、料理はいいとして接待ですよ。どうしてダメだったんでしょうか・・。」
キュピル
「あぁ、悪い。あれは完全にマキシミンが好きな話題を元から掴んでたから
それ利用してポイントを無理やりあげてた。」
ルイ
「・・・前から知り合いだったんですか!!」
キュピル
「気づいてなかったのか!」
ルイ
「通りで平気で暴言、言い合ってたわけで・・。」
キュピル
「見知らぬ人がいきなり罵詈雑言飛ばしあったら色々やばいんじゃ・・」
ルイ
「・・・でもそれを踏まえても私は自身があったんですが・・」
キュピル
「まぁーここが一番ルイにとって理解しにくい場所だろうな。
これが庶民と貴族の違いって奴だよ。慣れてないとああいった気配りは逆効果なんだよ」
ルイ
「キュピルさん。ちょっと気の済むまで討論しましょうよ」
キュピル
「いいだろう、どっからでもかかってこい」



==翌日


ファン
「おはようございます。・・・おや、ルイさん。いつもと服装が違いますね。
ルイ
「昨日キュピルさんと気の済むまで討論していかに私が自惚れていたか思い知らされました・・。
初心に帰ってもう一度1から学びなおします」
ファン
「いい心がけですね。でも、その服は何なんですか?」
ルイ
「民族衣装です。まずは庶民の暮らしを理解するために真似することが重要かなっと思って」
ファン
「・・・・・・・」

そもそも一般常識を見直したほうがよさそうである。



終わり


第二話


結局民族衣装を着っぱなしのルイ。

ルイ
「どうです?この服」
キュピル
「うーん、ルイの場合何着ても似合うタイプだからなぁ。」
ジェスター
「じゃぁ、私は?どきどき」
キュピル
「うーん・・・。・・・その白い服だけかもしれない・・。」
ジェスター
「あああ!言った!!言ったね!?わああああ!!」
キュピル
「ぬああ!こいつ今日武器もってやがる!!悪い!悪かった!うああああ(ry」




ルイ
「っというわけでキュピルさんは全身複雑骨折してファンさんの部屋で集中治療を(ry」
ジェスター
「たまにはこれぐらいやらないとね」
ルイ
「(恐ろしい・・・)」



ジェスター
「と、いうわけで!私も何か別の服着てみたいな〜って思うんだけど
何がいいと思う?」
ファン
「そうですね・・・」
ルイ
「うーん・・・・」
ファン
「・・・・・・・・・・」
ルイ
「・・・・・・・・・・」
ジェスター
「・・・・・・。そんなに私、この服しか似合わない?」
キュピル
「ぜぇ・・。じ、ジェスターの場合は等身がだな・・」
ジェスター
「ええええーーーーーーいいい!!」



ルイ
「っというわけでキュピルさんは意識不明の重症を負ってファンさんの部屋で集中(ry」
ジェスター
「キュピルになら遠慮なく攻撃できる!」
ルイ
「(白い悪魔・・・)」
ファン
「(ルイさん、それじゃガンダムです)」



ルイ
「あ、そうだ。浴衣なんてどうです?」
ジェスター
「浴衣?」
ルイ
「小さい子は浴衣がよく似合うって相場が決まっていますから」
ファン
「知りませんでした」
ルイ
「(だって今私が作ったんですから)」
ファン
「(・・わかりました)」

ジェスター
「へぇー、じゃぁ浴衣着てみようかな?浴衣ある?」
ルイ
「ジェスターさんのサイズにあう浴衣は多分・・ないと思います。」
ジェスター
「なら買いに行こうよ」
ルイ
「そう来ましたか。あるといいですね」
ジェスター
「買ってくれるの?」
ルイ
「キュピルさんに見返してあげてください」
ジェスター
「わーい!」
ファン
「(その本人が意識不明なんですが・・)」





=ロシュのよろず屋

ロシュ
「この店にないものはないんだぞ。俺に言う事が信じられないか?」
ジェスター
「絶対信じられない」
ロシュ
「なら、浴衣は売れないな」
ジェスター
「信じる!」
ロシュ
「毎度あり!」
ルイ
「・・・とりあえずサイズを測りましょう。手横に伸ばして」
ジェスター
「ぶーん」
ルイ
「また随分懐かしい・・・」



==数十分後


ジェスター
「ルイ〜・・。これブカブカなんだけどー・・」
ルイ
「ジェスターさん、浴衣ってのはそういうものなんですよ」
ジェスター
「でも、これ尚更ブカブカだと思うんだけどー・・」
ルイ
「ジェスターさんの場合身長が身長ですしウェストがウェストでしたし・・・。」
ジェスター
「どういう意味?」
ルイ
「小さすぎってことですよ。それにあんまり短くすると
いつもの服とあんまり大差なくなっちゃうので。とにかく真ん中の帯をきつく締めますね」


ぎゅうぅぅぅ


ジェスター
「ぎゃああぁぁぁ!!」
ルイ
「我慢!我慢!」




ロシュ
「おい、そこに誰か伸びてるぞ」
ジェスター
「ルイって・・力持ちなんだね・・」
ルイ
「別にきつく絞めたつもりはないんですが・・」




==自宅


ジェスター
「じゃじゃ〜ん!」
ファン
「おー、浴衣ですね」
ジェスター
「どう?似合う?似合う?」
ファン
「お祭り大好きって感じがしますね。
どちらかというと新着物ですからハイカラっぽいですね」
ジェスター
「ハイカラ?」
ルイ
「西洋風を気取ったり、流行を追ったりすることです。
今の場合後者ですね。この季節お祭りも多いですし何よりも浴衣は涼しいんです」
ジェスター
「そうかなー?私浴衣のほうが暑く感じる・・・」
ルイ
「私達人間が着る服はファッション性を重視するあまり通気性が悪かったりしますから。
ジェスターさんの服はシンプルでワンピース(?)ですから尚更そう感じるんだと思います」

ジェスター
「ふーん・・・」


ガチャ


キュピル
「死ぬ。痛みで死ぬ。松葉杖ないと歩けん。」
ジェスター
「あ、キュピル。じゃじゃーん。どう?似合ってるでしょ?」
キュピル
「ん、江戸っ子がいるぞ」
ジェスター
「江戸っ子?」
キュピル
「威勢がいいってこと。涼しそうだな」
ジェスター
「暑いよ。これ」
キュピル
「俺達人間が着る服は(ry」
ジェスター
「ルイと全く同じ事言ってる・・・」
キュピル
「浴衣かー。・・・そういえば今日クラドでお祭りがあるぞ」
ジェスター
「ほんと!?」
キュピル
「うむ。ルイとファンで行って来るがよろし。お駄賃2000Seedぐらい援助しよう。」
ジェスター
「わーい!!」

ファン
「ゴマすりましたね?キュピルさん」
キュピル
「シッー」




ルイ
「では、言って参ります」
ジェスター
「いってきま〜〜す!」
ファン
「では、僕も」
キュピル
「あいよ。」

ドアが閉まる。


キュピル
「・・・・・そういえば、あのお祭り・・。
あいつ等も参加してたような・・・」


==クラド


この日はお祭りなので他の村からやってくる部外者も歓迎される。

ファン
「いつもでしたらクラドに住んでない人は冷たい目で見られるんですけどね」
ルイ
「そうなんですか」
ジェスター
「あ、ワタアメ!!」
ファン
「ジェスターさん。走ると転びますよ。」


==ワタアメ屋台

ジェスター
「おじさん、ワタアメちょうだい!」
マキシミン
「誰がおじさn・・・げぇっ!!キュピルのジェスター!
ジェスター
「あぁー!こんな所にマキシミンが!」
マキシミン
「シッー、静かにしてくれ。S&Aの連中に内緒でこっそり屋台出してるんだ。
お祭りはコストの割には儲けがでかいんだ。イスピンにばれたら何て言われるか・・。」
ジェスター
「へぇー。・・・ニヤニヤ」
マキシミン
「ダメだ。無料ではやらん。」
ジェスター
「えー、ケチ」
マキシミン
「つーか、何で浴衣なんか着てる。それよりマヨネーズ呼んでこい。マヨネーズ。金あるんだろうが」
ジェスター
「キュピルは今全身複雑骨折で入院中ー」
マキシミン
「・・・アイツ事故ったな・・・(ジェスターの意味で
ジェスター
「うーん、他の店行ってこよ〜」
マキシミン
「おい、結局ワタアメ頼まないのか!」



==ヨーヨーすくい屋台

ジェスター
「何これ?」
ガフ
「こいつはヨーヨー救いって言ってな。
こうやって糸が切れないように釣り針を垂らして丸い輪ゴムに引っ掛けるんだ。
上手く釣り上げたらお前さんの物だ。釣り上げた後は
こうやって遊ぶ事が出来る」

丸い輪ゴムを指の間に入れて色んな芸を見せるガフ

ジェスター
「へぇー・・。これ面白そう。やるー!」
ガフ
「100Seed」
ジェスター
「何個釣ってもいいんだよね?」
ガフ
「糸が切れなければな」
ジェスター
「よーし」



シベリン
「なぁ、レイ。レイ!」
レイ
「・・・なに?」
シベリン
「・・結構食べるんだな。レイ」
レイ
「・・・・・・」
ルイ
「霊!?霊ですか!?」

シベリン
「いぃっ!?誰だ!?って、おぉ。美しいお嬢さんじゃないですか」
ルイ
「あ、申し送れました。ルイ・アリス・トラクシーと言います。
先程霊って聞きましたが・・」
シベリン
「まぁ、確かにレイって言いましたね。レイとはお知り合いで?」
ルイ
「そりゃもう!私自身霊を追い続けて何十何年かになりますからね!」
シベリン
「そいつはすごいな!レイ。お前ファンがいたなんて知らなかったぜ」
レイ
「・・・知らない」
ルイ
「え?霊って・・レイっていう名前の・・?」
シベリン
「え?てっきり俺はそうだと・・」
レイ
「・・・・・・・」
ルイ
「・・・・・・・・」

シベリン
「人違いでも僕は構いません。せっかくですから一緒にお祭りを・・」
ファン
「ルイさん、恥ずかしいことやってないで早くジェスターさん探しましょう」
ルイ
「す、すいませんでした・・・」

いってしまう2人

シベリン
「ルイという名前なんですね・・ってあぁ、言ってしまわれた」
レイ
「・・・・あれも食べたい」
シベリン
「ワタアメも食べるのか・・・。
ハハハ・・よく食べるな・・・って、マキシミン!?」



ジェスター
「わーん!取れない!!」
ガフ
「(こんなに簡単にしてやったのに・・取れないとは・・・)
ま、まぁ。お嬢ちゃん。一個やるから。そうムキにならないでくれ」
ジェスター
「自力で取らないと嫌だー!」
ガフ
「(子供・・)」

ルイ
「あぁー!ファンさん!見つけました!いた!いましたよ!」
ファン
「一回言えばわかりますから。」
ジェスター
「あ、ルイとファン。ねーねー、これ難しくて出来ないんだけど・・・」
ファン
「ヨーヨー釣りですか。お手本見せましょう」
ガフ
「(どうやって釣り糸持ってるんだ・・・)」
ファン
「こうやってまずはヨーヨーの上に乗っかってる丸い輪ゴムにひっかけます。
そうすれば糸が濡れずに済むので耐久性を落とさずに手に入れることができます。
はい、一個目」
ジェスター
「すごーい」
ファン
「他にも輪ゴムが完全に水の中に入っていても輪ゴムの根元は案外水に浸かってないことが
多いのでここを・・こうやって・・引っ張って・・・っと。
そこでまた載せたら・・・こうやって・・(ry
はい、二個目」
ジェスター
「おぉ〜。」


ファン
「これが一番難しいタイプですね。
(略)
(略)
(略)
はい、三個目・・・ってジェスターさんまた消えてる!」
ルイ
「いつのまに!」



==お面屋

ジェスター
「わ、何これ!?」
モーガン
「ガハハハ、俺様お手製のペットのお面だ!
どうだ、似照るだろ?」

リブリオから明月まで・・。Lv1からLv5まで全てのお面が揃ってる。
無論、ジェスターのお面も含める。

ジェスター
「あー、違う違う。このお面全然似て無い!(ジェスターLv4」
モーガン
「なん・・だと・・」
ジェスター
「み〜んな同じ顔だと思ってたら大間違い〜。べーだ!
モーガン
「ぐぐぐ・・クルァアアア!!」
ジェスター
「わー!怒った〜!」

逃げるジェスター

イシュラ
「お、ジェスターのお面だ。似てる・・」
しゅらら
「・・・似てないけど」
なっつ
「全然違う・・」
イシュラ
「・・・・・」
モーガン
「・・・・・・店じまいでもすっかな・・」


==くじ引き屋台

友人A
「俺にはわかる!!俺にはわかるんだ!!
このくじ引き、四等賞のジェスター人形・・・。
こいつを手に入れるのはこの俺なんだと!!こいつだああああ!!」

バッ!

スキルの達人
「ふむ、残念賞。はい、飴玉一個」
友人A
「ぐほっ・・なぜだ・・何故なんだジョー・・!!」
ジェスター
「あ!変態でマニアな人間!」
友人A
「完全で瀟洒(しょうしゃ)の人間だ!」

スキルの達人
「(瀟洒とかないだろ・・・)」


友人A
「って・・む・・。おぉー・・・。浴衣ジェスター・・・。
素晴らしい・・・・・・いける!!
ジェスター
「え?」
友人A
「よし、今日はこいつを持って帰ろう」
ジェスター
「ぎゃぁぁーー!!私野生じゃないから!!」
友人A
「(QPのだと知ってるし)」←外道



ジェスター
「助けて〜!変なおじさんに拉致されるー!」
シベリン
「拉致!?今助けるぞ!」
友人A
「ぐほぉっ!」
レイ
「ここにもまだシベリンみたいな変態がいたのね」
シベリン
「うっ・・・」
ジェスター
「助かった〜。ありがとう〜」
シベリン
「はっ・・・。おぉー・・・。浴衣ジェスター・・・。
素晴らしい・・・。いける!!
レイ
「・・・馬鹿ばっか」


ルイ
「何で20個も釣ったんですか」
ファン
「調子に乗りすぎましたね。どこまで釣れるか試してみたかったんです」
ルイ
「もうそれだけで荷物一杯ですよ〜!」
ファン
「仕方ないです(何が」
ルイ
「カバン持ってきてよかった・・・。
・・・ん、くじ引き・・・。一等M4のスコープカスタム付きエアガン・・?
お子様ですね。こんなの欲しがる人は」
ファン
「(本物持ってるのに・・)」

ルイ
「ん?五等・・マジックアイテム・・。幽霊・・?
これを装備してる間足がなくなります・・?
・・・やります!!!」
ファン
「霊能グッズじゃなくてただのオモチャじゃないですか!!!」





ジェスター
「う〜ん。屋台でお酒買っちゃった。ごくっ。
ぷはっー。・・・う〜ん。でも眠くなってきたなぁ。」



マキシミン
「ちっ・・。まさかシベリンとレイに見つかるとはな・・・。
売り上げが半分パァッじゃねぇか・・・(S&Aに借金がまだ残ってるため」



シベリン
「また、あの浴衣ジェスターに会いたいな・・」
レイ
「・・・病気?」


友人A
「くうぅぅぅ!!今度こそ!今度こそ俺は4等を当てるんダァァッ!!」
ルイ
「あああ!!四等!!私は五等が欲しいのに!!」
友人A
「!!。そいつをくれ!!」
ルイ
「いやです!」

ファン
「ルイさん・・・。ちょっと身の回りのアイテムを確認してみてください・・・。」

しゅらら
「あ、友人Aさんだ〜」
イシュラ
「しゅ、しゅららー!!」
友人A
「おぉ、しゅらら!大きくなったなー!

イシュラ
「(´・ω・)・・・」
なっつ
「イシュラ。まだ私いるからね?」



そんなこんなで日も落ち、徐々に夜は更けていった・・・・。



ひゅぅるるるるううぅぅぅ・・・



バン!!



マキシミン
「ほぉ」


シベリン
「お?」
レイ
「?」

ルイ
「あ」
友人A
「ぬ?」
ファン
「おぉ」

しゅらら
「ん?」
イシュラ
「!」
なっつ
「わぁ」




ジェスター
「うぅ〜ん・・。寝すぎた〜・・。
・・・?あ、花火!!



全員その大きな花火を見て夏だという事を実感した・・。

いよいよ星も明るく輝き出し月も綺麗に輝いていた。







==夜10:00時。自宅


ガチャ


キュピル
「お、帰ったか。おかえ・・・r・・・」


ファン
(超大量の水ヨーヨーを抱えている)」
ジェスター
(べろんべろんに酔っ払ったジェスター)
ルイ
(くじ引きの商品。マスクにサングラスに一等の超巨大なM4スコープエアガンを担いで
腋には等身大ジェスター人形を挟んでる)







キュピル
「へ、変態だーーーー!!特にルイ!!(AA略)」





結局ジェスター人形はジェスターの部屋に。
水ヨーヨーはキュピルの部屋に。
M4のスコープエアガンはルイの部屋に
サングラスとマスクは何故かファンの部屋に・・


ファン
「・・・マスク捨てていいですか?」


終わり


第3話


キュピル
「そうか・・。もうこんな季節か・・」
ジェスター
「夏だよ。キュピル。やりたい事は今のうちにやらなきゃ」
キュピル
「うーむ、しかし資金問題がなぁ・・・」
ジェスター
「キュピル、ここは思い切って決めないと後悔するよ?」
キュピル
「ぬーん・・・。だが機材すらないわけだ・・。資金はいいとしてもスペースがな・・」
ジェスター
「キュピル、私やりたい!!」

ルイ
「ジー・・・」
ファン
「・・・・・・」
ジェスター
「ドキドキ・・・」




キュピル
「よし、やろう!!バーベキュー!!」





ジェスター
「やったーーー!!」

ルイ
「ついに夏のロマンがやってきました!」



ファン
「キュピルさん、そうと決めたら早く準備しないと夜になってしまいますよ」
キュピル
「夜飯には間に合わせたいな。よし、買いにいくぞ。全員手伝ってくれ」
ジェスター
「は〜い!!」



==ロシュのよろず屋


ロシュ
「なんだ、またお前らか。今度は何が欲しいんだ?
うちの店には何でもあるぞ。俺のいう事が信じられないのか?」
キュピル
「信じています」
ロシュ
「よし、何でも売ろう」
ルイ
「・・・前々から気になっていますがこれ合言葉なんですか?」
ファン
「・・・みたいです」

キュピル
「バーベキューに関する道具はここにあるか?」
ロシュ
「俺の店には何でもあるぞ。そこの倉庫にあったはずだ。」
キュピル
「ちょっくら漁らせてもらうぜ」
ルシアン
「聞いた?ボリス。バーベキューだって!バーベキュー!僕今日の夜
バーベキューが食べたいなー」
ボリス
「・・・ここの所依頼ばかり引き受けてお互い疲れてるはずだ。
今日ぐらいはハメを外してもいいと思うよ」
ルシアン
「やった!そうと決まればミラお姉さんとティチエルも呼んでくる!
ボリス、道具買っておいて!」

ボリス
「・・・俺が払うのか・・・。店主。バーベキューセットはあります?」
ロシュ
「うちの店には何でもあるぞ。倉庫にあったはずだ。探してみろ」
ボリス
「はい」


==倉庫

キュピル
「むー・・。ないなぁ・・・」
ボリス
「・・・・」


キュピル
「くそー・・。綺麗に整理されてるのに何故かバーベキューの道具が見つからんぞ!」
ボリス
「(見つからない・・・。高い所にでもあるのか?)」


・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

キュピル
「(もしかして一番奥か・・?)」
ボリス
「(一番奥かもしれない・・・)」



==探し始めて一時間経過

ジェスター
「キュピル〜・・。まだー?待ちくたびれたよー・・」
ルイ
「まぁまぁ、待ってあげましょうよ」
ルシアン
「ボリスー!早いところ見つけて早く食べようよ!」
ミラ
「へへ、あたしも早いところ食べたい所だね。肉ぐらいおごってやるぜ」


キュピル
「・・・・・・・」
ボリス
「・・・・・・・・」


キュピル
「あった!」
ボリス
「見つけた!」

ガッ

両者同時に一つしかないバーベキューセットの箱を手に取る

キュピル
「・・・・・・」
ボリス
「・・・・・・・」

キュピル
「(一つしかない・・。今日どうにかして手にいらないとジェスターに何を言われるか分からない・・)」
ボリス
「(ルシアンがミラさんやティチエルさんも呼んでしまっている・・。全員楽しみにしている・・)」

キュピル
「・・・・。これ・・一個ですか?」
ボリス
「・・・だと、思います」
キュピル
「・・・・どうしても必要ですか?」
ボリス
「・・・はい」
キュピル
「むむむ・・・・。申し訳ない!!」
ボリス
「?」
キュピル
「とりゃあーー!!」
ボリス
「!」

キュピルがバーベキューセットの箱を持ち上げトンズラする

ボリス
「待て!」
キュピル
「逃げ足はピカイチ!・・・ぐえ!」

床に転がっていた小細工に躓き転ぶキュピル

ボリス
「失礼する」
キュピル
「うわ!この!」

ボリスがバーベキューセットの箱を手に取りロシュの元へ走った。

キュピル
「ジェスター!その黒い服きた人を止めてくれー!バーベキューが消える!」
ジェスター
「わかった!えーーーーーいい!!」
ボリス
「ぐっ!」

ジェスターがボリスに思いっきりタックルする。バランスを崩して転倒する。

ジェスター
「わ〜い。おじさーん。これ買・・」
ルシアン
「くそー!卑怯だぞ!」
ジェスター
「ぎゃ!」

ルシアンがジェスターが持っていたバーベキューセットの箱を奪う

ルイ
「あ!子供に対してよくそんな卑劣な事が出来ますね!」
ジェスター
「子供じゃない!でも返せー!」
ルシアン
「おじさん!これ買い・・・」
ジェスター
「ターックル!!」
ルシアン
「痛っ!」

ルシアンが転ぶ。バーベキューセットの箱が転がる。
それをルイが手に取りロシュの元まで走り出す。

ルイ
「これ買・・・」

そう言おうとした瞬間バーベキューセットの箱が後ろに飛んでいった

ルイ
「!?」
ミラ
「へへ、こいつはアタシが貰ったぜ」

鞭でバーベキューセットの箱を奪ったようだ。

ミラ
「おじさん!こいつはアタシが買・・」

そう言おうとした瞬間バーベキューセットの箱が急にミラの元から離れた。

ミラ
「なに!?」
ルイ
「ふふ、私の魔法ですよ。ロシュさん。これは私が・・」

すると再びバーベキューセットの箱がルイから離れた

ルイ
「あ!」
ティチエル
「私も魔法が使えるんですよ〜」
ミラ
「よくやった!ティチエル!今度こそあたしが買・・・」

言おうとした瞬間またしてもバーベキューセットの箱がどこかに引寄せられていった。

ファン
「強力磁石です。まさかこれが役に立つ時が来るとは思っていませんでした。
買いま・・・」

その瞬間ルシアンがまた飛びついてきた。

ルシアン
「くそー!返せー!」
ファン
「ひぃっ!」
ミラ
「ルシアン!今度こそそいつを離すな!」
ジェスター
「えーい!!もう怒った!!わああああああ!!」
ルシアン
「うわ、危ない!」

もはや乱闘騒ぎ

キュピル
「全く、やめないか」
ボリス
「見苦しいぞ。ルシアン」

ジェスター
「えー・・・」
ルシアン
「だって・・・」

キュピル
「ここは一発。決闘なり何なり勝負をつけようじゃないか」
ボリス
「そのほうが互いにスッキリするはずだ」

ジェスター
「(しめた!キュピルは一般人と比べると潜った修羅場の数が違うから勝てる!)」
ルシアン
「(勝った!!ボリスは普通の人と比べたら掻い潜った修羅場の数が違う!)」

キュピル
「どうだ?誰か一人リーダー決めて勝負しないか?」
ミラ
「あたいは賛成だ。」
ティチエル
「喧嘩はよくないですー・・」
ファン
「喧嘩・・というよりは正当な勝負ですよ」
ティチエル
「よくわかんないです」


決闘は互いに合意しFCで勝負することになった。


==FC(ファイトクラブ)


キュピル
「さて、誰が戦う。」
ファン
「申し訳ありませんが、僕は無理です」
キュピル
「ファンは戦わない方がいい。危ない」
ジェスター
「私としてはキュピルに一票」
ルイ
「私もキュピルさんに一票ですね」
ファン
「同じく僕も」
キュピル
「・・・ナ、ナンダッテー・・・」
ジェスター
「あれ?何で乗り気じゃないの?」
キュピル
「(うーむ・・。個人的にはジェスターに一票入れたかったな。)
仕方ない。多数決でそうなってしまったからには頑張ってくる」
ルイ
「大丈夫です!キュピルさんは私と比べたら掻い潜った修羅場の数が違いますって」


一方、向こうでは・・・。


ボリス
「誰がいいと思う」
ルシアン
「はいはーい!この最強の僕がけちょんけちょんにしてやるよ!」
ミラ
「まて。向こうも出来るみたいだ。ルシアンじゃ不安だ」
ルシアン
「な、なんだと!」
ボリス
「ルシアン・・。落ち着け。それで、ミラさんは誰に票を入れるんですか?」
ミラ
「そりゃ、ボリスだね。あたしは魔法も出来ないしすぐ熱くなりやすい。
冷静な判断が出来るボリスが適任だと思うね」
ティチエル
「私としてはミラお姉さんに票を入れたいです・・。」
ミラ
「えぇ!?それは勘弁してくれよ!」


キュピル
「向こうは中々決まらないようだな」
ルイ
「首を長くして待ちましょう。今のうちに装備を整えたらどうですか?」
キュピル
「うむ。」



ルシアン
「そうだ、ボリスの意見は!?」
ボリス
「自分は・・・。・・・。ミラさんか自分かと思ってます。」
ミラ
「じゃ、ボリスで決まりだね」
ルシアン
「僕もボリスが適任だと思う」
ティチエル
「頑張ってくださいです〜♪」
ボリス
「(一方的・・)」



ボリス
「決まりました」
キュピル
「よし、ではリングに上がりましょう。」


ボリスとキュピルがリングに上がる。


ジェスター
「負けるな〜!キュピルなら出来るー!」
ルイ
「霊術を活かせばきっと勝てます!」
ファン
「見守ってます」

キュピル
「おう」


ルシアン
「行けー!ボリスー!ボリスは一番強いから勝てるよ!」
ミラ
「ルシアン。少し黙ってろ」
ティチエル
「頑張ってくださ〜い!」


ファン
「じゃ、ゴング鳴らします。始め!」


ゴングが鳴った。


すぐに2人とも剣を抜刀した。

キュピル
「(大剣か・・・。重量で押し切られないように注意しないと)」
ボリス
「(刀・・。振りは早そうだ)」

お互い始めは出方を伺っていたが
すぐにボリスの方から突撃してきた。

ボリス
「はっ!」

大剣を軽々と振り回す。
辛うじて回避する。

キュピル
「な、なんて恐ろしい馬鹿力だ・・・。息が上がっていない・・」

普通の人なら今のでもう疲れるはずだ。
・・・この人・・・。出来る・・!

キュピル
「反撃だ!」

キュピルが刀を水平に構え前に突進しながら三回突きを繰り出した。

ボリス
「・・っ・・・っ・・・。・・・。」

しかし軽々と回避されてしまった。

キュピル
「よし、そのまま切り上げ!」

突きから一気に刀を切り上げる。

ボリス
「!」

切り上げを避けた瞬間、キュピルが回転して足が飛んできた。

キュピル
「これぞ、武閃直伝!レッグストーム!」

懐かしい技を繰り出す。だがボリスがしゃがむ事によって全て回避されてしまった。

キュピル
「ここまでは予定通り。必殺、袈裟切り!」

回転による遠心力を利用してそのまま思いっきりボリスの右肩から左脇にかけて
切り下げた。


ルシアン
「危ない!」

ボリス
「ぐっ!」

かろうじて大剣でガードするボリス。

ボリス
「(フットワークが軽い・・。軽装のメリットで攻めてきたか・・)」
キュピル
「(全部回避されただと・・。やっぱり只者じゃない・・・)」

今の凄まじい攻撃でキュピルに疲れが見え始めた。
そこをボリスは逃さなかった。

ボリス
「連!!」

素早く剣を振り回し連続攻撃を繰り出す。

キュピル
「やばい、」

1、2、っと淡々と回避するが
最後の追撃が入ってしまう。

キュピル
「ぎえっ・・!」


ルシアン
「いいぞー!ボリスー!やっつけちまえー!」
ジェスター
「さっきからうるさーい!」
ルシアン
「うるさいって言ったほうがうるさいんだ!」
ルイ
「(子供・・・)」
ミラ
「(ガキ・・・)」




戦い始めておおよそ10分。
互いに剣や体術を活用して攻防を繰り返している。
しかし、徐々にボリスの方が押し始めた。

キュピル
「クッ・・・こ、こうなったら・・・!!」

キュピルが何かを詠唱しはじめた。

ルイ
「出た!!霊術!!」
ファン
「ですが、幽霊刀はありませんから何処まで弱体化しているか・・・」


ティチエル
「あれは・・。見たことない魔法です・・。・・魔法ですらないかも・・」
ミラ
「なんだって?」

ボリス
「スマッシュクラッシャー!!」

剣を地面に突き刺す。地脈の力を借りて
大噴火を引き起こす!

キュピル
「ぐぐぐっ・・・!!」

大きなダメージを受けるが詠唱を中断しなかった。
すぐに詠唱が完了した。

キュピル
「霊術・武器隠し!」

自分の武器がどこかに消える。

ジェスター
「え!武器を捨ててどうするの!」
ルイ
「・・・ジェスターさん。相手側も見てください」
ジェスター
「え?」

ボリス
「・・・なに!?」

ボリスが持っていた武器が全て消えた。

キュピル
「お互いの武器を隠してしまう技だ。さぁ、ここからは拳の勝負だ。」

キュピルがファイティングポーズを手に取る。
ボリスも構える。

キュピル
「でいや!!」

キュピルが勢いよくボリス目掛けて殴りかかった。

ボリス
「はっ!」
キュピル
「ぐふっ!!」

カウンターを決められた。かなり手痛いダメージを追った。

ミラ
「ボリス!チャンスだ!」

ボリスがラッシュに入った。
壁際まで追い詰めて逃げる隙を与えない。

ルイ
「た、ただ殴られるだけ・・・。武器を隠さないほうがよかったのでは・・」
ジェスター
「一気に不利に陥ってる・・!負けるなー!蹴り飛ばせー!」
ファン
「・・・・ここでは聞こえませんよ」


ドスッ、ガスッ、ダンッ!


キュピル
「っ!!!」
ボリス
「はっ!!」

ボリスのアッパーが入り地面にダウンする。

ボリス
「トドメだ!!」

ボリスが思いっきり踏み付けにきた!
辛うじて横に転がることによってとどめは回避するが
追撃として蹴ってきた。

キュピル
「うおりゃぁ!!!」
ボリス
「!」

蹴ってきた足を掴んで力任せに転倒させる。
ボリスが尻餅をついた。
今のうちに立ち上がる。


キュピル
「たった一回かわされただけでこんなにもダメージを受けるとは・・ぐぐっ・・」

体のあちこちが痛い。これは・・負けるか・・?

ボリスが再び殴りかかってきた!
避けようと思ったが足が動かない。ボリスのラッシュを再び喰らう

ルイ
「・・・・!!!」
ジェスター
「っーーー!!」
ファン
「・・・・・」

三人とも声が出ない。
全員勝つと思っていたのに気がつけばすごい劣勢。

ジェスター
「こ、こんなにも・・強い人がいたなんて・・」

ボリスの的確な左ジャブを立て続けに喰らい、倒れそうになった所を
強烈な右ストレートでキュピルを思いっきりぶっ飛ばす。

無言のまま倒れる。

ルシアン
「やったー!!さっすがボリス!!」
ティチエル
「対戦相手の方大丈夫でしょうか・・。私心配です」
ミラ
「なーに、いざとなったらヒーラー様もいるわけだから大丈夫だ。
それより今のうちに材料買っておいたほうがよさそうだね」

ボリス
「・・・・!」
キュピル
「まだだ・・!まだ終わらんよ!

立つとは思っていなかったらしく少し驚くボリス。
しかしすぐにまたボリスの攻撃を立て続けに喰らう。

ジェスター
「キュピルー!昔拳闘やってたんでしょ!!
基本思い出して!!基本!!」

キュピル
「(・・・基本・・・)」

再びダウンを喰らう。
だが、すぐに立った。

ボリス
「・・・っ・・・」

ボリスの表情が険しくなる。

キュピル
「よーし・・。ちょっとあの技・・。使ってみるか。行くぞ」
ボリス
「・・・・」

ボリスが回避の体勢に入る。

キュピル
「肘を腋の前に持っていくようにポーズを構える・・。この時小指は前の方向に構える・・。
そして左ジャブを繰り出す・・。左ジャブには牽制と突破口を見出す力を秘めている・・。
左ジャブを繰り出すとき相手の内側へえぐり込むように・・・


打つべし!!打つべし!!



ボリス
「・・・・・・」

キュピルの左ジャブを避け続ける。
が、ついに一発ボリスの顔面に入った!

ジェスター
「おぉー!」
ルイ
「き、来た!!!」
ファン
「ついに一発!」

そのまま防御する隙を与えず素早く何度も左ジャブを繰り出す。

キュピル
「次は右ストレート・・・。正確な左ジャブから続く右ストレートは
その威力を二倍、三倍へと膨らます・・!!!」

キュピルの右ストレートがボリスの顎を打つ。
ボリスが倒れる。

ジェスター
「やった!!やったやった!!」
ファン
・・・明日のジョー戦法・・
ルシアン
「ボ、ボリス!!」
ミラ
「あのボリスがダウンした・・。・・・何者だ・・」

ボリス
「くっ」

すぐに起き上がった。こちらの出方を伺っている・・。
キュピルが左ジャブを繰り出す。
それを避けるとすぐにボリスが右ストレートを繰り出してきた。

上手くそれを避ける。しかしそのままボリスはドンドン拳を振ってきた!

ジェスター
「わわわ・・・。見てられない・・!!」

ジェスターが目を瞑る。

ファン
「ですが、回避モードに入ってから一発も当たってません・・」

キュピル
「(始めの打ちは気づきにくい。空振りはHITした時よりも疲れやすい。
それと同時に焦りも生まれる・・・)」

キュピルの狙い通りボリスの攻撃はドンドン激しさを増していく一方。
どこか焦りも見えた。

だが、その瞬間だった。ボリスの強烈な右ストレートがキュピルのガードを崩し
そのまま一気に蹴りで転ばした。

全員黙ったままだ。

キュピル
「ぐっ!」

すぐに体勢を立て直し一旦下がる。

ボリス
「いまだ!」

ボリスが全体重乗っけて右ストレートを繰り出した!!

キュピル
「・・・やるしかない!!!」


ガンッ!!!




ジェスター
「あっ!!」
ルイ
「ひ・・!」
ファン
「!!」
ルシアン
「わっ!!」
ミラ
「な・・!」
ティチエル
「う・・!?」



ボリス
「・・・・・・」
キュピル
「・・・・・・」

両者とも拳が相手の顔面を殴っていた。

ジェスター
「く、クロスカウンター!!!夢にまでみたクロスカウンター!!」
ルイ
「何言ってるデスか。ジェスターさん」


ボリス
「うぐっ・・・」
キュピル
「ぐふっ・・・」


キュピルだけが力尽きた。

だが、その30秒後。ボリスも気絶した。


事実上、ボリス側の勝利ではあるが両チームとも何もいえなかった。






==夜


キュピル
「・・・む・・」
ジェスター
「あ、起きたよ」
ボリス
「・・大丈夫ですか?」
キュピル
「あぁ・・・。俺は大丈夫。貴方は?」
ボリス
「僕も大丈夫です。・・・さっき起きたばっかりですけどね」
キュピル
「そうか・・。」

辺りを見回すとナルビクの砂浜みたいだが・・。
向こうがちょっと騒がしい。

ルシアン
「ボリスー!肉やけたよ!!」
ルイ
「ジェスターさんの好きな焼きお握りがやけましたよ!」
ジェスター
「あ、今いく〜」

ファン
「結局炭を起すのは僕の仕事ですか・・」
ミラ
「バーナー持ってるからいいじゃないか。
しっかし便利な道具もってるなー・・!」
ティチエル
「まるで魔法みたい!」



キュピル
「あぁ、結局使わせてもらってるのか」
ボリス
「最初からこうすればよかった」
キュピル
「・・・。そういや今更思い出したが・・・。
もしかしてアクシピター所属のボリスさん?」
ボリス
「・・・そうです、何故知ってるのですか?」
キュピル
「眼鏡がそういや言ってたな・・・」
ボリス
「・・・眼鏡?」
キュピル
「マキシミン。」
ボリス
「あぁ・・。彼と知り合いでしたか」
キュピル
「腐れ縁ですけどね。よし、とりあえず肉食おう」

サッと立ち上がる。

キュピル
「早く食べないとうちのルイとジェスターが全部食べてしまいますぜ」
ボリス
「それはこちら側も多分言えます・・・。ルシアンが全部食べてしまうかも」
キュピル
「うっ、半分消えてる・・・。ジェスター。俺の分は?」
ジェスター
「大丈夫。私あんまり食べてないから」
ファン
「(嘘だ・・・)」




ティチエル
「花火いきますよ〜!そーれ!」

ティチエルが魔法で花火を打ち上げる。

ルイ
「お、私もできますよ。発射」

ルイが魔法の銃を上に構え花火を打ち上げる。

キュピル
「俺もやろうと思えば出来るぞ。霊術で」
ファン
「怖いからやめてください」

キュピル
「特選!化け花火!
ファン
「やめてください」





この日のバーベキューは盛大に盛り上がったそうだ。






==翌日

キュピル
「あいってててて!!もっと優しく治療してくれ!」
ジェスター
「あー、人がせっかく包帯巻いてるのに。成敗!!
キュピル
「い、いってぇぇえーーーー!!」
ファン
「ジェスターさん!けが人を殴らない!」
ジェスター
「むぅー!」


・・・当分怪我は治らなかったらしい。



ボリス
「一日で治った」


第3話終わり


第4話



ブデンヌ
「というわけだ。紀殿にはぜひとも出てもらいたい」
キュピル
「うーむ。しかし俺はいつも負けて怪我して帰るしなぁ・・・」
ブデンヌ
「そう言わないで貰いたい。怪我なんて百も承知だろ?」
キュピル
「最近怪我率高いからなぁ・・・。・・・・」
ジェスター
「ん?キュピル。どうしたの?」
キュピル
「あぁ。ジェスター」
ブデンヌ
「明日FC(ファイトクラブ)で大会があるのだ。ぜひともキュピルに参加してもらいたくてな」
ジェスター
「私が出るー」
ブデンヌ
「ペット単体では参加不可能だ」
ジェスター
「えー!人種差別!卑怯!酷い!」
ブデンヌ
「ペットの躾がなってないぞ。キュピル。」
ジェスター
「怒った!!わああああああ!!」
ブデンヌ
ぐ、ぐう!ミネより強い。とにかく、出てくれよ!キュピル!」

そういって帰るブデンヌ



ジェスター
「怒った怒った!追いかけてボコボコにする!離して!キュピル!わあああああ!!」
キュピル
「全く、どうしてそう短気なんだ。短気は損気って言うぞ」

じたばた暴れるジェスター。
しっかり抑えるキュピル。

ジェスター
「じゃぁ、明日FCに出る!」
キュピル
「ペット単体では無理って言ってたが・・」
ジェスター
「なら、チームで出ればいいじゃん!」
キュピル
「・・・・あぁ〜・・・。なるほど。珍しく良い案浮かべたな」
ジェスター
「ほんと?わーい!」

暴れなくなったジェスター

キュピル
「(ジェスターと出れば間違いなく上位進出だな。)
よし。明日行くか。ジェスター」
ジェスター
「うん!」


こうして、FCの大会に出る事になった・・・。





==夜

ルイ
「えぇっ!?あの大会に出るんですか!?」
ジェスター
「大丈夫!キュピルがいれば絶対優勝!」
キュピル
「・・・俺から言わせればジェスターがいれば絶対優勝なんだが・・」
ファン
「キュピルさんに同意です」
ジェスター
「えー・・。だって、最近キュピル強いじゃん・・・」
キュピル
「(よくジェスターの攻撃で沈没してるんですが・・・)」

ルイ
「うーん、それなら私達は応援に回りましょうか。」
ファン
「僕は戦う気は更々ないので。」
キュピル
「応援に来てくれれば色々嬉しいな。」
ジェスター
「お弁当欲しい〜」
キュピル
「・・・ピクニックじゃないぞ?」
ルイ
「分かりました。お弁当作ってきますよ。でも午前中に敗退しちゃダメですよ?」
ジェスター
「大丈夫!敗退しないよ!」
キュピル
「初戦敗退とか一番嫌なパターン・・・。よし、ジェスター。
今のうちに装備整えておこう。」
ジェスター
「はーい!」
ファン
「(今日のジェスターさんは素直ですね)」



キュピル
「(恐らく長期戦になるからダメージは最小限まで抑えたほうがいいよな・・。
・・・よし。久々に全身鎧を着こんでデカイ盾を持って重装タイプで行くか。
しかし、そうなると小回りが効かないしジェスターがピンチに陥った時すぐに助けれない。
後でルイから銃を借りるか・・・。重い装備をつけてるから反動は低いはずだ。)」

ジェスター
「私準備必要な〜い。いつもの武器といつもの服〜。これで勝てる!」
キュピル
「その白い服って装備だったのか」
ジェスター
「おしゃれ服!」
キュピル
「・・・効果は?」
ジェスター
「可愛さ+10」
キュピル
「・・・・・・。自分で言わないだろう、普通は・・」
ジェスター
「えー」



こうして、夜は更け・・。当日になった。




==ファイトクラブ


キュピル
(超ガチガチの重装)
ジェスター
(いつもと変わらない)

ブデンヌ
「ん、来たな。・・・。おい、キュピル。ペットは単体じゃ参加できんぞ」
キュピル
「チーム」
ブデンヌ
「あ?」
ジェスター
「チームで出るの!!」
ブデンヌ
「・・・あぁー、悪い事言わん。チームなら参加許可は下りるがペットと一緒に参加する奴は
一人もいないぞ」
ジェスター
「あー!また私の事馬鹿にしたね!怒った!!」
ブデンヌ
「ひぃ!」

キュピル
「こら、ジェスター。今暴れたらスタミナなくなるぞ」
ジェスター
「わあああ!!」

暴れるジェスター。
しっかり抑えるキュピル

ブデンヌ
「・・・と、とにかく。チーム名を言え。それで申し込みは完了だ。」
ジェスター
「わあああ!!」
ブデンヌ
「わあああ!!チームだな・・。OK早く控え室にいきな」
キュピル
「はい」
ジェスター
「離して〜!私あのオヤジ倒すー!」
ブデンヌ
「オヤジ・・だと・・・」



==選手控え室


ジェスター
「・・・・・」
キュピル
「ムスッとしてるなぁ。ほら、落ち着け」

肩揉みするキュピル

ジェスター
「鉄鎧着けてると痛いんだけど・・・」
キュピル
「あぁ、悪い。もうこれ外すとまた着けるの大変なんだよな」
ジェスター
「ふーん・・・」
キュピル
「とりあえず、大怪我されちゃ困るからもし危なかったら俺を盾にしな。
この装備だ。そうそう大怪我はしない」
ジェスター
「頭の鉄片からつま先まで全部鉄の鎧で守られてるね・・。
オマケに自分と同じぐらいの大きさの盾・・。
それにルイから貰ったバズーカって・・」
キュピル
「普段ワシは軽装のイメージがあると思うが本職は重装だぞ」
ジェスター
「へぇー・・・」

ガチャ

係員
「そこの2人。そろそろ試合が始まる。アリーナまで来たれ」
キュピル
「分かった。行くぞ、ジェスター」
ジェスター
「うん!」




==アリーナ



第一試合

わあああ!! VS 鉄砲研究会チーム


ルイ
「キュピルさん、どうしてそんなチーム名になったんですか・・」
ファン
「わあああ・・・って・・。それジェスターさんが叫ぶ台詞じゃないですか」
ルイ
「あ、なるほど・・。しかし相手側。人数が5人なんですけど・・。これ反則じゃないですか?」
ファン
「1チーム5人まで可能なんですよ。それ以下でも可能ですが当然不利です。
・・・キュピルさんは知ってたと思いますが・・」



ジェスター
「何で敵五人もいるの!反則!!わああ(ry」
キュピル
「こら、ジェスター。癇癪起すな!」
ジェスター
「だってー・・・」
キュピル
「とにかく、チーム名見る限りじゃ鉄砲主体だ。ジェスターが前に出れば
すぐに打ちぬかれて下手すりゃ死ぬぞ」
ジェスター
「し・・・死ぬの・・!?死にたくない!!わあああ!!
キュピル
「今度はパニックか!!」




レフリー
「試合開始!!」





敵1
「打ち方用意!!斉射!!」

五人並んで一斉に銃弾を放ってきた!!


ジェスター
「死ぬーー!!死にたくないーー!!」
キュピル
「(こうなっちゃジェスターは戦う事が出来ない・・・)」

ジェスターを自分と盾の間に挟む。

ジェスター
「ぎゃ!」
キュピル
「ジェスター!とにかく生身のお前じゃ当たったら致命傷になる。
この分厚い盾と俺の間に身を潜めろ!絶対に出るんじゃないぞ!!」
ジェスター
「う、・・うん!!」

しっかり盾の間に隠れる。銃弾は今のところ全部盾で防御できている。


敵2
「ちっ、なんだアイツ。亀みたいにのっそりこっちに向かってきやがった」
敵1
「戦法変更!バズーカ用意!!」

敵がバズーカを背中から取り出した!

キュピル
「ジェスター。バズーカを撃ってくる。流石にバズーカは盾が持っても衝撃が辛い。
しっかり盾を抑えててくれ。俺は片手でバズーカを撃つ」
ジェスター
「わ、わかった!」


ジェスターが全体重を使って盾を支える。
キュピルが腰にかけていたバズーカを取り出し撃たれる前に発射した。


激しい爆発が巻き起こる!

観客席が沸き起こる。


ルイ
「おぉ!さすがキュピルさん!私のバズーカを扱いこなしていますね!」
ファン
「それだけでなくジェスターさんへの指示が的確ですね」


今の爆風は効いたようだ。敵のつけていた装備が一気にボロボロ剥がれ落ちる。

敵1
「戦法変更!撹乱作戦!」
全員
「了解!」

いきなり敵が装備を全部脱ぎ捨てた!

キュピル
「なに・・?」

そして仕込刀を取り出し素早く動き出した!

キュピル
「ジェスター。接近戦だ。出番だぞ」
ジェスター
「任せて!」

ジェスターが盾の間から出て武器を構える。
タイマン状態を作らせればジェスターなら絶対勝てる。

キュピル
「四人ぐらい一遍に相手してやる!」

重たい鎧に身を包まれていても走る事は出来る。


敵3
「喰らえ!」
キュピル
「シールドガード!」

シールドで敵の攻撃を防ぐ

キュピル
「これでも喰らえ!!」
敵3
「うぎえぁっ!」

右腰にある赤い刀を振り敵を斬りつける。
そのまま追撃で盾を相手の顔面にぶつける。衝撃で敵が倒れる。

敵4、5
「手榴弾!」

敵2人がキュピル目掛けて手榴弾を投げつけてきた!

キュピル
「ええい・・・」

盾を構えて爆風に備える。手榴弾が爆発しキュピルを吹き飛ばす。

キュピル
「うぐぉっ!」

ダメージこそないが転んでしまい起き上がるのに時間かかる。

敵4、5
「ダブルアタック!」
キュピル
「渾身の力を込めて・・・キック!!」

敵一人を思いっきり蹴る。非常に重たい蹴りが敵の腹に入り、そのまま崩れ落ちる。
しかしもう一人の敵の攻撃がキュピルを襲う。
刀で激しく斬りつけてきた!!

キュピル
「鎧に刀は相性が悪い。でええい!!」
敵5
「あぐあぁっ!!」

全体重かけて盾の押し出し攻撃をする。
ガンッ!!と頭を打ち敵は倒れた。


キュピル
「ぜぇ・・はぁ・・。重い・・。ジェスター・・!!」

後ろを振り返る。


レフリー
「勝負あり!!」
ジェスター
「えへへ、全員倒したよ!」

ジェスターの傍に2人敵が倒れていた。

キュピル
「・・・ナイス。」


レフリー
「第一試合。わあああ!!チームの勝利!!」

客席が沸き起こる。数より質で勝った気分だ。


ルイ
「やった!やりましたよ!」
ファン
「やはり重装は安定しますね・・。事故がありません」


係員
「わあああ!!チームは控え室に戻ってください」
キュピル
「戻るぞ。ジェスター」
ジェスター
「うん」


控え室に戻っていった。





ジェスター
「わーいわーい!勝った勝った!」
キュピル
「ふぅー・・。ジェスター。最近喜怒哀楽激しいな。」
ジェスター
「喜怒哀楽って何?」
キュピル
「怒ったり悲しんだり喜んだり感情の動きが激しいってこと。」
ジェスター
「ふーん・・」
キュピル
「興味ないみたいだな・・・」


ガチャ


ルイ
「やりましたね、お二人とも。」
ファン
「見てましたよ」
キュピル
「お、ルイ。ファン」
ジェスター
「見たー?えっへん!」
ルイ
「誇って良いですよ。ジェスターさん」
ジェスター
「えっへん!!」
キュピル
「(子供扱いされてる・・・)」
ファン
「とにかく2人とも今は休憩してスタミナを回復してください。」
ルイ
「弾薬の補充は私がしますよ」
キュピル
「助かる」


==一時間後


ガチャ


係員
「わあああ!!チームさん。試合が始まります。アリーナへ上がってください」
ジェスター
「zzzz・・・・」
キュピル
「わかりました。ジェスター。試合が始まるぞ。」
ジェスター
「眠いよ〜・・・」
キュピル
「・・・。とりあえず連れて行きます」
係員
「・・・はい」
ルイ
「私達はまた観客席で見てますね」
キュピル
「わかった。応援頼むよ」





==アリーナ


わあああ!! VS  霊術団体


キュピル
「霊術・・団体・・・」



ルイ
「れ、霊!!霊術団体ですよ!!ほら!ファンさん!霊術です!!」
ファン
「き、聞こえてます!おちついてください・・」


キュピル
「相手は三人のようだが・・。」


レフリー
「試合開始!!」


ジェスター
「zzz・・・zz・・」
キュピル
「こら、ジェスター。おきろ!試合始まったぞ!」

霊術師三人
「l∀゚)bmlgfibmlgfibmlgfibmlfibm(葬淵霊刹羅封那殺」
キュピル
「げぇっ!」


三人いきなり何かを詠唱しはじめた。


霊術師三人
「ハアアッ!!」
ジェスター
「うっ・・・・」

ジェスターがうめき声を上げ深い昏睡状態に陥った。

キュピル
「!」
霊術師
「これぞ、意識を長い間失わせる技。」
霊術師2
「全員気絶してもこの試合は敗北となる」
霊術師3
「貴様には気絶してもらう!」

霊術師三人
「l∀゚)bmlgfibmlgfibmlgfibmlfibm(葬淵霊刹羅封那殺」


キュピル
「ええい、バズーカ!!」
霊術師3
「遠距離は効かん!!」

玉がそれて関係ない所で爆発した。


キュピル
「ま、負ける・・!」

霊術師三人
「ハァァアアッ!!」
キュピル
「・・・・・・・・・」

霊術師1
「・・・・ぬ?」
霊術師2
「・・気絶・・せんぞ!?」
キュピル
「なんともない・・。だが、チャンスだ。こなくそ!!」
霊術師3
「い、痛い痛い!!助けてくれ!!」

キュピルが素手で霊術師をボコボコにする

霊術師1
「ひ、ひぃぃ!l∀゚)bmlgfibmlgfibmlgfibmlfibm(葬淵霊刹羅封那殺!!」
キュピル
「何故だか知らんが効かん!おりゃおりゃ!」
霊術師1
「痛い!ぐああ!プギャーー!


倒れる霊術師

霊術師2
「ひ、ひぃぃ!!わ、わかった・・!!さては貴様・・。貴様も霊術が扱えるな!!」
キュピル
「あぁ、そういうことか。なるほど。よーし、トドメのパンチ!!」
霊術師2
「ヒデブ!!」






レフリー
「勝負あり!!わあああ!!チームの勝利!」

再び客席が沸き起こった。


キュピル
「・・謎の勝利だな」


ルイ
「残念・・。激しい霊術勝負は見れませんでしたね・・」
ファン
「そもそも幸運でしたよ。」



キュピル
「とにかくジェスターを起させないと。」

ジェスターを抱きかかえて控え室に戻った・・・。



続く


第五話

見事三回戦に勝ち上がったキュピル達。
しかし・・。


ジェスター
「ムスッ・・・」
キュピル
「どうした、ジェスター。不機嫌そうだな?」
ジェスター
「だってー!私はすぐに気絶しちゃったりキュピルが大活躍したり!つまらない!」
キュピル
「何だい何だい。嫉妬か?」
ジェスター
「嫉妬じゃない!わああああ!!」
キュピル
「ぬぅ・・!!」

暴れるジェスター。
それを必死に押さえつけるキュピル。

ジェスター
「怒ったーー!!」
キュピル
「ジェスター。最近本当に喜怒哀楽激しくなったな」
ジェスター
「むぅぅぅー!!」


ガチャ


ファン
「お2人とも大活躍でs・・おや?どうしました?」
キュピル
「あぁ、ファン。ルイ。ちょっとな」
ジェスター
「ムスッー・・・」
ルイ
「なるほど、不機嫌なんですね?」
キュピル
「ジェスター。その怒り、次の試合で爆発させてみようじゃないか」
ジェスター
「私は単純じゃないもん」
キュピル
「(こんな時に限って妙に厄介な奴)」

ガチャ

係員
「わあああ!!チーム。次の試合が始まる。アリーナへ上れ」
キュピル
「随分早いな」
係員
「相手が強豪だからな。一瞬で全部倒してる」
キュピル
「・・・げ・・。」
ルイ
「何が『げ』なんですか?」
キュピル
「正直言ってこの大会の中じゃワシはそんなに強くない部類だから
大抵ここで負ける。だから今回もここまでかなーっと・・」
ルイ
「ちょっと!弁当作ったんですから午後の部まで勝ち上がってください!!」
キュピル
「ぎええぇぇ!!何でそこだけ強調する!!」

係員
「早く行け!」
ファン
「キュピルさん。言われてますよ」
キュピル
「わ、わかった。とりあえず行ってくる!行くぞ、ジェスター。」
ジェスター
「ムスッー・・・」
ルイ
「勝ってくださいよ!!」
ファン
「観客席に行きましょうか」



三回戦

わあああ!! VS  武閃覇王道場

ジェスター
「わー・・。なんか凄い名前・・」

さっきまでの不機嫌が一気に消えたらしい。

キュピル
「武閃か・・。武閃ってことは格闘家だな。」
ジェスター
「相手は・・2人だ。互角だよ」
キュピル
「しかし強豪チームらしい。気を引き締めていこう」



レフリー
「試合開始!!」




柵が降りる。

武閃1
「礼!!」
武閃2
「礼!!」

2人が頭を深く下げ挨拶する

ジェスター
「え?え?」
キュピル
「む・・。っと・・。よろしくお願いします」

ジェスター
「え?何?どういうこと?」
武閃1
「挨拶は試合開始の基本なり!」
武閃2
「大きな声で・・しっかりと!!」
ジェスター
「なるほどー。フェアなんだねー」
キュピル
「ちょっと違うぞ」
レフリー
「ほら、ファイト!ファイト!!」
武閃1
「行くぞ!!」


柔道着を来た男2人が走ってきた。
2人ともキュピルを狙っている。

すぐに刀を構える。・・・が

武閃1
「武器落とし!!」
武閃2
「武器落とし!!」
キュピル
「うわっ!!」

いきなり武器を落とされる

武閃2
「戦いに武器は反則!」

そう言って刀を観客席に投げつけた


ルイ
「ぎゃあぁぁ!!」
ファン
「よりによってこっちにですか!!」
ルイ
「キャッチ!」
ファン
「・・・おぉぉ・・。やりますね。ルイさん」


キュピル
「ちっ、ええい。素手で相手してやる」
ジェスター
「私を忘れちゃだめ!!ええい!!」

ジェスターがいつもの武器で武閃の人目掛けて思いっきり振り回す。

武閃1
「ぬぅっ」

何合か回避する。しかし7合目であたりで

武閃2
「武器落とし!!」
ジェスター
「痛い!」
武閃1
「場外!!」

ジェスターの武器を叩き落し観客席へ投げつけた


ルイ
「わ、わあああ!!!」
ファン
「またですか!!」

ガンッ!!

ルイ
「・・・おぉぉ・・。これが盾になった・・」
ファン
「・・・・・・。ちょっとそれは・・まずいのでは・・。こぼれてますよ」




キュピル
「くっ!」

的確なジャブを繰り出してるはずだが何故か回避される。
とにかく敵のステップが早く小回りも効いてる。

武閃1
「うおお!!」
キュピル
「ぐあっ!」

思いっきり背負い投げされる。鎧を着込んでるから余計痛い。

武閃2
「かかと落とし!」
武閃1
「稲妻落とし!」

2人が次々とキュピルをめった打ちにする。


ルイ
「キュピルさん・・・かなり劣勢ですけど鎧を着込んでますから
ダメージ事態は全くありませんよね?」
ファン
「いえ、ルイさん。彼等の技は衝撃で攻撃しています」
ルイ
「衝撃?」
ファン
「物理的な痛みでなく衝撃で攻撃してるんです。例えると
キュピルさんの鎧が防弾チョッキで彼等の攻撃が銃弾です。
外傷はなくともダメージがあります。」
ルイ
「そんな技・・。素手で出せるんですか?」
ファン
「出せるから強豪なんでしょうね・・」




キュピル
「がはっ、げほっ!!」

思いっきり内臓にダメージが入る。咳き込む事しか出来ない。

キュピル
「ぐうぅぅ・・」

前が霞む。その場で横たわり気絶してしまう。


武閃1
「大将、討ち取ったり!」
ジェスター
「私が大将!(嘘」
レフリー
「この試合は全員討ち取るまで試合が続く。ファイト!!」
武閃2
「勝負はもうついている。降参したほうがいい」
ジェスター
「あー!私だってやる時はやるんだからね?えい!!」

ジェスターが素手で武閃の人達を叩く。
しかし駄々っ子パンチみたいなもので攻撃とすら呼べない。

ジェスター
「えい!えい!えい!」
武閃1
「ハッハッハ!まるで子供が駄々こねてるような攻撃だな!」
武閃2
「ほらほら、もっと腰を入れて。それではハエも殺せないぞ」
ジェスター
「うっ・・。・・・酷い・・。こんな子ども扱い・・・」
武閃1
「さぁ、降参しろ」

その時行き成り爆発が起きた。

武閃1
「ぐほっ!」
キュピル
「ええい、負けたかと思ったぜ」
ジェスター
「さっすがー!自然回復力だけ世界一!」
キュピル
「悲しい事言うな」

キュピルがバズーカを構えていた。
バズーカの直撃を受けた男はその場に倒れた。

レフリー
「む・・。ドクター。この男は運んでくれ。恐らく復帰できん」

担架が運ばれてくる。

武閃2
「貴様・・・!!卑怯者!」
キュピル
「知らん!」
武閃2
「許さん!」

武閃の男が左右に大きく揺れながら猛接近してきた!

キュピル
「バズーカ!」
武閃2
「甘い!」

簡単に回避されテンプシーを思いっきり喰らう

キュピル
「うぐあっ!!」
武閃2
「ふんっ!」

そのまま立て続けにドンドン殴り続ける。鎧が派手な音を立てて崩れていく

キュピル
「ま、まずい・・!!」
ジェスター
「わあああああ!!」

ジェスターが叫びながら武閃の人にタックルした。

武閃2
「おっと」

一瞬だけよろけた。そこを見逃さなかった。

キュピル
「うあああ!!」
武閃2
「ぐほっ!」
キュピル
「だああああ!!」

発狂しながら無我夢中でテンプシーを打ち返す。


ルイ
「も、もはや・・殴り合いですね・・」
ファン
「ジェスターさんはどうすればいいのか迷ってますね。」


武閃2
「ぐっ、このっ!」
キュピル
「ググッ・・・」

武閃の男が殴り返す。
大分疲れが足に出ている。キュピルがそのまま後ろに倒れる。

武閃2
「死ね!!」
キュピル
「うぐはぁっ!!」

トドメの踵落としを腹に貰う。

ルイ
「あの男。最初こそは礼したりと紳士的な物が見えたんですが
本性が見えてきましたね」
ファン
「所詮FCに参加してる人は大抵そういうものです。
それより・・・。キュピルさん・・。このままでは・・。」
ルイ
「負けます・・ね・・」
ファン
「そんなレベルじゃありません。命の危険性があります」
ルイ
「えぇっ!?」

武閃2
「これでも喰らえ!!」
レフリー
「ストップ!!」
武閃2
「何だよ!」
レフリー
「それ以上の追い討ちは必要ない!彼は完全にダウンしている。KOだ。」
武閃2
「うるせぇ!」
レフリー
「ぬあっ!」

武閃の男がレフリーを殴る
その瞬間いろんな人がアリーナに登って来た。

武閃2
「うわ、何をする!」
関係者
「貴様はルールを破った!神聖なるリングの上に立つ資格はない!!
帰れ!!ってかお前が死ね!!」
武閃2
「何だと!このっ!落ちろ!落ちろ!!」
関係者2
「てめぇが落ちろ!この!」

アリーナの上で乱闘騒ぎが起きた。

レフリー
「反則負け!!武閃覇王道場はルール違反により反則負け!!
いますぐにアリーナから引きずり落とせ!!」
武閃2
「離せーー!!離せええーー!!」


武閃の男がアリーナから引き摺り下ろされた。


レフリー
「わあああ!!チームの特別勝利!!」


ルイ
「こういうこともあるんですね」
ファン
「かなりの幸運ですが・・。この後の勝負は非常にきついですね・・」
ルイ
「とにかくキュピルさん達の控え室までいきましょう」




==控え室


ジェスター
「よいしょ・・よいしょ・・どっせーい!・・はぁー・・・」

ジェスターがキュピルを何とか担いで控え室まで運ぶ

ジェスター
「手助け料金300Seed!!」
キュピル
「・・・・・・」
ジェスター
「・・返事してよー・・」

ガチャ

ルイ
「ジェスターさん、大丈夫ですか?」
ファン
「容態のほうは」
ジェスター
「キュピルが借金残して死んだー!」
ルイ
「しゃ、借金・・?」
ジェスター
「300Seed!」
ルイ
「・・・・」
ファン
「普通に生きてますけど・・」
キュピル
「(シッー。300Seed払いたくない)」



ルイ
「キュピルさん、ジェスターさん。さっき場外に投げられた武器は回収しておきましたよ」
キュピル
「ありがとう、しかし・・・。鎧は壊れ体力も残り僅か・・。辛うじて盾は壊れてないが・・。
ここから先は非常に苦しいな・・」
ジェスター
「300Seed〜」
キュピル
「・・・・」
ジェスター
「300Seed!!300Seed!!」
キュピル
「回復の邪魔だー!」
ジェスター
「300!!300!!」
キュピル
「分かった、分かった。払うから静かにしておくれ」
ジェスター
「やった〜」
ルイ
「(ジェスターさん目的忘れてますよね)」

ファン
「しかし本当に厳しいですよ」
キュピル
「とりあえず・・。ギリギリまで寝かせてくれ」
係員
「わあああ!!チーム。試合だ。アリーナまで上がれ」
キュピル
「ぐふ・・・」
ルイ
「これは・・。」
ジェスター
「よし、行くよ!キュピル!!」
キュピル
「・・・300Seed払うからまた運んでくれ」
ジェスター
「嫌ー」
キュピル
「・・・・」



準々決勝戦


わあああ!! VS 姿無き忍者


キュピル
「げえぇっ!!」
ジェスター
「どうしたの?」
キュピル
「覚えているぞ・・。俺は・・。去年も一昨年もこいつ等にやられてきた・・・」
ジェスター
「チームなら大丈夫!!」
キュピル
「その自信はどこからやってくる」


レフリー
「試合開始!」


相手は5人のようだ。
始まるや行き成り煙球をあちこちに投げつけ視界を悪くした。

キュピル
「ぐっ・・やっぱりか」
ジェスター
「げほっ・・げほっ・・」
キュピル
「あまり煙を吸い込まないほうがいい。」

が、その瞬間いきなり彼方此方からクナイが飛んできた。

ジェスター
「痛い!」
キュピル
「盾に隠れろ」

ジェスターがキュピルと盾の間に入る。

キュピル
「壁を背にすれば全方位から守れるが・・・。」
ジェスター
「どうするの?」

盾から強い衝撃がやってきた。誰かが蹴りを行ったらしい。
しかし確認するも煙で見えない。


ルイ
「うーん、見えない。煙で何がおきてるのか分からない・・」
ファン
「レフリーもこれじゃ判断出来ませんね」
ルイ
「観客に不親切な敵ですね」



キュピル
「ジェスター。音に全神経を集中させるんだ」
ジェスター
「音?」
キュピル
「近くにやってきたら盾を思いっきり押し出し反撃する」
ジェスター
「分かった!」


2人とも耳をすます。
・・・。
・・・・・・・。
来る!

キュピル
「どおりゃあぁぁー!」
ジェスター
「えい!!」

2人とも一斉に盾を前に押し出した。

忍者1
「!!」

突然の反撃にびっくりしたのか盾の攻撃を思いっきり喰らう。

ジェスター
「必殺のフルスィング!!」

ジェスターがいつもの武器で強烈な攻撃を仕掛けた!

忍者
「あぎゃあああああああぁぁぁぁぁ!!」


キュピル
「・・・グロイ」




ルイ
「わ!何が起きたんですか?」
ファン
「煙で本当に何も見えませんね・・」


ジェスター
「やった!」
キュピル
「早く盾の間に潜れ。来る!」
ジェスター
「え?」

すぐに他の忍者が刀を持って斬りつけてきた!

ジェスター
「!!」
キュピル
「ええい、反撃!」

ジェスターが刀に斬られる。
すぐにキュピルが刀で反撃する。・・しかし空振りする。
空振りした瞬間後ろから痛みが襲った。

キュピル
「!・・もう後ろに!?」

刀をブンッと振り回す。しかし空振りする音が響く。


忍者2
「必殺」
忍者3
「悪」
忍者4
「即」
忍者5
「斬」


キュピル
「ヤケクソの行動!」


強烈な閃光が走った次の瞬間。


強烈な爆発音が鳴り響いた。




レフリー
「勝負あり!」


ルイ
「お、どうなったんでしょうか?」
ファン
「煙が徐々に消え始めてきましたね」


キュピルとジェスターが倒れてる。


レフリー
「姿無き忍者 の勝利!」
ルイ
「ええええ!!!」
ファン
「やはり・・」
ルイ
「やはりって・・。ファンさんはこうなること予測出来てたんですか?」
ファン
「これまでのダメージを考えると当然だと思われます。
それにしても残念ですね・・・」


レフリー
「ん?」

よくみると姿無き忍者も全員倒れてる。

ルイ
「あれ?どういうことでしょうか?」


レフリー
「・・・。先に立った者が勝利とする!」
ジェスター
「立った!私が立った!!」
レフリー
「わあああ!チームの勝利!
・・・しかし質問させてくれ。何があったのだ?」
ジェスター
「何かねー。敵の忍者が一斉攻撃を仕掛けてきたんだけどキュピルが
グレネードを暴発させて敵味方関係なしに巻き込んだみたい。
凄い接近してたみたいだから多分敵を一網打尽にしたんだと思う。」
レフリー
「・・自殺行為すぎる。ドクター。爆発に巻き込まれた奴を運んでくれ」




==医務室



キュピル
「(昇天)」
ジェスター
「キュピルー。おきてー。お昼だよー!お弁当!」
キュピル
「(死亡)」
ドクター
「白い君。静かにせんか。彼は当分復帰できん」
ジェスター
「えー!じゃぁ、私一人で出なきゃいけないの!?」
ドクター
「そういうことになるな。」
ジェスター
「キュピルー!おきてー!私一人じゃ負けるー!」
キュピル
「(ジェスター一人でも十分勝てるから死なせてくれー。痛みで死ぬー)



==控え室


ルイ
「午後の部まで来ましたね!お昼にしましょう!」
ジェスター
「わーい!」
ファン
「ルイさん。忘れてませんか?」
ルイ
「え?・・・あぁぁ!!」
ジェスター
「ん?どうしたの?」
ルイ
「じ、実は・・・。ジェスターさんが武閃の人達と戦ってた時・・・」



ジェスターの武器を叩き落し観客席へ投げつけた


ルイ
「わ、わあああ!!!」
ファン
「またですか!!」

ガンッ!!

ルイ
「・・・おぉぉ・・。これが盾になった・・」
ファン
「・・・・・・。ちょっとそれは・・まずいのでは・・。こぼれてますよ」



ジェスター
これって?」
ファン
「お弁当箱です」
ジェスター
「・・・・・・・」
ルイ
「えーっと・・・。買って来ます・・・」
ジェスター
「お弁当がいいー!!」
ファン
「何故にお弁当に執着するんですか・・・」
ジェスター
「お弁当のためにここまで戦ってきたのに・・・ぐすん・・」
ファン
「ですから、何故お弁当に執着してるんですか!」



結局ジェスターのわがままにつき合わされつつも
ちょっと豪華な弁当で妥協させたとか。



ツマラン中編終了。後編に続く


6話


そこそこ値のはるお弁当を買い何とかジェスターを満足させたらしい。


ジェスター
「う〜ん、満腹〜・・」
ファン
「お腹八文目に押さえないとちょっと辛くなりますよ」
ジェスター
「私は全然平気ー」
ファン
「・・・・」


ルイ
「それよりジェスターさん。大丈夫なんですか?」
ジェスター
「んー?何が?」
ルイ
「次の試合恐らくジェスターさん一人ですよ?」
ジェスター
「えー。無理やりキュピルを連れて行く」
ファン
「無理です」
ジェスター
「・・・。ルイ!ピンチヒッター!」
ルイ
「えぇ!?私ですか!?」
ジェスター
「私一人じゃ無理ー!」
ルイ
「ファンさん!ルール上無理ですよね?」
ファン
「怪我などにより出場者が2人未満になってしまった場合
2人になるまで変えが効くそうです。・・・可能ですよ」
ルイ
「えーっとー・・・。・・・・あ、あんまり・・参加・・したく・・」
ジェスター
「・・・ぐすん・・」
ルイ
「泣けばいいってもんじゃないですよ!」
ジェスター
「むぅー!!」
ルイ
「怒ればいいってもんじゃないですよ!」
ジェスター
「・・・・・お願いー!」
ルイ
「欠場してもいいじゃないですか・・」
ファン
「逆に問うと何故参加したくないんですか?」
ルイ
「命がけすぎてあんまり・・・」
ファン
「正論ですね」

係員
「わあああ!!チーム。時間だ。今すぐアリーナまで登れ」
ジェスター
「いくよー!」
ルイ
「ぎゃ、ぎゃああー!」
ファン
「・・・手続きしておきます」



準決勝

わあああ!! VS スーパー!マッチョー!メェーン!


ジェスター
「でもほらー!何だかんだで準決勝だよー?」
ルイ
「で、デザートイーグルの弾・・OK・・。
RPG-7・・大丈夫・・・。ナイフも・・大丈夫・・」
ジェスター
「・・どうしてそんなに緊張してるの?」
ルイ
「私は対人戦苦手なんです!」
ジェスター
「ふーん・・」
ルイ
「無関心・・・」
ジェスター
「でも、相手のチームすっごい変な名前ー。笑っちゃうね!」
ルイ
「私達のチーム名も相当変な名前だと思いますが・・・」



レフリー
「お知らせです。わあああ!!チームのキュピル選手は
先の試合で重症を負い変わりとしてルイ選手が参戦します。」

観客席が沸き起こる。

ルイ
「・・地味に期待・・されてる?」
ジェスター
「そうだよー。ほら、頑張ろうね!」
ルイ
「は、はい・・。
・・・あれ?ジェスターさんに慰められてる?」


レフリー
「それでは、準決勝。ファイト!!」


柵が降りる

相手は三人のようだ。

ジェスター
「全員マッチョ!!」
ルイ
「し、身長差が!!」

マッチョメン1
「ガッハッハッハ!!こんな赤子みたいな奴。一発で倒せちまうわい!」
マッチョメン2
「せっかくだからワシ等の個性というのを」
マッチョメン3
「見せ付けてやるわい!」

ルイ
「くっ、とにかく銃なら・・!」

ルイが大型拳銃で連射する。

マッチョメン1
「ビルドーアーーーップ!!」

マッチョメンがポーズをボディービルダみたいなポーズを取る。
弾丸を無効化にさせた。

ルイ
「な、なんと・・・」

観客席が沸き起こった。

ジェスター
「私の攻撃!」

ジェスターが武器を長く持って思いっきりフルスィングする。

マッチョメン2
「ガハハハハ!!ちっちゃい子の攻撃なんぞ痛くも痒くも・・」
ジェスター
「えーーーーーい!!」





ガツーン!!





マッチョメン2
「あがあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」





マッチョメン1
「急所!」




マッチョメン3
「ちっちゃい奴!考えたな!」
ジェスター
「えっへん!」
ルイ
「ジェスターさん、誇っちゃだめです。絶対に誇っちゃだめです!!」

もだえ苦しむマッチョメン2。
そのまま何処か運ばれていった・・・・。

マッチョメン1
「今度はワシ等の番だ。ふんぬっ!!」

マッチョメンが思いっきりぶん殴って来た!

ジェスター
「わわっ!」

巨大な拳が迫ってくる。
一発目を上手く回避する。回避した場所に拳が落ちてきた。

ルイ
「地面に穴が・・!」
マッチョメン1
「ガッハッハ!どんどんゆくぞー!」

2人のマッチョメンが迫ってくる。

ルイ
「こうなったら魔法です!ガンイグニッション!」

ルイが炎魔法を銃と併せる。
炎を纏った銃弾がマッチョメンに向かって飛ぶ。

マッチョメン3
「ホールドアァッッップ!!」

再びマッチョメンがボディビルダのようなポーズを取り筋肉を盛り上げる。
再び銃弾を弾く。・・・が。

マッチョメン3
「アツゥー!!」
ルイ
「弾丸は防げても燃えるような熱は貫通ですよ!」

ルイがドンドン炎魔法と併せた銃弾を放つ。

ジェスター
「私も攻撃ー!!」


ルイとジェスターによるコンボ攻撃がドンドン炸裂していく。
ルイの熱攻撃は当たっているのだが肝心の弾丸のダメージとジェスターの攻撃は通っていない。
だが有利なのは変わらない。


ファン
「思いのほかやりますね。これは勝てるのではないでしょうか?」



マッチョメン1
「ええい、必殺技ゆくぞ!」
マッチョメン3
「アイアイサー!」

2人が向かい合わせになり思いっきり叫ぶ。


マッチョメン1
「スーパー!」




マッチョメン3
「マッチョ!!」



2人が合体技のようなポーズを取る。



マッチョメン2人
「メェェーン!」





その途端急に地面が盛り上がった!

ジェスター
「わわっ!」
ルイ
「ああっ!」

突然地面から岩が次々と現れる。


ルイ
「い、一体なんです?」
ジェスター
「大きい岩だらけで前にも後ろにもいけなーい!」
ルイ
「魔法・・・でしょうか?」
ジェスター
「こうなったら登って脱出してやるー・・・!」

ジェスターが必死に岩の上を登っていく。


マッチョメン1
「これでもクラエェーイ!」

マッチョメンの男が岩を持ち上げる!
観客席が驚く


ファン
「1tはありそうな岩を軽々と持ち上げてます・・・!」
キュピル
「なんて恐ろしいやつ等だ・・・。」
ファン
「おや、キュピルさん。いつの間に。怪我の方は?」
キュピル
「試合が気になって来た」


マッチョメン1
「フンガァッー!!」

岩をジェスターの方に投げた!


キュピル
「避けろ!ジェスター!当たったら死ぬぞ!!」

ジェスター
「わあああああああああ!!」



慌ててジェスターが下に下りた。
岩と岩がぶつかり二つとも派手に壊れた。

ジェスター
「こ、怖い!!助けて!!」
ルイ
「ジェスターさん!落ち着いて!」
マッチョメン3
「フガアアアア!!」

次々と岩が振ってくる!!

ジェスター
「もう駄目!!死んだ!!ばいばい!!」

ジェスターが目を瞑る。
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。

ジェスター
「・・・・・あれ?」

目を開けると岩が浮いている。

マッチョメン1
「What?」

ルイ
「間一髪でした・・。せいや!」

ルイが魔法で岩を浮かしていた。
それをマッチョメンの方に投げ返した!

マッチョメン1
「ウボッホッォォー!」
ジェスター
「きもい!」

まさか自分の投げた岩が戻ってくるとは思わなかったらしく
そのまま脳天へ直撃。倒れて気絶してしまった。



マッチョメン3
「ぐぐぐ・・・ガァッー!!」



ジェスター
「わわ!」

最後のマッチョメンが激怒し暴れ始めた!

手当たり次第に召喚した岩を片手で持ち上げてジェスターやルイに向けて
ドンドン投げ始めた!

ジェスター
「わー!わー!」

ただ叫びながら逃げるジェスター。

ルイ
「また魔法で・・・」

ルイが魔法で岩を持ち上げる。
しかし次の岩がすぐに飛んできた。

ルイ
「ひ、ひぃ!」

慌てて魔法で持ち上げた岩を襲い掛かってくる岩にぶつけ何とか相殺させた。
しかし次々と岩が襲い掛かってくる。

マッチョメン3
「フガァッー!フガァフガァッー!」



ファン
「恐ろしすぎます!」
キュピル
「あの場にいなくてよかった」
ファン
「キュピルさん、それ無責任すぎませんか?」



ルイが一生懸命魔法で相殺させ続ける。
そしてついにフィールド上に岩がなくなった。

ジェスター
「ルイー!凄いー!」
ルイ
「ふふふ・・。一人ではもう岩は召喚できませんからね。私たちの勝ち同然です」

そう思った直後。すぐ目の前にマッチョメンが近づいていた。

ルイ
「!」

マッチョメンがルイを両手で持ち上げる。


キュピル
「うお、軽々と持ち上げやがった」
ファン
「ちょ、ちょっと待ってください。こっち向いてませんか?」


マッチョメン3
「ウボォォォーエアァァー!!」
ルイ
「ヒ、ヒィーーー!!!」

ルイが観客席の方へ思いっきり投げられた。


キュピル
「アベシッ!!」

ファン
「ギリギリ自分には当たらなかった・・」
ルイ
「痛たた・・・」


レフリー
「ルイ選手、場外へ移動により失格と見なす!」

ルイ
「えぇぇーー!!」
キュピル
「なんという最強技。あのマッチョメン。やるな」
ルイ
「卑怯です!!卑怯!卑怯!」


じりじりとジェスターににじり寄ってくるマッチョメン

ジェスター
「うっ・・・。こ、来ないでー!」

一応武器を構えるジェスター。


マッチョメン3
「ガァー!!」
ジェスター
「えい!!!」

ジェスターが思いっきり武器を振り下ろす!
しかし回避された。・・・・と、思いきや。


マッチョメン3
「!!!い、イでえええええぇぇぇぇぇ!!!!!」
ジェスター
「あれ?」

振り下ろした鉄槌がマッチョメンの足の小指に入ったらしい。


キュピル
「あ、これは痛い」
ファン
「耐えられませんね」


地面の上で転げまわるマッチョメン。
すぐさまジェスターが追撃をかける。

ジェスター
「えい!えい!!えい!!!」

無駄に足の指ばかりを狙う。指は筋肉がつきにくい以上弱点を攻撃されてるのと同じだった。

マッチョメン3
「こ、降参!!ぶえあぁぁ!!」

レフリー
「勝負あり!わあああ!!チームの勝利!」
ジェスター
「やった!!」

観客席が沸き起こる。
誰もジェスターが勝つとは思わなかったのだろう。
観客席から褒め称える声が聞こえる。
中には


「お前こそが最強のジェスターだー!」

っと言う人も。

ジェスター
「えっへん!!」

誇らしいポーズを取っても観客席が沸いた。

ルイ
「・・ちょっと悔しいかも。」
キュピル
「美味しいところ持ってったな。」




==控え室


ジェスター
「私のおかげ!!私が居たから勝ったんだよ!!えっへん!!」
キュピル
「あんまり自惚れてると痛い目に合うぞ」
ジェスター
「えー。でも私最強のジェスターだから大丈夫」
キュピル
「・・・・・」
ファン
「ある意味ジェスターさんらしいですね」
ジェスター
「それよりキュピルー。私から言わせてもらうとキュピルはルイより弱かった気がしたよ」
キュピル
「なぬ」

思わずルイも振り返る。

ジェスター
「だって、キュピルだったら多分あの試合負けてたよ。魔法使えないし・・」
キュピル
「むむ、言ったな。決勝戦で底力見せてやろうじゃないか」
ジェスター
「ダメダメー。私ルイと出るー」
ルイ
「えぇっ!?」
キュピル
「ぐふっ!!」

完全にジェスターに見下されている・・・。
そのショックで控え室のマットに寝転がるキュピル

キュピル
「ついにジェスターに見下された・・・。修行不足だった・・・」
ファン
「キュピルさん、明日になれば忘れてますから大丈夫ですって」
キュピル
「そうだ、いっそのこと三人で出るってのはどうだ。ルール上問題ないよな?」
ファン
「えーっと・・。・・・人数は申し込んだ時に固定されるので無理だったと思います。」
キュピル
「・・・・・・」
ルイ
「それなら、いっそのこと私とキュピルさんは?」
ジェスター
「最強の私を置いていくのは反則!!ダメ!!」
キュピル
「そうだ。よくよく考えたらジェスターが大活躍できた部分はあのマッチョメン戦だけだ!
ジェスター
「あー!言ったね!最強の私を怒らせると怖いよ!!」
キュピル
「最強最強五月蝿いな。お前はチルノか!」
ジェスター
「東方ネタ引っ張りだすなー!わあああーー!!」

喧嘩勃発。

ファン
「ちょ、ちょっと。お2人とも。ここで体力を消耗してどうするんですか!」
ルイ
「夢の決勝戦ですよ!!」
キュピル
「ぐぉぉぉおー!」
ジェスター
「むぅぅぅー!!」

完全に取っ組み合いが始まってしまった。



==15分後


キュピル
「(沈没)」
ジェスター
「(熟睡)」


ルイ
「・・・・・・・」
ファン
「・・・・・・・」

係員
「わあああ!!チームさん。決勝戦です」
ファン
「最悪のタイミングで!!」
係員
「?。どうかしましたか?」
ルイ
「えーっと・・。主力メンバーが喧嘩して寝てしまいました・・」
係員
「人数は2人ですよね。それなら貴方方が出れば万事解決です。アリーナまで来てください」
ファン
「ぼ、僕は戦えません!!!」
係員
「知りません。」

ガチャ


ファン
「・・・・・。ルイさん。こうしましょう」
ルイ
「え?」




==アリーナ


決勝戦

わあああ!! VS レジェンド



レフリー
「ついに決勝戦の始まりです!!
ここまで奇跡の戦いを次々と見せ観客席を沸き起した『わあああ!!』チーム!!
そして目にも留まらぬ速度で次々と相手をなぎ倒した『レジェンド』チーム・・。いや、伝説チーム!
今、戦いの幕が下ります!!」


観客席が沸き起こる。今までのと比べ物にならない。


ルイ
「やりましょう。」
キュピル
「・・・む・・。何で俺いつのまにアリーナに・・。どうなってるんだ?」
ルイ
「お2人が喧嘩して眠ってしまった後係員がやってきてしまったので
臨機応変に対応できそうなキュピルさんを無理やり連れてきたわけで・・・」
キュピル
「・・つまり決勝戦か!」
ルイ
「えぇ」
キュピル
「よし、体力・スタミナ共にOK。ジェスターは?」
ルイ
「爆睡してます」
キュピル
「・・・・・・。」


柵が降りた。

ついに始まった。


キュピル
「ルイ。銃貸してくれ」
ルイ
「はい」

拳銃を借りる。相手に標準を定めようとしたが。


キュピル
「・・・・いない?」
ルイ
「・・・どこに?」

突然上から魔法弾が一杯降ってきた。

キュピル
「いつの間に上に!?」

敵は2人のようだ。黒いフードを被っていて顔はよく見えないが・・。
しかし見事なまでに同じ動きをして2人同時に魔法弾を放っている。
しかもその魔法弾の数は尋常じゃない。

ルイ
「マジックシールド!」

ルイが魔法の盾を展開する。

ルイ
「魔法弾による攻撃のみ弾く特殊な盾です!」
キュピル
「よし、後ろに隠れさせてもらう」

キュピルがルイの後ろに隠れる。

キュピル
「よし、今のうちに強烈なグレネードランチャーをセットして撃ち込んでやる・・・。」


「・・・・・」

突然魔法弾の軌道が変わった。
正面からではなくカーブしながら飛んできた。

真正面にしかガードが張れないルイにとってこの攻撃は手痛い。
更に魔法弾の数もドンドン上がってきている。

ルイ
「きゅ、キュピルさん!!防ぎきれません!!」
キュピル
「ルイ!別行動しよう。俺がいちゃ守りきれんだろ?
ただ、こいつは借りるぞ」
ルイ
「え?あぁー!私の秘密兵器!!」

キュピルが飛び出す。


「・・・?」

片方はルイを狙い片方はキュピルを狙い始めた。


キュピル
「うおおぉぉぉぉお!!」

ルイが背中につけていたガトリングガンを回し始める。

キュピル
「弾幕には弾幕で抵抗だろ?下手な鉄砲数うちゃ当たるとはこういうことだ!」

両手で持ちつつ回す。
しかし反動がでかすぎて狙いが定まらない。
敵は一歩も動いていない。



「・・・・・・・」

ドンドン敵の弾幕が激しくなっていく。

キュピル
「痛・・!!」

肩に直撃する。焼き焦げるような痛み。

ルイ
「うぅぅぅー・・。」

ルイが必死に盾を展開して防ぐ。
防ぐことしかできない。



ファン
「レジェンド・・。即ち伝説・・。流石中二病みたいな名前をつけるだけはありますね・・。
ジェスター
「zzz・・・・zzz・」
ファン
「到底勝ちは望めませんね・・。あの高さではキュピルさんの得意の接近戦は届きませんし
この弾幕では遠距離戦が得意のルイさんも手出しできません。」



キュピル
「もっと、もっと動かないと・・・!」

左右にステップを刻みながらガトリングを撃つ。
ついに一発が敵に向かって飛んでいった!



「・・・・・・・」

謎のバリアによって弾き返されてしまった。

キュピル
「んな、馬鹿な・・!」

そうこうしてるうちに、弾切れになってしまった。

キュピル
「くそ。」

キュピルがルイの後ろに隠れる。

ルイ
「キュピルさん・・・!どうするんですか・・!」
キュピル
「その盾。あとどのくらい持つ?」
ルイ
「あまり長くは持たないでしょうね・・。」
キュピル
「ガトリングガン打ちつくしてみたが当たると思われる弾は全部バリアらしきもので
弾かれてしまった。接近戦か魔法弾しか思いつかん」
ルイ
「しかし私はこんなに弾幕は張れませんしキュピルさんみたいに避ける自信もありません・・!」

そうこうしてるうちに敵2人の集中攻撃がドンドン激しくなっていく。

キュピル
「ルイ。ここで策を考えていてもバリアが壊れ負けるだけだ。
いきなり最終手段になってしまうが考えがある」
ルイ
「それは・・?」
キュピル
「魔法の階段は作れないか?やつ等まで接近できれば刀で・・」
ルイ
「作れますがこの弾幕では当たりますよ!」
キュピル
「階段を四つか五つ作れば様々な場所から切りかかる事が出来る。
後は俺の持ってるこの『風魔の石』(シーズン7・8参照)を使えば凄まじい移動が出きるはずだ」
ルイ
「風魔の石・・?何ですか。それは」
キュピル
「まぁ、見れば分かる。ルイ。魔法の階段頼むぞ」
ルイ
「あぁ、ちょっと!・・・・・!!」

ついにバリアが壊れた。慌てて後ろにバックステップする。
しかしすぐに巨大な魔法弾がルイに襲い掛かる。

ルイ
「私はどうやらここでリタイアのようです・・!
キュピルさん、最後に魔法の階段を作ります・・・!!ご武運を祈ります!」


ルイが高速で魔法を詠唱し六つの魔法の階段を作った。
その直後ルイに魔法弾が命中し気絶した。

レフリー
「ルイ選手リタイア!」


ファン
「魔法の階段・・。そして風魔の石・・。
キュピルさんは横軸なら何秒間か浮くだろうっと睨んでるんですね。」
ジェスター
「ふあぁ〜・・・。よく寝た〜・・。って・・・あれ?決勝は?決勝戦は?」
ファン
「今やってます」
ジェスター
「あぁーー!!私を差し置いて!!参加!!参加!!!」
ファン
「じ、ジェスターさん!!」


ジェスターが観客席から飛び降りてアリーナに入る。


観客席から声が飛び交う


「よっ!!まってました最強のジェスター!」
客2
「お前がいないと聞いて帰りそうになったぜ!!」

レフリー
「ぬあぁ!反則!反則ー!このような行為は一切認めていない!!」

「うるせー!馬鹿やろうー!ぶっ殺されたいかー!」

野次馬が乗り込んでレフリーに襲い掛かる。

レフリー
「減点!!減点ーー!!」

「俺は参加してねぇから減点されても痛くねぇんだよ!」
客2
「いくぞ、お前らー!」


ファン
「・・・・ある意味救われましたね。ジェスターさん」



キュピル
「うおぉぉぉぉぉーーー!!」

キュピルが勢いよく階段を登る。
目の前に弾幕が襲い掛かる。
握り締めてる風魔の石を発動させる。キュピルの体が青くなる。
素早く向こう側にある魔法の階段へ空中移動する。
そして信じられない速度で階段を登り敵の頭上へと回る。


「・・!?」

キュピル
「一刀両断!!」

空中で風魔の石を誤作動させる。
力が逆に働き体が一気に重くなる。凄まじい体重をかけて敵を一気にぶった切る。


「・・・・!・・・チィッ!!」
キュピル
「!?」

斬ったかと思ったら突然消えた。

キュピル
「・・・影分身・・!?どういうことだ?」

上を見上げると一人しかいない。


客4
「おいこらー!レフリー!こいつ魔法で2人だと偽っていたぞー!
こいつも反則だろうがー!ジェスターの飛び入りを認めろー!」
レフリー
「ぜあがはぅぼえげあぁたいごぇあぁ!(訳:全員反則!減点!退場ーー!!」


ファン
「魔法で偽っていましたか!!あの弾幕加減を見ますと
耐久力は極力低くし攻撃力を二倍にしていたって所ですね・・・。」



「こうなったら・・!」

敵が何か詠唱し始めた。

キュピル
「やらせるか!」

すぐに階段を登る。

ジェスター
「キュピルー!私も参加したからね!」
キュピル
「うおぉぉぉぉーー!!」
ジェスター
「あー!無視するなー!」

ジェスターも階段に登る。

キュピル
「全体重を入れた重力切り!!」

縦に回転しながら敵を叩ききる。
しかし敵が軽く横に移動し避けられてしまった。

ジェスター
「もういっちょ!私の攻撃!」

鉄槌を下に降ろして攻撃する。
しかし簡単に避けられてしまった。

キュピル
「攻撃をやめた分機動力が増してやがる・・」


突然敵が光り出した。

そして全方位に大量の魔法弾を放ち始めた。
これまでの二倍三倍とも言える量だ。


「うわ、やべ。こっちにも飛んできた!」
客2
「逃げろ!」


客席にいた客が全員逃げ始めた。
レフリーにまとわり着いていた野次馬も逃げた。

レフリー
「ぜぇ・・・ぜぇ・・。反則ーー!!反則ーーー!!
観客席への無意味な攻撃は反則ー!!!」

しかし完全に聞いていない。
レフリーにも攻撃し始めた。

レフリー
「い、痛い!!!!!!!!!
反則ったら反則!!死ね!こんちくしょう!

っと言いつつ逃げた

ファン
「こ、これはたまりませんね。申し訳ありませんが私も逃げます」

ファンも慌てて非常口の方へ逃げ始めた。

キュピル
「こ、こいつは狂ってるとしか言いようがないな!
勝てるはずが無い。逃げよう。ジェスター」
ジェスター
「嫌だー!私あの敵倒す!」

ジェスターが魔法の階段に登り始めた。

キュピル
「馬鹿!死ぬぞ!!」

キュピルも登り始めた。


「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!」

ドンドン弾幕が激しくなっていく。

ジェスター
「痛い!!」

ジェスターが被弾したかと思えば次々と被弾していく。
階段から転げ落ちる。

次のターゲットはキュピルだ。

キュピル
「一発・・。一発強烈なのをぶつけてやれば・・。絶対に勝てる!!
鋼の精神を持て・・。いくぞーー!!」

キュピルが剣を構える。
弾幕がキュピルに襲い掛かる。避けれる物は避ける。

ジェスター
「キュピル!魔法弾に当たっちゃうよ!!」
キュピル
「ジェスター。見とけ。俺は強いぞ」


魔法弾がキュピルにHITする。激しい爆発音が鳴り響いた。

ジェスター
「うっ・・」

ジェスターが手で顔を覆い目をつぶる。
・・恐る恐る指の隙間から見る。

平然とキュピルが走って敵に向かっていた。

ジェスター
「え?何で?」


キュピル
「このおおおぉぉぉぉぉーーーー!!俺の必殺技を喰らえ!!!」


風魔の石をフルパワーで発動させ大きく飛び上がる。
その間も次々と魔法弾がキュピルに命中する。
そして風魔の石を逆に働かせ大きな重力を生ませる。

キュピル
「真・重力斬り!!」


思いっきり敵の頭から足にかけて斬りおとす。
魔法弾と剣がかち合う。

キュピル
「・・・・!!!」

「・・・・・・・!!!」









==翌日・キュピルの家。





ファン
「キュピルさんは瀕死。ルイさんも重症。ジェスターさんは軽症で僕も軽症・・。
肝心のFCは壊滅状態。」
ジェスター
「私のチームは一応優勝したんだよね?」
ファン
「事実上優勝ですよ」
ジェスター
「じゃぁ、何で賞金ないの?」
ファン
「まずFCがそれどころじゃないこと。あのレジェンドとかいう選手は
チーム戦なのに個人で参加したという大反則。」
ジェスター
「何で個人戦に出なかったの?」
ファン
「チーム戦のほうが賞金がでかいからだと思いますよ。単純に欲に負けたって奴です」
ジェスター
「何でもいいけど賞金が下りてこないのが許せなーい!!わああああああ!!」
ファン
「あ、暴れないでください!!今度は家を潰す気ですか!!」



後日。

レジェンドチームと名乗って参加していた選手は
アノマラド大陸で指名手配されている超級モンスターだという事が発覚。
何故FCに参加していたのかは不明。しかしやはり金を求めていたという説が高い。


キュピル
「死ぬー・・。苦しいー・・・。」
ルイ
「痛い・・・」
ジェスター
「えい。えい」
ルイ
「ぎゃぁー!傷口突付かないでください!!」
ジェスター
「面白いー。えい」
ルイ
「サド!!サディスト!!」

ジェスター
「キュピルー。何であの時魔法弾喰らったのに動じなかったの?答えないと突付くよー」
キュピル
「やめてくれ。単純に痛みを我慢して突き進んだだけ。本当は滅茶苦茶痛かった」
ジェスター
「ふーん・・・。なんか納得できなーい。」

ジェスターが指を立てて傷口に近づけていく。

キュピル
「やめろ!やめろーーー!!」



ジェスター
「えーい」



キュピル
「ぐえあぁぁああああああ」



追伸

アリーナ編?完

ちょっと戦闘ものが書きたくなっただけ。
後悔している。


第七話


キュピル
「ふあぁっ〜・・。うーむむ・・。朝7時か・・。朝は弱いな・・。俺・・」

二度寝するかどうか考え出した瞬間



ルイ
「ギャァ、ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!」



キュピル
「どぅわあぁ!!」



皆一斉にリビングに出た。

キュピル
「どうした!ルイ!」
ジェスター
「何々ー?何かミスしたー?わくわく」
ファン
「ジェスターさん・・。自重してください。どうなされましたか?」

ルイ
「こ・・・こ・・・こ・・・」
キュピル
「こ?」
ルイ
「こ・・、ここ・・これ!!見てください!!」

バッとルイがあるチケットを見せる。

キュピル
「ん・・。ブルーコーラル・・・」
ジェスター
「四人一組・・・」
ファン
「招待チケット・・・」



まるで大爆発が起きたかのような歓声が響く。


キュピル
「うおぉぉぉ!!超巨大娯楽施設のチケットじゃないか!!!」
ジェスター
「四人一組!!ぴったし!」
ファン
「こ、これどうやって手に入れたんですか!?」
ルイ
「け、懸賞に当たってしまいました・・!!」
ジェスター
「お手柄!ルイお手柄!!」
キュピル
「交通費も負担。一泊二日!!す、すごいな!」
ファン
「このチケット。指定日に行かないと無効のようですね」
ルイ
「指定日はいつですか?」
ファン
「えーっと。・・・・。・・・・・・。ルイさん。この懸賞当たった事に気づいたのは何時ですか?」
ルイ
「今日届きましたけど・・。」
ファン
「・・・このチケット。明日を指定してます」
キュピル
「えーっと、ブルーコーラルまで船で行って・・・。その後気球に乗って・・。
・・・・。18時間後に到着?」

全員
「・・・・・・・・・・・・」



その後はもう皆一斉に旅行支度を整え飛び出るように船に乗った。





マキシミン
「うぃ〜っす。・・・む。誰もいねぇーぞ・・。
・・参ったな。あのチケットの話できねぇじゃねぇか・・。
いいや、それまでこの家を借りるとしよう。ククク」


=船


ジェスター
「はぁ・・はぁ・・。間に合うー・・?」
キュピル
「あぁ、この船に乗り遅れていたらもう間に合わなかった」
ルイ
「ギリギリセーフですね・・。」
ジェスター
「見てみて!海!海!!」
キュピル
「海なら自宅でも見飽きる程もう見てるよ・・・」
ジェスター
「気分壊すな〜!」
キュピル
「ぬあー!」

船で暴れるジェスター

船員
「お客様。船の上で暴れないで下さい」
ジェスター
「嫌だ〜!」
船員
「了承いただけない場合今すぐ海へ投げ込む事になりますがよろしいですか?」
ジェスター
「ごめんなさい・・・」
キュピル
「君。ちょっと仲間にならないか?ぜひともジェスターの押さえ係ということで。よろしく頼むよ。」
船員
「無理やり仕事を押し付けるお客様には強制労働が与えられますがよろしいですか?」
キュピル
「ごめんなさい」
ルイ
「・・・最強ですね」
ファン
「誰か一人ぐらいこのような人が居てもよさそうですね」
ルイ
「ファンさんがなったらどうですか?」
ファン
「僕はちょっと遠慮します。あの性格は・・少し・・」
ルイ
「私も遠慮しておきます。」
船員
「船員の悪口を言うお客様には強制謝罪が与えられます。謝ってください」
ルイ&ファン
「すいませんでした・・・」
キュピル
「何か違う気がする」



==船室

ジェスター
「あの船員大嫌いー!」
キュピル
「なんかあの性格憧れちゃうな」
ルイ&ファン
「・・・エッ」
キュピル
「ジョーク」
ルイ
「ですよね」
キュピル
「(ジェスターをすぐに黙らせる事が出来るのが羨ましい)」


ジェスター
「ねぇ、船何時間乗るの?」
キュピル
「15時間」
ジェスター
「えー。もっと早く出来ないの?」
キュピル
「ジェスター・・。最近お前さんの頭が空っぽになってきてないか不安になってきたよ」
ジェスター
「あ!酷い!」
キュピル
「って言えば許されると思ったかー!!」
ジェスター
「ぎゃぁっー!」

ジェスターが攻撃しにくる前にキュピルがジェスターをベッドがある方に放り投げた。


ドサッ

ルイ
「わ、ちょっとやりすぎじゃないですか?」
ジェスター
「今の楽しかった!もう一回投げて!!」
キュピル
「・・・え?・・・どおりゃぁっ!」
ジェスター
「わぁっー!」


ドサッ

ジェスター
「もう一回!」
キュピル
「ええい、これじゃ埒があかん。ならばジェスターに教え事でもするかな。」
ジェスター
「ん?何そのノート」
キュピル
「喰らえ!」

(数学のノート)

ジェスター
「頭痛い〜・・・。ちょっと放り投げられた時頭打ったのかも・・」
キュピル
「頭痛薬ならある。たまには勉強して頭を刺激しろ」
ジェスター
「頭の刺激ならマッサージしてるから大丈夫!」
キュピル
「内側の刺激だ」
ジェスター
「・・・ルイ〜」
ルイ
「うっ・・そんな目で私を見られても・・・」



==3時間後

ジェスター
「アヴァヴァヴァヴァ・・・・」

キュピル
「やれやれ・・・。」



結局船の中は皆食べたり寝たり海を眺めたり適当に暇を潰したのであった・・。



==ブルーコーラル 港町


ルイ
「ふ、船酔いしました・・。は、吐きそう・・!」
ジェスター
「わ、わー!こっちに来ないでー!」
キュピル
「俺も酔った・・・。死ぬ・・・」
ファン
「人間じゃない僕達だけ正常ですね」
ジェスター
「うーん。ラッキー?」
ファン
「・・・酔うときは酔うと思いますが・・」



キュピル
「あぁ、やれやれ。少し楽になってきたよ」
ルイ
「同じく私も・・」
キュピル
「とりあえずここからブルーコーラルの島まで行くぞ。」
ジェスター
「どうやって行くの?」
キュピル
「あれだ」

キュピルが気球を指差す。

ジェスター
「え・・・あれって・・・」
ファン
「気球ですね」
ジェスター
「・・・ふ、船とか・・ボートとかは・・ないの?」
ルイ
「えーっと・・。ないみたいですね。」
ジェスター
「私高所恐怖症なの!」
キュピル
「あぁ、そういえばそうだったな」
ジェスター
「乗りたくないー・・・。乗りたくないよー!」
ルイ
「うーん、ジェスターさん。とりあえずほら。手繋いであげますから」
ジェスター
「怖いー・・。怖いよー・・」


==気球

船員
「それではお乗りになる方乗ってください。四人までです」
ジェスター
「あー!!あの船に乗ってた嫌な船員!」
船員
「船員の悪口を言うお客様には強制謝罪が与えられます。謝ってください」
ジェスター
「謝らないもんー」
船員
「謝らないお客様には気球には乗せませんがよろしいですか?」
キュピル
「それ単純にヒネクレテルだけだろ!!」
船員
「それでは、お2人方お乗りください」
ルイ
「え?」
ファン
「キュピルさんとジェスターさんは?」
船員
「謝らないと乗せません」
キュピル
「凄く納得いかない」




==空

ジェスター
「何で謝んなきゃいけなかったんだろう・・。怖いよー・・」
キュピル
「ジェスターも普段このぐらい怯えてて謙虚だったら可愛気もあるんだけどなぁ」
ジェスター
「何でも言っていいから誰か助けてー・・」
キュピル
「・・・ルイ。耳貸してくれ」
ルイ
「はい?」

コソコソ・・・・

ルイ
「・・・え、えー?ちょっと可哀想じゃないですか?」
キュピル
「それが遊園地の醍醐味だ。なーに、俺が面倒みる」
ルイ
「・・私もちょっと気になりますけどね」
ジェスター
「2人何秘密話してるの!怖い!怖い怖い!!」
ファン
「ジェスターさん。アイマスクありますよ」
ジェスター
「つける!・・・余計怖い!!」
ファン
「アベコベですね・・。」



==ブルーコーラル 本島

キュピル
「おぉ、やっとついた。」
ジェスター
「わーい!!もう怖いものは何もな〜い!!」
ファン
「とりあえず宿に行って荷物をまとめましょう。入場チケットもそこで交換出来るようなので」
キュピル
「そうだな、距離まであるから車で行くか」
ルイ
「え?車ですか?なんだか懐かしい言葉。メイド長の時に運転してました。」
キュピル
「そいつは初耳だな。アノマラド大陸じゃ車なんて滅多に見ないからてっきり初めてみるかと思った」
ジェスター
「んー?私、車って聴いたことないなぁ・・・」
ファン
「キュピルさん。運転できるんですか?」
キュピル
「こう見えても意外と出来る」


そういうと本島の中なら自由に使える車に乗る。

ジェスター
「へぇー。なんか変なの」
キュピル
「動くぞー」

キュピルがアクセルを踏む。

キュピル
「・・・?動かんぞ」

エンジンはしっかり音を立ててる。

ルイ
「キュピルさん。サイドブレーキがかかってます」
キュピル
「悪い。凄い久しぶりに運転したからちょっと忘れてた。」
ファン
「ちょっと心配になってきました」

サイドブレーキを引き今度こそアクセルを踏んだ。
が、車がバックし後ろのブロックに衝突した

キュピル
「ぐふっ!」
ジェスター
「ぎゃぁっー!!」
ルイ
「ちょ、ちょっとキュピルさん!シフトがバックになってます!」
キュピル
「ナニヲー」

ルイ
「キュピルさん降りてください・・。私が運転します」
キュピル
「い、いや。今度こそ大丈夫だから」
ルイ
「怖いので私が運転します!!」
キュピル
「は、はい。・・・悪かった・・」


==20分後

ジェスター
「最初からルイに任せればよかったのに」
キュピル
「まさかルイがこんなに運転上手だとは思わなかった。反省している」
ルイ
「さっき言ったじゃないですか。私がメイド長の時お嬢様を送り迎えする時たまに車で
送り迎えしていたって」
ファン
「そんなに詳しく言ってましたっけ?」
ジェスター
「でもルイー。何で私がお屋敷行った時馬車だったの?」
ルイ
「まだ整備されてない道だったので車だと悪路でした。」
ジェスター
「ふーん・・・」
ファン
「あ、ルイさん。そこを左です」
ルイ
「はいはい」
キュピル
「快適走行すぎて面目丸つぶれです」
ルイ
「ちょっとだけ反省してくださいね」
キュピル
「・・・ルイに負けた・・」



==宿屋

車が宿屋に到着するなりスタッフがやってきた。

スタッフ
「ようこそ、いらっしゃいませ。ご予約等はされておりますか?」
ルイ
「えーっと、抽選にあたったルイ・アリス・トラクシーっと言う者ですけど・・」
スタッフ
「ルイ様ですね。少々お待ちを」

そそくさに立ち去るスタッフ。

ファン
「宿屋と聞いていましたから普通の民宿かと思っていましたが
どこからどうみても一流ホテルですね」
ジェスター
「ホテルー!!一度でいいから泊まって見たかった!!」
キュピル
「スタッフの対応も一流だな・・」



スタッフ
「申し訳ありませんが・・。ルイ様のお名前が名簿にございませんが・・」
ルイ
「えぇっ!?」
ジェスター
「衝撃的展開!!」
ルイ
「で、ですが・・!このチケットには確かに・・」
スタッフ
「拝見いたします」

スタッフがチケットを受け取り見る。

スタッフ
「・・・・。お客様。このようなチケットは発行しておりません」
ルイ
「そ、そんなぁ!」
キュピル
「ま、待ってくれ。ルイは確かに抽選に当たって・・・」
スタッフ
「抽選・・ですか?・・・そのような事はやっていないのですが・・」
キュピル
「ナ、ナンダッテー!!」
ルイ
「じゃぁ、このチケットは一体・・」

全員黙る。

スタッフ
「悪戯ですね。このチケットもよく見ますと商品番号が書いておりませんし
それに入場チケットはともかく交通費も負担する懸賞は聞いたことありません」
ルイ
「だ、騙されたああああ!!!」
キュピル
「ルイ。一体どこの抽選をやったんだ!?」
ルイ
「わ、私は確かに・・・。『今週のナルビク』っという雑誌の抽選に応募して・・。それで・・」
キュピル
「な、泣くな。ジェスターならともかくルイが泣いちゃ困る・・・」
ルイ
「すいません・・」
スタッフ
「今週のナルビク・・。あぁ、もしかしてこの雑誌ですか?」

スタッフがエントランスホールに戻り雑誌を持ってきた

ルイ
「そう!それです!!」
スタッフ
「いつ応募なされましたか?」
ルイ
「先週応募しました・・」
スタッフ
「此方をご覧ください」

スタッフが先週号を開きルイに見せる。
抽選の注意書きを見る

『この抽選は来月の二週に抽選を開始します。
それ以前に応募しましても無効となるのでお気をつけください』

ルイ
「・・・・・(あんぐり」
キュピル
「・・・・・・・・・・」
ルイ
「それに気づかず外れただけならまだいいですけど・・。こんな悪戯・・。酷すぎます・・」
キュピル
「い、一体誰があああ!!」



スタッフ
「お客様・・。お気の毒ですがホテルの部屋は満室でございます」
キュピル
「そうですか・・。」

キュピルがホテルから出る。

ジェスター
「どうだった・・?」
キュピル
「部屋は満室。遊んで帰れん」
ジェスター
「・・・うっ・・うっ・・。わあああーーーーん!!!」

号泣するジェスター。
横でひっそりルイも泣いてる。

ファン
「ルイさん・・。そう責任を感じなくても大丈夫ですよ・・」
ルイ
「私がこんなドジを踏まなかったら・・・!!」
キュピル
「・・・よし。決めた」
ファン
「何をですか?」



キュピル
「ブルーコーラルで遊んでいくぞ!!!」





ジェスター
「え・・・?」
ルイ
「・・?」
ファン
「お金だけは持ってきてたんですよね」
キュピル
「そうだな。飲食きっと凄いするだろうと思って貯金10万Seed降ろしてきてある。
これで日が暮れるまで遊んでその後帰りの船で寝よう。な?」
ジェスター
「でもその貯金使い切ったらまた無一文じゃん・・。いいの・・?」
キュピル
「帰ったら皆にちょっと仕事手伝ってもらうがそれでもいい。
金は貯めるんじゃなくて使うものにあるんだ。それとも反対か?」


この提案に全員が賛成。
さっそくみんなでブルーコーラルに入場した。




ジェスター
「射的やるー!」
チェーザレ
「射的300Seed・・・。しかし私の愛する商品達を落とす事は出来るだろうか・・・」
ルイ
「正射ー!」

ズドン

チェーザレ
「本物の銃を使うのは反則だという・・。そのぐらいも分からないとか人間じゃないと
チェーザレは思う・・」
ルイ
「・・・非常に撃ちたい衝動にかられました」
キュピル
「お、抑えろ」
ジェスター
「ばきゅーん」
ファン
「ジェスターさん。肘でしっかり抑えないと景品に当たりませんよ」




キュピル
「度胸試しのお化け屋敷。さぁ、ペアになって行こうじゃないか」
ジェスター
「お化けなんていないよ」
ルイ
「あ、それは私に対する挑戦状ですか?」
ジェスター
「あ、そうだった・・。幽霊いるんだった・・」
ファン
「・・・なんか幽霊に会っても驚く自信がありません・・」
キュピル
「・・言われてみれば・・・」
ルイ
「行ってみません?」
キュピル
「まぁ、行くだけいってみよう。」



幽霊
「うわあああぁぁぁぁぁ!!!」
ルイ
「握手ーーーー!!!」
幽霊
「ひ、ひええええぇぇぇ!!」

キュピル
「ヒャハァーモウコワクテウゴケネー」

ジェスター
「何でキュピルが一番ダメなの・・・」



ゾンビ
「ぐあああぁぁぁ!!」
ルイ
「ぎゃ、ぎゃあぁぁぁぁ!!!」
ゾンビ
「うぼえあぁぁぁ!」
キュピル
「ヒャハァータイラントナイフデコロシタオレニハコワクネェー」
ジェスター
「・・・・」
ゾンビ
「・・・・・・・・・」


ルイ
「結局幽霊に合えませんでしたね・・・」
キュピル
「そりゃ・・まぁ・・ねぇ?しかしスリルがなかった。」
ルイ
「スリルを味わいたいのでしたらジェットコースターなんかどうですか」
ジェスター
「あ、私乗らない」
キュピル
「・・・ニヤリ」
ルイ
「・・・・にやにや」
ジェスター
「・・・・え?」

キュピルがジェスターを抱っこして無理やりジェットコースターに並ばせた

ジェスター
「ぎゃああぁぁ!乗らない!私乗らない!離して!!」
キュピル
「ふははは、日ごろの行いが悪いとこういう目にあうのだよ!」
ジェスター
「嫌だー!」
係員
「あ、人型じゃないと席には座れません」
ファン
「・・・では待ってます」



ジェスター
「乗っちゃったよ・・乗っちゃったよ乗っちゃったよ・・・!!
神様ー・・。私を助けてー・・」
ルイ
「ふふふ、私こう見えても度胸はありますよ。」
キュピル
「何。ならば手放しでジェットコースターを一周だ。先に捕まった方の負けだ」
ルイ
「私は1000Seedかけてもいいです」
キュピル
「よし、いいだろう」
ジェスター
「何で2人ともそんなに余裕なの・・!!」

そしてとうとうレールの上を登りきり急激に下り出した!!

ジェスター
「ぎゃぁ〜〜!!」
キュピル
「ひゃっほーい」
ルイ
「全然余裕です!」

が、次の瞬間。車体がレールから離れ飛んで行った!!

キュピル
「ぐ、ぐわああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
ルイ
「ヒイイイィィィィィイイイ!!!」
ジェスター
「(失神)」


そして5秒後。飛んでいった場所に再びレールが現れ無事
車体はレールの上に乗ったのだが2人はすっかり怯えてしまった。


キュピル
「あ、ありのまま起こった事を話すぜ・・・。
全然余裕だと思った瞬間いきなりトロッコが浮き出したんだ。
何がおkt(略)」
ルイ
「も、もう乗りたくありません・・・」
ジェスター
「(失神)」
ファン
「・・・看板にこう書いてありますが」

『五回に一回事故起きますが責任は持ちません』

キュピル
「誰も乗らないだろ!!!」






ルイ
「大人しく観覧車にでも乗りません?きっと眺めいいですよ」
キュピル
「しかし、この観覧車は途中から景色ではなく幻を見せ始める」
ルイ
「ロマンチックな幻でしたらいいですね。オーロラとか・・」
ジェスター
「・・・・また高い所・・・」
ファン
「並びましょう」



ジェスター
「どんな幻見るのかな・・・」

窓の景色が段々暗くなり幻が現れはじめた。


チェーザレ
「チェーザレはこれからアンドレに対する熱い気持ちを送ろうと思う
アンドレLove!!チェーザレ熱烈LovEアタック!!」

全員
「・・・・・・・・・・・」



キュピル
「別の意味で酔ったわ・・・」
ファン
「ですね・・・」
ジェスター
「(失神)」



こうして満喫したのかしてないのか
四人全員夜になるまで遊びまくり時間ギリギリまでブルーコーラルに残った。






キュピル
「時間だな・・・」
ジェスター
「何だかんだ色々あったけど楽しかったね」
ルイ
「ですね。一時期どうなるかと思いました。」
ファン
「旅行用のバッグがちょっと重いですけど・・・」


全員船に乗る。
そしてまもなく出航した

ジェスター
「ばいばいー!ブルーコーラル!」
キュピル
「さらば。初めてのブルーコーラル」

見えなくなるまで皆ブルーコーラルを見ていた。





==キュピルの家


キュピル
「ただいま・・・」
ジェスター
「疲れたぁー・・!」

マキシミン
「んがぁっ〜・・・(爆睡」

キュピル
「怒りのボルテージはMAX!!何勝手に寝てるんだこの野郎!!」
マキシミン
「んが?・・何だよ・・。帰ってきたのか・・。どこ行ってたんだよ・・」
キュピル
「何処って・・。ブルーコーラルに行ってきた。羨ましいだろ?」
マキシミン
「あ?ブルーコーラル?お前ら偽物のチケットで入れたのか?」
キュピル
「・・・偽物?何故それを知っている」
マキシミン
「お、わりぃわりぃ。あのチケットは俺が作ったんだ。お前の連れのルイって奴が
応募してるのをこの前見てな。久々に悪戯したくなったってわけよ。
どうだ。強烈だったろ?」














==翌日


キュピル
「生ゴミ」
マキシミン
「(撃沈)」
イスピン
「処分に困る生ゴミですね・・・」




終わり


追伸

ルイ
「私もマキシミンが嫌いになりました!!!!」
ジェスター
「元からマキシミンが大嫌い!!」

女性陣全員から嫌われたマキシミン。


8話


==深夜(2:00


ルイ
「・・・誰も・・いませんよね?みんな寝てますよね?」



ガチャ



キュピル
「ん、今誰か外に出て行ったか?」

キュピルが部屋から出る


キュピル
「・・・・む、今窓にルイの姿が・・。何処に行く気だ?
追いかけてみるか。」


==ナルビク・海


ルイ
「それにしてもいい風・・・。月も出ている・・・・。
今日は絶好日ね」

キュピル
「(何が絶好日だ・・・?)」

ルイが堤防の上に立つ

キュピル
「(・・・まてよ、ルイ確か泳げなかったよな?
そしてあの堤防付近は水深が深い・・・。それに+して絶好日・・・。
・・・・ま、まさか・・・。前回のブルーコーラルの件にまだ不満が残っていて
勢いあまって投身自殺・・・。それは防がねば!!!」

ルイが何か魔法を唱え始めた。


キュピル
「まさか、加重の魔法・・!?
ルイーーーーーー!!それはやめろーーーー!!」


ルイ
「え?」

ルイがキュピルの方に向く

キュピル
「死ぬなんて百万年早い!!」
ルイ
「あ、待って!!魔法g・・・」
キュピル
「ええい、話は全部家で聞く」
ルイ
「ぎゃあああ!」

無理やり家に連れ戻しすキュピル



==家

キュピル
「どうした、ルイ。何か不満でもあったか?」
ルイ
「あ・・・やった!!やったーー!!」
キュピル
「ぬあー!ルイが狂った!!」
ルイ
「私の研究してた魔法が成功してる〜!ばんざ〜い!!」
キュピル
「・・・こ、こりゃ重症・・・」

ジェスター
「うぅ〜・・。うるさぁ〜いぃ・・・。起きちゃったよ・・・。・・・
ぎゃああああああああああああああ!!!」

キュピル
「え?え?皆何で俺を見て驚いてるんだ?」

ジェスター
「キュピル!!後ろ!背中!」

キュピルが後ろを見る。しかし何もない

キュピル
「何もないんだが・・」
ジェスター
「鏡!!鏡!!!」

ジェスターがちょっと大き目の鏡を持ってくる




キュピル
「・・・・ぬあぁぁぁーーーー!!」






==翌日


ファン
「それで・・・。今度はどういうトラブルを起こしたんですか・・・」
ルイ
「えーっと、ごめんなさい・・。実はこっそり・・ある魔法を研究してまして・・・。
その魔法がついに昨日完成して夜こっそり抜け出して近くの魚にやろうっと思ったんですが・・。
キュピルさんが何を勘違いしたのか私を急に引っ張って・・・。それで・・。」
ファン
「作った魔法がキュピルさんに当たってしまった・・ということですか?」
ルイ
「・・・はい」


==キュピルの部屋

ジェスター
「わぁ〜!かっこいい〜。キュピル。このままになったら?かっこいいよ」
キュピル
「じょ、冗談じゃない。人間じゃない!!

ガチャ

ファン
「キュピルさん、体調のほうは?」
キュピル
「体調は別に変わらんのだが・・。ルイ。これはいったい・・・」
ルイ
「悪魔化する魔法です。正式名称はドラキュラふぉーめんs・・・・。」
キュピル
「正式名称は別にいい」
ジェスター
「後ろの黒い羽かっこいい〜。わ〜」

ジェスターがキュピルの背中に生えた黒い翼にぶらさがる



キュピル
「いででででででで!!!もげる!!・・・いや、もげろ!!


ファン
「・・・ルイさん。ドラキュラ化するとどうなるんですか?」
ルイ
「基本的に・・。日光がだめになります。あと生命力が非常に高くなります。
夜になると人間離れした能力が手に入ります。月が出てる時限定ですけど・・」
キュピル
「俺の聞いた話じゃドラキュラは血を飲まないと死ぬとか聞いたことあるぞ。
いでででで!!ジェスター!そろそろ降りてくれ!痛い!!」
ジェスター
「えぇー・・・」

ルイ
「そんなことはありませんよ。魔法で体質をドラキュラ化させているので
血を飲まなければ死ぬとかそういうことはありません。飲めば確かに強くはなりますが・・。
ニンニク食べたり十字架を見ても全然余裕のはずですよ」
キュピル
「それはいろいろ助かるが・・。元に戻る方法は?」
ルイ
「あくまでも私が作った強化魔法のひとつなので・・。三日たてば元に戻ると思いますよ?」
キュピル
「三日・・。それまで外には出れないな・・・。」
ジェスター
「空飛べるー?飛べる〜?」
キュピル
「ジェスター。お主もしかしてドラキュラ好きなのか?」
ジェスター
「背中の翼がカッコいい!・・でもそれ以外普通のキュピルだね。残念ー」
キュピル
「・・・何が残念なのか小一時間(ry」
ルイ
「とりあえず間違えて日光に当たるようなことがないように気をつけてくださいね」
キュピル
「あ、あぁ・・」



==昼


ジェスター
「キュピルー!大変だよー!」
キュピル
「どうした」
ジェスター
「冷蔵庫からっぽ!」
キュピル
「・・・つまり?」
ルイ
「食材がないです・・。料理が・・」
キュピル
「そいつは参ったな。買わないと・・・・って・・・。貯金・・・


・・・・・。

ルイ
「そういえば、いつも・・。朝のうちにキュピルさん働いてきてましたよね・・・」
キュピル
「急いで何か簡単な依頼こなしてくる」
ルイ
「キュピルさん!!日光!!」
キュピル
「余裕」
ルイ
「死にますよ!!」
キュピル
「日傘」
ルイ
「え?・・・あ、はい」
ジェスター
「さっきからキュピル傘を手に持ってたよー?」
ルイ
「・・・心配なのでちょっとお供してきますね」
ジェスター
「お供アイルー!」
ルイ
「違います!」



==クエストショップ

リカス
「お、キュピルじゃないか。・・・どうした、その羽は。そして隣のお嬢さんは」
ルイ
「はじめまして、ルイです」
リカス
「挨拶はいいさ」
ルイ
「挨拶は基本です!」
リカス
「は、はじめまして・・・」
キュピル
「とりあえず急遽資金が必要になった。手軽に資金が手に入るいいクエストはないか?」
リカス
「そうだな、太陽草を10つ。どっかから採集してくれ。それで5000Seedだ。どうだ?」
キュピル
「十分だ、引き受けよう」
リカス
「あいよ、・・・・で、その羽はどうしたんだ・・?」
キュピル
「隣のルイっという人物にドラキュラ化されました」
リカス
「・・・あ、悪霊退散!!この化け物め!」
ルイ
「れっきとした人間です!!!」
リカス
「し、失礼しました・・」


==クライデン平原

ルイ
「キュピルさん・・、酷いですよ。」
キュピル
「酷いもなにもリカスが勝手に化け物だと勘違いしただけなのだが・・。
でも何でルイはこんな魔法作ったんだ?」
ルイ
「そりゃ、キュピルさん。私は霊が好きなんですよ?ドラキュラだって好きに決まってるじゃないですか」
キュピル
「・・・・??いまいちつながりがわからないのだが・・・」
ルイ
「ドラキュラも霊みたいなものですよ」
キュピル
「・・・JOJO−−!!」

ルイ
「・・・え?」
キュピル
「ひとり言」



キュピル
「うむ、この太陽草ならいける」

キュピルが太陽草を摘み始める
が、そのとき

キュピル
「ぬあ!」

突風。

キュピル
「太陽草!!・・・!!!!」
ルイ
「あ、日傘!!」
キュピル
「や、焼ける・・・!!!
傘!!傘を!!!」

あわてて傘を追うがそのままどんどん高く飛んでいく。

キュピル
「う、うわああ!!」
ルイ
「ぎゃあああ!!」

キュピルに火がつき燃え始めた

ルイ
「日陰!!」

ルイがキュピルを突き飛ばし木の影に入れる。
火は一瞬で消えた。

キュピル
「重度の火傷・・・。今日は・・もう・・・無・・・・・理・・・。」

そういって倒れこんだ。





「・・・おーい、大丈夫かー?」

キュピル
「・・い、いでで・・」

なんとか起き上がる
気がつくと辺りは暗くなっていた。

キュピル
「・・・?ルイは?」
青年
「ルイ?知らないが君は大丈夫なのか?なんか焦げ臭いが」
キュピル
「大丈夫だ・・。ちょっと日光に当たったら酷い目にあった」
青年
「やっぱり、ってことは君はドラキュラなんだな?」
キュピル
「一応今はそうなってる」
青年
「へぇ・・・。まさか本当にこの世界にドラキュラが存在するとは思わなかったよ。
結構警戒心薄いんだね」
キュピル
「間抜けなドラキュラだよ・・・。それで、このドラキュラに何の用かな?」
青年
「いや、突然羽の生えた人を見つけたから何事かと思って話しかけただけさ。
それより、君本当にドラキュラ?」
キュピル
「もちろん。(魔法の効果もあるけど」
青年
「それなら、ちょっと手伝ってくんないかな?」
キュピル
「何を?」
青年
「俺今、里帰りしてる最中なんだがまだまだ遠くて・・。人を運ぶ事って出来る?」
キュピル
「実は俺飛び方がわからないんだ」
青年
「背中をこう・・パタパタ動かすとか?」
キュピル
「むむむ・・・」

神経を背中に集中させる

キュピル
「・・・おお、飛べた。体がすごい軽い!」
青年
「面白いドラキュラさんだ。それで運んでくれるか?」
キュピル
「運べるかわからないが試そう。」

キュピルが青年の腕をつかむ

青年
「悪い、運ぶのは俺じゃなくてこいつ」
キュピル
「ん?」

青年が指差す方向を見る。よくみるとイニュイトが木影に隠れていた。

青年
「俺のペットなんだけど長旅でもう疲れちゃってるから先に里に帰らせてほしいんだ。」
キュピル
「場所は教えてくれるか?」
青年
「イニュイトが教えてくれる。おーい」

イニュイトが木影がパタパタ走ってきた

青年
「送ってくれるってさ。空の旅を楽しめるぞ」
イニュイト
「ドラキュラ・・怖い・・」
キュピル
「ここだけの話魔法でドラキュラになってるだけなんだ」
青年
「え?そうなのか?」
キュピル
「うむ」
イニュイト
「なら怖くない」
キュピル
「・・・・と、とりあえず。町の名を教えてくれ」
青年
「ライディア。わかる?」
キュピル
「わかる。さっそくイニュイトをライディアの元まで送るよ。
・・・そうだ。君なんて名前?」
青年
「五郎。この変じゃ聞かない名前だと思うが」
キュピル
「確かに聞かないな。漢字とは珍しい。そいじゃ送り届ける」
五郎
「頼んだぞー」

イニュイトがキュピルの背中に乗る。

キュピル
「おおっと、飛べるか・・!?」

必死に羽を動かす。なんとか飛べた。

イニュイト
「先に待ってる!」
五郎
「おう。あさってには到着する」

そういった後キュピルの背中に乗っているイニュイトは空高く舞った。



8.5話に続く
(明日また更新します


8.5話


=夜


ルイ
「はぁ・・はぁ・・あれ!?キュピルさんがいない!?」
ファン
「命に関わるダメージを受けたと聞いてすぐに治療道具を持ってきたのですが・・・。
ルイ
「お、おかしいですね・・。確かにここに寝かせていたのですが・・」
ジェスター
「案外もう家にいるかもよー?すれ違いとか」
ファン
「かもしれませんね。生命力は高いんでしょう?」
ルイ
「そ、そうですが・・」




==空高い上空

イニュイト
「わぁ、すごーい」
キュピル
「まだまだぐんぐん高く飛べるぞ」


翼をはためかせて空を滑空する。

キュピル
「(あぁ・・そういえば、空ってなんか懐かしいな・・・)」
イニュイト
「あ、ドラキュラさん。そこの町だよ」
キュピル
「俺の名前はドラキュラじゃないよ。キュピル。そこの町だな?」

だいぶキツイ角度で急降下する

イニュイト
「お、落ちるよ!!」
キュピル
「いやぁ、ゆっくり降りる方法が思いつかなくて。水に入って着地するぞ!」
イニュイト
「う・・う・・・」

ライディアにある水の畔に潜る瞬間。イニュイトがキュピルを踏み台にして近くの地面にジャンプした

キュピル
「ぬあぁっ!」

変なバランスになってしまったキュピルはそのまま水面にお腹から着地し
イニュイトはうまくパタパタ手を動かしてバランスを取りながら着地した。

キュピル
「い、い、いでええええぇぇぇぇぇ!!!」

もだえ苦しみながら水から這い上がる

キュピル
「この速度から腹から水面に入るとは思っていなかった・・・。」

腹を押さえるキュピル

イニュイト
「痛いの痛いのとんでけ」
キュピル
「そんなレベルじゃねぇっ!!」

イニュイト
「ドラキュラなら痛くないでしょ?」
キュピル
「・・・・・・・・・・痛い」
イニュイト
「変」
キュピル
「(もしかして、なめられてる?)」

キュピルが深いため息をついた後

キュピル
「さて、これでもう大丈夫だよな?俺はちょっと空を飛ぶのが楽しくなってきたから
そろそろ御暇しようと思ってるのだが」
イニュイト
「ぐいぐい」
キュピル
「ん?」
イニュイト
「あれ食べたい」

イニュイトがパンを示す

キュピル
「・・・・あ、まずい。」

ルイ達の事を思い出すキュピル。
そういえば・・飯代・・・。

キュピル
「今頃腹減ってるだろうな・・。」
イニュイト
「うん、お腹減った」
キュピル
「君じゃない」
イニュイト
「変」
キュピル
「・・・・・・・・・・とにかく、すまないが。今金がないんだ」
イニュイト
「変」
キュピル
「・・・・・だあぁ、変じゃない!」

そういって地面を強く蹴り空に舞い上がる

キュピル
「悪いが俺にも養わないといけないペットがいるんだ。
早いところ五郎が来るといいな」
イニュイト
「お腹すいたお腹すいたー!!!」
キュピル
「・・・・・・・・・」

かくいうキュピルも相当腹が減っている。昼から何も食べていないわけだし
そしてイニュイトがペットっという肩書き上か若干ジェスターとかぶって見えてしまうキュピル。

キュピル
「・・・うーむ・・。確かライディアの近くにブルーベリーの木があったよな・・。捕まれ」
イニュイト
「やー」

イニュイトがジャンプしてキュピルの腕に捕まる。
そのまま空へ飛びライディアから出る
周りの人がキュピルに注目している。

キュピル
「うーむ、確かに考えてみればドラキュラってアノマラド大陸にはいないよな」
イニュイト
「いないいない。変〜」
キュピル
「・・・あんまり変変言うと落とすぞ」
イニュイト
「怖い」
キュピル
「・・・・・・・・」

なぜこうも直線的な言葉しか投げられないのだろうか・・・

キュピル
「もっと柔らかい発言とか教えてもらったらどうだ?
ちょっとストレートすぎて傷つくぜ」
イニュイト
「ごめん」
キュピル
「・・・本当にストレートだな。」

・・・もしかして。

キュピル
「質問。ペットってスラスラ喋れるのか?」
イニュイト
「あんまり」
キュピル
「スラスラ喋れるペットは稀か?」
イニュイト
「そうでもないけどあんまり。」
キュピル
「・・・うちのジェスターは俺以上にペラペラ喋るんだが珍しいか?」
イニュイト
「珍しい」
キュピル
「そうか」

そう考えるとジェスターってもしかしたら凄いのかもしれない・・・。

イニュイト
「ベリー」
キュピル
「お、みつけたぞ」


今度はゆっくり降下する。だんだん翼の使い方がわかってきた。
うまく地面に着地する。

地面につくなりイニュイトが魔法で地震を起こしベリーの実を落とし始めた。

キュピル
「魔法か。そういやペットって何気に全員魔法使えるんだよな・・・」
イニュイト
「常識。」
キュピル
「それ聞いたら俺のペット泣くと思うな。うちのペットはジェスターなんだが魔法が使えん」
イニュイト
「変」





ジェスター
「へくしょん!」
ルイ
「風邪ですか?」
ジェスター
「噂!私人気者だもーん」
ファン
「・・・・自識過剰」
ジェスター
「何?」
ファン
「何でもないです。それよりキュピルさんは何処へ・・」
ジェスター
「お腹減った〜!!」





キュピル
「うーむ、このベリー思ったより美味しいな。実の一粒一粒が大きいのに
それでいてグミみたいに弾力があって甘みもある・・。完全にお菓子だな」
イニュイト
「美味しい」
キュピル
「この場所はよく覚えておこう。しばらく世話になりそうだ」
イニュイト
「向こうに赤いのある」
キュピル
「ん・・・。お、赤ベリー」

サッと飛んで木の枝に捕まる。

キュピル
「どれ。・・・・・この痺れる感覚・・・。・・・!」

すぐに吐き出す

キュピル
「イニュイト。これ赤ベリーに見えるが違う。毒がある実」
イニュイト
「ドラキュラ死ぬ!!誰か助けて!」
キュピル
「死なない死なない。食ってないから」
イニュイト
「変」
キュピル
「変じゃねぇ!」




呆れながら偽ベリーの木から下りる

キュピル
「ここは気をつけないとな・・・」
イニュイト
「眠い・・・」
キュピル
「夜もだいぶ更けてきたからな。ライディアに実家があるんだろ?そこまで送るから
もう寝たほうがいいよ」
イニュイト
「うん」

イニュイトがキュピルの腕に捕まる。そのままライディアまで飛んで送った。



==ライディア


オレン
「おぉ、ドラキュラ」
アイゾウム
「ドラキュラですね。ドラキュラの血は不死の病をも治す力があると言われます」
サリチェ
「そうなんですか!?それならアイゾウム先生の持病を治すために・・!」
アイゾウム
「やめなさい」

キュピル
「すっかり注目の的になっちゃったな・・・」
イニュイト
「家、あれ」

イニュイトが示す場所は小さな小さな小屋だった

キュピル
「あれか。なんというか本当に小屋だとしか言えないな。」
イニュイト
「ドラキュラさんも寝ないの?」
キュピル
「俺は帰る場所があるから」
イニュイト
「残念。ばいばい」
キュピル
「あぁ」

そう言ってイニュイトが小屋へ入っていった。


アイゾウム
「・・・でも、ちょっと血ほしいですね」
サリチェ
「行ってきます!!」
オレン
「俺も!」
アイゾウム
「二人とも気をつけてくださいよ!!」


サリチェ
「あの!」
キュピル
「ん?」
サリチェ
「血を渡しなさい!!」
キュピル
「な、なに!?」

あわてて後ろに下がって剣を抜刀する

サリチェ
「ひ、ひぃ!そういうことじゃないんです!」
オレン
「わわわ!落ち着いてください!」
キュピル
「落ち着けって・・・。そっちが今まさに襲いかかろうとしたじゃないか」
アイゾウム
「予想した通りですね。申し訳ありません、事情を説明します」


==数分後

キュピル
「なるほど・・・いや、しかし・・。悪いけど俺の血は使えないと思う」
サリチェ
「何で?ドラキュラでしょ?」
アイゾウム
「サリチェさん。お静かに。それは何故ですか?」
キュピル
「いやな・・。俺も魔法で一時的にドラキュラになってるだけなんだ。だから
絶対に通用するとは言えん」
アイゾウム
「そうですか。・・・質問ですが、その魔法を受けてる間は能力的に見れば
完全にドラキュラ化していますか?」

ルイの話によると確か・・。しっかりドラキュラ化すると言っていたような・・。

キュピル
「言っていました」
アイゾウム
「それなら依頼ということで私のお願いを聞いてくれますか?」
キュピル
「一応聞くだけ聞く」
アイゾウム
「このライディアから更に北に上るとドッペルゲンガーの森があります。
そのドッペルゲンガーの森にはエリクサー以上の最高級の薬草があります。
見た目はこういう形をしているのですが・・・」

アイゾウムが本を見せる。

キュピル
「精霊草みたいな形だ・・」
アイゾウム
「はい。しかしあまりにも危険な場所で魔物でなければ対抗できないと言われてます。
・・・不謹慎ですがドラキュラ化してる貴方にぜひお願いしたいのです。報酬は弾みます」

報酬・・。その言葉を聴いて即座にジェスターやファン、ルイを思い出した。
そうだ、急いで稼いで帰らないと。断る理由もなく

キュピル
「わかった。すぐに行って来る。朝になる前に」
アイゾウム
「助かります。ですが気をつけてください。本当にドッペルゲンガーは恐ろしい場所です。
命を優先してください」
キュピル
「大丈夫。危なくなったら空に逃げるさ」

そういって再び羽を動かし空高く飛んでいった。


アイゾウム
「・・羽があるってうらやましいですね。このような魔法を作った人は誰なんでしょうか?」
サリチェ
「さぁ・・?」
オレン
「えらい人でしょうか?」
アイゾウム
「少なくとも・・。アノマラド魔法大学の教授でも作れるものではありませんね。
本当に魔法を極めてる人だけでしょう」







ジェスター
「お腹減ったからファンの部屋にあるネジ食べる!!」
ファン
「あああ!いくら大好物だからって勝手にパーツ食べないでください!!」
ルイ
「ジェスターさんってさり気なくネジ食べるんですよね・・・。」


9話に続く


9話


==ドッペルゲンガーの森(3)


キュピル
「へへ、羽の扱い方にも慣れてきたぜ」

くるくる回りながらかっこよく着地する。

キュピル
「ドッペルゲンガーか・・。そういえば考えてみると俺はドッペルゲンガーに立ち入った事はないな。」

でも話は聞いている。マキシミンからとかジェスターからとか。
本当に自分にそっくりな奴や誰かと瓜二つなそっくりさんが出てくるらしい。
しかし性格は正反対・・・。

キュピル
「うーむ・・。さて、とりあえずアイゾウム先生に言われたこの薬草を集めなくちゃいけないのだが・・。」

どこにあるんだろうか?
確か非常に危険な場所にあるとか言っていた。

キュピル
「それならばあえて危険な場所へ行けばおのずと見つかるだろう」

その薬草の特性として強く発光するので尚更見つかりやすいはずだ。
一歩足を動かした瞬間どこからともなく魔法弾が飛んできた

キュピル
「うおっ!」

反射神経で回避する。ドラキュラ化してなければきっと当たっていただろう・・。
すると茂みから自分が現れた

キュピル
「わお、本当だ。自分にそっくりだ。ただ、扱う魔法はぜんぜん違うなぁ・・・」
偽キュピル
「・・・。」

終始無言。そしてすさまじい早口で魔法を詠唱し始めた。

キュピル
「なに・・!!?」

ものすごい魔法の弾幕が襲い掛かる。
あわてて空中に逃げる。
ところが敵も空中に浮かび上がって追撃をかけにきた!

キュピル
「んな、ばかな!!羽ないくせに!?」

一瞬恐怖で顔が歪んだ。すぐに正気を取り戻して地上に降りる。

キュピル
「(空だと、全方位から狙われる。地面なら下からの攻撃の心配はない・・・)」

偽者の自分が容赦なく様々な属性を混ぜた魔法弾を撃ってくる。
アイスミサイルからファイアーアロー。とにかく当たったら致命傷を負うものばかり。

キュピル
「やられっぱなしだと思うなよ!」

最近あまり使っていなかった霊術を使用する。
まずは奴の口を塞いで詠唱できなくしてやる・・・。

キュピル
「霊術・口封じ!!」

唱えた瞬間敵の弾幕が止んだ。

キュピル
「一閃!!」

空中にいる敵に向かって瞬間移動とも呼べる速度で急接近し刀で切り抜いた。
切り抜いた瞬間すぐに偽者の自分は消えた。

キュピル
「よし、勝った」

ドラキュラ化してなかったら即死だったな。何度も言うが本当にドラキュラは強い・・。
とにかくもたもたしてるとまた現れるかもしれないから急いで探さないと。





ジェスター
「お腹減った〜・・。餓死するよ〜・・・。ルイ〜。ギルドとかで何か依頼受けてきてよ〜・・」
ルイ
「あ!忘れてた!そういえば太陽草10個もう摘んでいた!!急いで渡して報酬を貰い
食材買ってきますね」
ジェスター
「わーい!!」





キュピル
「ん。崖か」

少々、歪な木の間を通っていくと深い崖が現れた。
その崖の隙間からわずかに発光している草があった。

キュピル
「お、これはもしや」

崖から飛び降りる。もちろん飛行している。

キュピル
「見つけた!!」

慎重に根っこ事薬草を引っこ抜く。
引っこ抜いた瞬間より一層薬草が強く発光した。

キュピル
「おぉ・・。・・・・・・!!?」

どんどん発光が強くなっていく。
これは・・!?
しかし何処か柔らかい感じもする。

・・・・。まてよ、これ何か知ってる気がする。


・・・・分かった。キュアだ。それも高位技術の・・


キュピル
「・・・・・・」

目を再びあけるとさっきの眩しさはなくなっていた。
そしてそれと同時に体の悪い所や痛みが全部治ったような感じがした。

キュピル
「すげぇ・・・。・・・・!!」

突然落下しているような感覚に襲われた。いや、違う。本当に落下している!!
さっきのキュアで魔法を全部解除されたんだ!!




キュピル
「うわああああぁぁぁぁぁあああ!!!」




さすがにこの高さから落ちて生きる自信はない。
一巻の終わり・・・。


バキバキバキと木の枝が折れる音が聞こえる。




ドシン!!


キュピル
「ぐはっ!」

・・・。
落ちた時の痛みよりもさっきの枝によって出来たかすり傷のほうが痛い・・。

キュピル
「あいったたた・・・。おぉ、生きている・・」

生きているがどうやって戻ろうか。周りを見るとドッペルゲンガーの森ではなさそうだが?
とりあえず飛んで帰ろう。

キュピル
「・・・・忘れていた。魔法を解除されたんだった・・」

歩いてかえるにしても道がな・・・。
ここは確かペナインの森の近くだったはずだが・・。
しかし参った。俺には山に関する経験地は低い・・・。脱出なんてもっての他。

キュピル
「・・・・・どうすればいい」

そのとき横から茂みが揺れる音が聞こえた。敵か?
いつでも抜刀できるように刀に手を載せる。
そのとき一瞬とも呼べる速度でキュピルの前を横切った。

キュピル
「うわっ!」

あまりの一瞬とも呼べる速度で思わずバランスを崩してしまい尻餅をつく

???
「おぉっと、わりぃわりぃ!大丈夫か?」

先ほどの人がこっちに戻ってきた。
キュピルを見るなり手を差し伸べた

五郎
「ん、おや。いつぞやのドラキュラさんじゃないか」
キュピル
「お、五郎さん・・・。こんな所で何を?」
五郎
「別に何もやっちゃいないさ。ただライディアに向かってるだけだ」
キュピル
「道分かるのか!?」
五郎
「当然。それより羽どうしたんだ?消えてるぞ」
キュピル
「それが・・・。かくかくしかじか」


五郎
「なんだ、そういうことか。てっきり本物だと思ったんだがなぁ・・・」
キュピル
「正体は平凡な人間だ。しかしライディアに向かってたんだよな?
何でこんな道の悪い場所を通ってるんだ?」
五郎
「カウルに用があってな。だから森の小道を通ってここまでやってきた。
俺は山道は得意だからな。こういったショートカットを通っていくのさ」
キュピル
「ほぉ・・」

五郎が背負っていたリュックをもう一度背負う。

五郎
「さぁ、一気に降りるぞ。イニュイトも待ってるからな」
キュピル
「分かった。ついていく」

そういった瞬間五郎がすさまじい勢いで山道を下り始めた。
早い!!
あわてて五郎の後を追っていく。

最初の10秒は何とか追っていけたが、すぐに泥に足元を取られ
それでも走ろうと踏ん張るが次の足で石に躓きそのまま盛大に転んだ。

五郎
「おぉっと、大丈夫か?」

あわてて五郎が止まって気を使ってくれた。

キュピル
「すまない・・。しかし早いな。五郎さん」
五郎
「ハッハ、俺は山道なら達人だからな。まぁ、時間も時間だ。
もうちょい下に下りれば広い場所に出る。そこで野宿しようや。
野宿の経験は?」
キュピル
「それならかなりある」
五郎
「それなら話はいらないな。さぁ、頑張れ。」

そういうと五郎はまたすごいスピードで山道を下り始めた。

キュピル
「何で山道でそんなに早く降りれるんだ・・!!お前さんは天狗なのか!?」
五郎
「よく言われるが俺は天狗じゃない」

笑いながら降りていった。くそー、ぜんぜん追いつかない!




キュピル
「はぁ・・・はぁ・・。ふぅ、本当に早いぜ。五郎さん」
五郎
「山道ってのは慣れしかないんだよ。ジョギングをいくら積んでも山道じゃ
まったく通用しない。」
キュピル
「俺も山登ろうかな・・・」

そうこうしてるうちに五郎はもう寝る支度が出来ていた。

五郎
「んじゃ、おやすみ。出発する時起こすわ」
キュピル
「頼む」

ちょっと月の明かりが眩しいが腕を目の上に置いてアイマスクの変わりにする。
目を瞑ってから15秒ぐらいで寝れた。凄い疲れていたんだろう。




五郎
「起きろー。出発すんぞー」
キュピル
「・・・む・・・。今何時だ・・?」
五郎
「10時」
キュピル
「・・・10時?偉く寝てしまった・・・」
五郎
「そりゃそうだ。昨日の夜寝たのは二時だったんだからな」
キュピル
「きっちり8時間睡眠か。健康にいい」

起きて背伸びする。

五郎
「さぁ、ここからライディアまで二時間で到着できる。ぱぱっと山降りんぞー」
キュピル
「分かった」

とは、いったものの。相変わらず五郎の降りるスピードはとんでもなく
とても追いつけるものじゃなかった・・。時々五郎が待ってくれてるが少し情けない。

山を降りてる最中五郎が話しかけてきた。


五郎
「そういや、ドラキュラさんの名前聞いてなかったぜ。名前は?」
キュピル
「そういや、名乗ってなかった。キュピルだ」
五郎
「キュピルさんか。キュピルさんは家族とかいるのか?」
キュピル
「家族か・・・。」

出てきたのはジェスターやファン。ルイ。

キュピル
「まぁ、いるな。血は誰も繋がっちゃいないが家族同然だ」
五郎
「へぇ、そいつは面白い。今度紹介してくれよ」
キュピル
「凶暴な人が一名、天才が一名、オカルト狂の人が一名。」
五郎
「ますます面白いな。」
キュピル
「面白いっていえるのが凄いな」

実際経験すると分かるそのびっくりさ。唯一俺だけが平凡?

五郎
「まぁ、家族ってのはいいもんさ。暖かいし旅から戻れば歓迎してくれる」
キュピル
「五郎さんの家族は?」
五郎
「うちの家族は全員凄いぞ。親父もお袋も兄貴も姉貴も。皆放浪族さ。
俺ら家族が全員揃うのは滅多にない。」
キュピル
「・・・また随分と破天荒な家族だ」
五郎
「破天荒の意味がちょっと違うぞ。破天荒とは誰も成し遂げたことがない人に対して使う言葉だ」
キュピル
「まじか。失礼した」

五郎氏は頭もいいのか・・・。

五郎
「ま、今こうして凄いスピードで降りてるのはその家族がライディアに集結しててな。
早く会いたいんだ」

なるほど・・。それならよく分かる。


キュピル
「それなら早くライディアに行きたいよな」
五郎
「ま、多分兄貴と姉貴の二人しか到着してないと思うけどな」

とは言いつつもさっきよりも五郎の降りる速度は上がっている。
何だかんだやっぱり早く会いたいみたいだ。
・・・家族か。そうだ。俺も早くライディアに戻って報酬金を貰って
美味しいもんを買って作らないとな。
帰るなりきっとジェスターは怒るだろうな。腹減った!ってね。


キュピル
「ぐあぁぁっ!」

そんな事を考えていたらまた足を石に引っ掛けてしまい盛大に転んでしまった。

五郎
「はっはっは!!」

それを見て五郎は笑う。悔しい。

キュピル
「何をー!」

負けずに急な斜面を折り始める。五郎にも負けんスピードだ!

五郎
「お、やるな」


結局ライディアまで二時間所か一時間で到着してしまった。
その間に俺は三回転んだが。




==ライディア

アイゾウム
「ご苦労様です。本当に持ってくるとは思っていませんでした・・。
お怪我は大丈夫ですか?」

アイゾウム先生がついさっき手に入れた薬草を保管箱に厳重にしまっていた。

キュピル
「この怪我は帰るときに出来たものだから心配しないでください」
アイゾウム
「色々あったみたいですが無事で何よりです。これは報酬です」

アイゾウム先生が分厚い札束を渡してきた。

キュピル
「ぬ、ぬあぁ!!何だこの大金は!!」
アイゾウム
「受け取ってください。これがあれば・・」
サリチェ
「これがあればアイゾウム先生の持病が治せるんです♪」
アイゾウム
「あぁ、サリチェさん。恥ずかしいので言わないでください」
キュピル
「・・・まぁ、俺も貧乏人だから有難く貰っちゃうか」
アイゾウム
「貰ってください」

分厚い札束を受け取る。
よし!!一か月分の給料を手に入れてしまった!!

キュピル
「それでは!」

今は一刻も早くナルビクに戻ってジェスター達を安心させたい。


ワープポイントに乗ろうとした瞬間五郎の声が聞こえた。


五郎
「あいてててて!堪忍してくれよ、兄貴!」
兄貴
「あほか!イニュイトだけを先に帰らせておいて自分はカウルでナンパとかふざけんじゃねぇ!」
イニュイト
「変態」
五郎
「変態ちゃう!」
キュピル
「ハハハ、今度は俺が笑っていいか?」
五郎
「うわー、キュピルめ。タイミングの悪いときに見られたな!」
キュピル
「まぁ、いいじゃないか。家族と再開して。俺も家族と再会してくるよ」
五郎
「おう。バーンとオッ!会ってきな」
姉貴
「それあたいの口癖!勝手にぱくったね!50Seed払いな!」
五郎
「なんだよ、それ!しらねぇーよ!」

そういいながら五郎たちは笑いあってる。
あぁ、いいな。ああいうの。

キュピル
「・・・今に俺も帰ればああいう会話が出来るさ。」

皮肉たっぷりになるかもしれないけどね。





キュピル
「ついに帰ったぜ、ナルビク」



==キュピルの家


キュピル
「ただいま!」



ルイ
「おや、おかえりなさい」
ジェスター
「あ、キュピルだ。そういえば居なかったね」
ファン
「お、キュピルさん。お帰りなさい」

そう言った後誰も続きを言わなかった。

キュピル
「・・・・・・・え、それだけか?」
ジェスター
「え?他に何かあるの?」
ルイ
「あ、そうだ。キュピルさん。ヴァンパイア。どうでした?翼消えてるみたいですけど」
ジェスター
「あ!!キュピルの手に凄い大金!!どうしたの、それ!?」




・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。


耐え難い怒りが久々にやってきた。



キュピル
「ふざけんじゃねぇっ!!」



全員ビクッと震えて止まった。
持っていた札束を地面に叩きつけて自分の部屋に入り
自分の装備をすべて持ってもう一度家から出た。


シーズン11 最終話に続く


最終話


三人ともしばらくすれば戻ってくると確信していたらしい。
しかし時は早くも一週間が経過している・・・。

この事に二人は討論していた。

ファン
「ルイさん!やはり僕からいわせれば霊術だとかドラキュラだとか
キュピルさんを巻き込みそれで頭に来て出て行ったんだと思いますよ!」
ルイ
「そ、そんな!幽霊刀の事件を境に私はキュピルさんに霊術に関する物は多少引きましたし
今回のドラキュラの件もキュピルさんが勝手になったんですよ!」
ファン
「勝手はないはずです!本人自体今回のことは予期せぬ出来事だと思っているはずです」
ルイ
「私だってそうですよ!ドラキュラになる魔法がキュピルさんに当たるとは私だって
予期していませんでしたよ!」

二人の喧嘩に隅っこでジェスターが怯えて震えてる。

ジェスター
「ねぇ・・。二人とも変だよ・・」

その一言に二人とも黙ってしまった。

ルイ
「変・・・って・・?」
ジェスター
「だって・・二人とも喧嘩ばっかりで・・。」
ルイ
「ジェスターさん・・。あまり言いたくはないのですがジェスターさんも
少し責任があると思います。普段からキュピルさんに八つ当たりを・・」
ジェスター
「聞きたくない!」


二人とも静かになった。


ジェスター
「責任の擦り付け合いなんて嫌だよ・・」

その一言に誰も続きを言う気力を失った。
ルイが震える声で

ルイ
「とりあえず、生活費などは心配しないでください・・。
私だって戦えるのでクエストショップの依頼ぐらいはすぐにこなせます」

でも誰も生活費については心配に思っていなかった・・・。



更に一週間が経過した。いまだにキュピルは帰ってこない。


ジェスター
「もうこれで二週間だね・・」
ルイ
「・・・そうですね・・」

ルイが食器を洗いながら答える。
そういえばファンも部屋にこもりっきりで全然見ない・・・。

ジェスター
「・・・・・・・」
ルイ
「キュピルさんは今どうしてるんでしょうかね・・」
ジェスター
「私少し予測がついてるよ・・」
ルイ
「え!?」


いきなりルイが大声をあげた。

ジェスター
「キュピルは多分放浪しているんだと思う」
ルイ
「放浪・・・ですか」

てっきり場所を知っているのかと思っていたらしく
アバウトな答えに少しがっくりしていた。

ジェスター
「そんなにがっくりしなくてもいいじゃん」
ルイ
「実は最近家事と仕事を両立させるのが難しくなってきたんですよ・・」

そういってルイがあくびをした。

ルイ
「思ったより大変・・。眠いです・・」
ジェスター
「うーん、それなら寝たらどう?」
ルイ
「とりあえず必要最低限の家事をやったらもう寝かせてもらいますね・・」

その時ファンが部屋から出てきた。

ジェスター
「あ、ファン。最近部屋にこもりっぱなしで全然見なかったけど何やってるの?」
ファン
「居なくなったキュピルさんを探すために再び特殊ワープ装置機を作ってます。
ですが、材料がどうしても足りなく試行錯誤しています・・」
ジェスター
「ワープ装置機!!」

何かと世話になっているワープ装置機。
これがあればすぐにでもキュピルの所へはいける。

ジェスター
「手伝うよ!何の材料が必要なの?」
ファン
「部品などのパーツは買えばいいのですが・・。
マナに強く反応するアイテム「魂のカケラ」は何処にもありません。」
ジェスター
「・・・魂のカケラ・・・?」

ジェスターがちんぷんかんぷんな顔をしている。

ルイ
「魂のカケラ・・って・・・。ドッペルゲンガーの森で人を殺したときに出てくるアイテムじゃないですか!!!」

ルイが思わずびっくりした顔をする。

ジェスター
「ひ、人殺し!?い、いや!絶対やらない!」

ジェスターがすぐに部屋に戻ろうとした。

ファン
「別に大げさに考える必要はありませんよ。
意識を失ってもこのアイテムは出てくるので誰かに協力してもらって気絶してもらえればいいです。
なので態々殺さなくても・・・」
ジェスター
「誰かを気絶・・?」

ジェスターがルイを見る

ルイ
「い、嫌ですよ!!痛い目にあいたくありません!」
ファン
「僕は勘弁してください・・」

すると今度は二人がジェスターを見た

ジェスター
「・・・ぺ、ペットを攻撃するなんて酷い!」
ルイ&ファン
「(いつも自分から率先してキュピルさんを攻撃してるのに・・・)」

結局誰がその役を背負うか決まらずに一夜明けてしまった・・・。



==翌日

朝、リビングに三人が集まった。

ジェスター
「ねぇねぇ!!私すごいいい案思いついた!」
ルイ
「何ですか?」


ジェスター
「マキシミンを図って倒す!」








ルイ
「そうしましょう!!」





ファン
「(女性って恨む時は本当にとことん恨みますね・・・)」
ジェスター
「あ、ファンが何か言いたそうな顔してる!」
ファン
「と、とんでもありません!」
ルイ
「とにかくどうやってマキシミンをドッペルゲンガーの森まで引き連れるか・・・ですよね」
ジェスター
「そうだね・・・」

ジェスターが机に突っ伏して考える。

ジェスター
「うーん・・・。食べ物で釣る〜・・・」
ルイ
「そんな古典的な方法で引っかからないと思いますが・・・」
ファン
「マキシミンさんはかなり食に飢えているとはいえ流石にそれは無理ですね」
ジェスター
「う〜ん・・・。イスピンさんに協力を求める〜・・」
ルイ
「腐っても仲間みたいですしそれは・・無理だと思いますけど・・」
ファン
「仕事にも影響を与えますしね」
ジェスター
「うーん・・・。うぅ〜ん・・・。」

気がついたら椅子から降りて床の上を寝そべるジェスター。

ジェスター
「マキシミンをお金で釣る〜・・・・」
ファン
「・・・・そうだ、仕事で釣りましょう」
ジェスター
「仕事?」

再び椅子に座るジェスター。


ファン
「S&Aの方に依頼としてマキシミンさん限定でドッペルゲンガーの森に来るよう頼みましょう。
ですが、それだけだと怪しまれるので『マキシミンさんとドッペルゲンガーの森で対戦したいんです』っと
嘘をついておびき寄せれば高確率でやってくると思います。
ついでに報酬も高くしておけば更に来る確立が高くなると思います。
どうせ罠を仕掛けて気絶させるので仕事は失敗となり払わずに済むはずです。」

ジェスター
「おぉー。結構黒い事考えつくね〜」
ルイ
「恐ろしいですね」
ファン
「お二人にだけ言われたくありません」

ジェスター
「え?今よく聞こえなかった。」
ファン
「忘れてください。さっそくやりましょう。僕とジェスターさんで先に罠を作りに行きますので
ルイさんは依頼をしに行ってください」
ルイ
「はい!」




==S&A

マキシミン
「うがぁ〜・・っと!」

マキシミンが背伸びしながらべクレールの元まで行く

べクレール
「相変わらず小汚い背伸びですね。もっと綺麗な背伸びとか出来ないんですか?」
マキシミン
「背伸びに綺麗も汚いもないだろ!!」
べクレール
「はいはい、うるさいですね。それより貴方限定に依頼が一つ届いていますよ」
マキシミン
「ん?俺限定にか?」
べクレール
「えぇ。報酬は500K」
マキシミン
「・・・・500Kだと・・?」

マキシミンの目つきが変わる。彼がここまで真面目になるのははっきり言って稀だ。

べクレール
「どうやら貴方とドッペルゲンガーの森で対戦をしたいそうです。
FCではない理由はレベル差があるからっと書いてありますが・・。」
マキシミン
「へっ、この俺限定に態々PKをしたいってねぇ。俺様も偉くなったものだ。クックック」
べクレール
「期限が今日のみとなっていますがどうしますか?破棄しますか?そうですか」

べクレールがごみ箱に捨てようとする。

マキシミン
「馬鹿!!破棄するとか一言も言ってねぇ!!やるに決まってるだろ!」
べクレール
「分かりました。手続きしておきますので早くドッペルゲンガーの森に行ってください」
マキシミン
「・・お前最近性格悪くなったな・・」
べクレール
「何か言いましたか?」
マキシミン
「いや、何でも?」

そう呟いてドッペルゲンガーの森に向かった。



==ドッペルゲンガーの森


ジェスター
「よいしょ!よいしょ!」

ジェスターがファンの作った罠を運んでいる。
指定された場所に罠を設置する

ジェスター
「ここに、この種を埋めて・・・。よし、出来たよ〜!」
ファン
「了解です。」

するとルイがやってきた。

ルイ
「もうすぐ来ると思います。罠の設置が出来ていたら近くの茂みに隠れて奇襲し
罠に陥れましょう」
ジェスター
「わーい、楽しみ!」
ルイ
「ブルーコーラルの恨み・・今ここで晴らさせてもらいますよ!!!」
ファン
「(本当に黒いですね、お二人とも・・・・)」


三人がそれぞれ別の場所に隠れた。
しばらくするとマキシミンがやってきた。

マキシミン
「・・・ん?どこにもいねぇぞ?」

頭を掻きながら辺りを見回す。
一瞬の隙を突いてジェスターが

ジェスター
「とりゃぁ〜!!」
マキシミン
「んぐあぁっ!!」

ジェスターが思いっきりマキシミンを突き飛ばした。
突き飛ばした方向に火の出る種を仕掛けていた。
地面から火が吹き出る

マキシミン
「熱!!、いかん、コートが!!」

コートに火が燃え移り服にも火が回り始めた。
すぐ近くに池があった。
その池に飛び込もうとした瞬間足元が抜けた。

マキシミン
「うぐわっ!!」

落とし穴に引っかかった瞬間ルイが現れた

ルイ
「ブルーコーラルの恨み!!今ここで晴らします!!」
マキシミン
「ギブアップだ!!」
ルイ
「知りません!!!」

そういって魔法の銃を連射した。
その時ばかりは流石のジェスターもファンも目を逸らした。
断末魔が落とし穴から聞こえた・・・。


=一分後

落とし穴には魂のカケラだけが残っていた。

ジェスター
「えーっと・・・。すっきりした?」
ルイ
「えぇ!」

凄い満面の笑顔で言うルイ。

ファン
「・・・とりあえずマキシミンさんはナルビクに戻っているはずです。
下手すると仕返しということですぐ戻ってくる可能性が否めないので回収してすぐ戻りましょう」

ルイが落とし穴に入る。手のひらサイズの魂のカケラを手に取る。

ルイ
「本当でしたら霊術の研究に使いたいのですが今は仕方ありませんね」
ファン
「今じゃなくても遠慮してもらいたいです・・」

ルイが魂のカケラをファンに投げ渡した。

ファン
「それではウィングで戻りましょう」

その時誰かが入ってきた

マキシミン
「待ちやがれこんちくしょう!!よくも俺をはめたな!!
その罪を償ってもらうぞ!!」
ジェスター
「ぎゃぁぁ!!マキシミンがもう来た!!!」
ファン
「逃げます!!」

ファンがウィングを使って逃げた。ルイも続いてウィングで逃走。
ジェスターもウィングで逃げようとした瞬間腕をマキシミンに掴まれた

ジェスター
「ぎゃ!!」
マキシミン
「もう逃がさねぇぞ!!」

マキシミンが剣をジェスターに向けて振り下ろそうとした瞬間
ジェスターがマキシミンに向けて頭突きを行った
突然の不意打ちに流石のマキシミンもびっくりしたらしくバランスを崩す

ジェスター
「私に触るなーーーー!!!!」
マキシミン
「うぐほっ!!」

ジェスターが持っていた鉄の棍棒でマキシミンを乱打する・・・。



==家

ファン
「ジェスターさんが・・・」
ルイ
「帰ってこない・・・」

捕まった・・?そう思った瞬間ジェスターが帰ってきた。

ジェスター
「もう一個魂のカケラ手に入れてきたよ!!!」
ファン
「・・・・・・・・・・」
ルイ
「・・・・・・・・・」


思わず二人とも黙ってしまったがすぐにワープ装置機の作業に取り掛かった。




==三日後


ファン
「出来ました!!」

前回作った特殊ワープ装置機と全く変わらない性能の物が出来上がった。

ファン
「操作方法は前回と全く同じです。」
ジェスター
「さっそくキュピルの元に行こうよ!!」
ファン
「すぐに入力します」


ファンが機械を操作しキュピルの元までワープするよう設定した。

ファン
「設定完了です。ジェスターさん。お願いします。」
ジェスター
「分かった!」

ジェスターがワープ装置機に乗りワープした。





==沼地


ワープした先は沼地だった。
湿気が凄い・・・。それに魔法が使えないジェスターでもこの周辺には
強いマナを感じることが出来た。

ジェスター
「キュピル〜?いるー!?」

ジェスターが叫ぶ。

キュピル
「・・・・ん、まさかその声は・・?」

後ろから声が聞こえた。キュピルがいた。

ジェスター
「キュピル!!」
キュピル
「何でここにジェスターが・・・?」
ジェスター
「ワープしてきたんだよ!!特殊ワープ装置機を使って!」
キュピル
「・・・まじか。あれまた作ったのか・・」
ジェスター
「ねぇ、帰ろう?皆心配してるよ?」

ジェスターがマジマジと見ながら言ってきた。

キュピル
「・・・・ごめんな、ジェスター。俺どうしてもまだ放浪を続けたいんだ」
ジェスター
「・・・・・・どうして?」
キュピル
「分からない。何かが足りないような気がして。その何かを放浪で探してるのかもしれない」
ジェスター
「じゃぁ、私も放浪一緒に行くー!」
キュピル
「・・・・一言先に言うとワガママは一切聞かないぞ?それに楽じゃないぞ」
ジェスター
「全然いいよ!なんか家がちょっと窮屈に感じられたから」
キュピル
「そうか。んじゃ一緒に放浪するか」


久々にキュピルが笑った。
考えてみたら二人でどこか放浪するのは久しぶりだった。

しかし、どうしてこんな場所にいてこんな強いマナを感じる事が出来たのかは
まだジェスターは知らない。


次シーズンに続く