第一話
僕の名前は知玖流位。読みにくいけど ちく るい っと読む。
女っぽい名前だけど列記とした男だ。
知という文字から知るっという意味に重なってか偶然にもいろんな事を考えたり知るのが趣味だ。
ちょうど僕たちは今高校一年生になり人生でいう青春の始まり(?)とでも言う年代にいる。
「おう、おはよ。知玖」
「うん。おはよう。北沢。今日も寒いな。」
「全くだ。だが俺は寒いのは嫌いじゃないぜ」
彼の名前は北沢琢磨(きたざわ たくま)
同級生でありもっとも仲のよい友達だ。
今僕たちは通学途中の電車にいる。
家から電車まで歩いて大体15分。朝のジョギング程度に軽く走りながら駅へと向かい
今偶然にもホームで北沢と出会った所だ。
「なぁ、明日の実行委員のミーティング。あれメンドクサクネ?」
なんといっても北沢はとにかくめんどくさがりや。
ミーティングという言葉を聴いただけで参加を拒むぐらいだ。
確かに色々とメンドクサイ事も多いけど・・。参加しないと後で大変なんだけどなぁ・・。
「ハハハ。確かにミーティングは少しメンドクサイよね」
実はミーティングは好きだ。なんせ先輩や面白い話など聞けるからだ。
でも北沢にとって別に面白くなさそうだ。
そんな、めんどくさがり屋の北沢が何故わざわざ実行委員になっているのかと言うと
アイツはそういった話を聞くのは嫌いなんだが今回の実行委員はとにかく力仕事になるらしい。
アイツはありえないぐらい筋肉馬鹿だ。とにかく肉体を鍛えるのが趣味らしい。
・・・あれは一種のマゾとも言えるだろう。そして一番喧嘩したくない相手だ。
そして実行委員になった理由は先輩にその話が耳に入ったらしく半ば無理やり勧誘されたと
言ったほうが正しいだろう。
『一応運動にもなるし仕方ない』っとの事で渋々参加したらしい。
余談なんだが俺がアイツと友達になった切欠は不良に襲われてる所を救ってくれた事が始まりだ。
あの時は本当にかっこよかった。その力をいい所に使うことも俺は感心した。
「大体さ!俺あの先輩嫌いなんだよなー!」
「あの先輩というと?」
「島崎先輩だ。アイツ」
堂々と先輩に呼び捨てで言える所がすごい。
本人の前でも言うからね。
しかし北沢が島崎先輩の事が嫌いだなんて初耳ではある。
「一体どうして?」
「俺さ。ああいう柄でチャラチャラしてる奴嫌いなんだよ。」
そんな事を離していたら電車が来た。
乗客たちが乗り降りして僕たちも電車の中に乗る。
乗り終えたら再び話しを続けた
「チャラチャラって・・・。そんな風に見えないんだけど・・」
「チャラチャラっつか・・。あーっと・・。」
ちなみにコイツは言語能力もあんまりない。
「とにかく!俺はアイツが嫌いなんだ!」
「ふーん・・。後さ。今電車の中なんだからもうちょっと声のボリューム下げようよ」
さっきから乗客たちにじろじろ見られててあんまりいい気分がしない。
「・・すまん。」
余談ではあるが島崎先輩ってのは三年である一番上の先輩だ。
先生からも支持を得ていて実行委員のリーダーでもある。
そして尚且つモテテル。
「あー、わかった。北沢。島崎先輩にやきもち焼いてるんだろ?」
「・・・。おっと、果たし状なら受け付けるぞ」
「悪かった。僕が悪かったよ」
その様子からすると図星に近いだろう。
「まぁまぁ。隠さなくてもいいって」
「・・・ったく。まぁ、確かに少しやきもち焼いてるけどさ・・・。
ただ、ちょっと気に食わないんだ。あいつ。男女のどっちに友のウェイトを置いてるかって思うと
五段階で 男ーーーーー○女 の位置にいると思わないか?」
「うーん・・。僕としては 男ーーー○ー女 だと思うんだけどなぁー・・」
でも確かに少々ナンパ好きってのは否めないかもしれない。
そんなこんなの話をしていたら学校のある駅に到着した。
さて、ここで困るのは北沢が真っ先に走り出し学校までトップスピードで走ることだ。
もちろん改札出るまでは早歩きなのだが学校まで短距離走だと思って走って体力を
つけるとか言っている。
僕は正直運動はあんまり出来ないほうなのでゆっくり付いてってる。
「ぜぇーぜぇー・・」
「おう、知玖。遅かったな」
「君が速いだけだよ・・・」
ありえないぐらい速い。
「ハハハ、マジで受けるな」
「だって!だって!」
・・・。あー。まずい。この声はまさしく彼だ。
「ちっ。またいやがるぜ」
「落ち着け」
さっき笑ってたのが島崎先輩だ。お世辞にもイケメンとは言えないが
人を引きつける言語能力を持っている。
今も島崎先輩は女子に三人グループの中に入って話しをしている。
「・・・・・」
北沢が黙る。まぁ無理もないな・・。あの中に星野真由っていう北沢の幼馴染の女性がいる。
誰が見ても大抵わかるが本当に焼もち焼いているのだろう。
「ん、時間がギリギリなだけあって本読む次官がないな・・」
「ちっ、素振りも出来ないのか」
一応北沢は剣道部。残念ながら僕は何も所属していない。
家に帰って部品いじくってるのが好きだ。
昔風に言うと「帰宅部」だ
「なぁ、星野、星野。おまえ本当なんか魅力的だよな」
「え、ほんと?」
・・・・まずい。北沢が怒りゲージが上がっていく。
だが北沢も北沢なんだよな・・。好きなら好きって早く言えばいいのに。
黙ってても進展はないんだぞ・・。
だが聞いて聞かぬふりなのか。見てて少しイライラする。
でもなんだか少し可哀想だ。僕から見ると同時に告白してもあれは絶対に島崎先輩の方に
撮られてしまうだろう・・。
そんな事を思っていたらチャイムが鳴った
「よーし、ホームルームを始めるぞー」
ありえないぐらい時間に厳しい先生のお出まし。
実質この先生の名前は覚えていない。
なので僕は時間に厳しいことからタイム先生と呼んでいる。
「ごーら、じまざぎぃぃー。おまえクラスに戻れー!」
すかさずタイム先生の突っ込み。
「え、あぁ。もうこんな時間か。んじゃ、またな。ハニー」
またいかにも古臭そうな言葉を・・。
でもこの一言がまた北沢の苦しさが上がる
ホームルームが終わり早速泣きついてきた
「あー、もう俺運がねええ!」
「う〜ん・・。運って・・。一体何がなんだ・・?」
「だってよ!そのなんだ・・。全部だ!!全部!!!」
「また曖昧な・・。まぁお前が真由のことが好きなのはよ〜く分かったけどね」
「・・・。果たし状なら受け付けるぞ」
「本日二回目・・。いや、その結構もう皆知ってるよ?」
「・・・コンニャロ!!」
「わー!タイムタイム!!」
思わず逃げる。
ドタバタ走って机にガンガンぶつかってあっというまに机の配列がバラバラに
「・・・おーい。お前等。二人。ちゃんと戻せよ」
「・・・は〜い・・」
タイム先生の突っ込み。
仕方ない。授業も始まるし一旦切りやめよう
キーンコーンカーンコーン
今の時代。そっくりそのまま昔のベルみたいなチャイムを鳴らす。
この時代「きーんこ(ry)」があるのかどうか言われると微妙としか言えないが
少なくとも昼ごはんの時間なのは確かだ。
そして学校の日常の中でさり気なく昼ごはんが三番目ぐらいの楽しみでもある。
「おい知玖。打ち明けるけどさ。確かに俺真由の事好きだよ」
「っぶ」
いきなり北沢の先制攻撃に飲んでたお茶を吹き出した
「うわ、きたね」
「イキナリ凄いこと言うからだよ」
「とにかく聞いてくれ。どうやればあの島崎先輩に勝てると思う?」
うーん・・。難しい話だ・・。
今もクラス違うくせにわざわざ弁当まで持ってきて話しに参加している。
あ、しかも今お互いの弁当一回交換しやがった。
「・・・強敵だぞ?知玖」
「承知だ。」
やれやれ、一体何にそんなこだわっているのか分からない・・・。
「とりあえず知的な知玖に聞きたい。どうすればいい?」
「恋愛苦手な僕に聞かないでくれよ・・」
「頼む。そこをなんとか」
「難しいなぁー・・。とりあえずまずは久々に話しかけたらどう?」
「話しかける?」
北沢が前のめりになって話しを聞き出す
「うん。まずはお互い世間話から始めてみるといいよ。君らしく『よっ、元気か』みたいに」
「・・・何も用事がないのに『元気か?』だなんて言えるかよ・・。こんちくしょう」
「悩める少年だねー。青春青春」
「・・・果たし状なら受け付けるぞ?」
「わーー!もう三回目は勘弁!!」
でも流石に襲ってこなかった。
「はぁ・・。どうすりゃいいんだろうか・・」
ため息つく北沢に質問をぶつける
「ところで北沢。真由のどこに惚れたんだ?」
「・・・惚れたっつうよりも俺は真由の性格とかが好きなんだよ」
「・・・ふーん・・」
真由の性格・・か・・。正直北沢と知り合ったのが高校に入ってからなので
正直全然過去のことは知らない。
でもあの様子からすると小学校〜中学辺りまでは親密な関係だったんじゃないかと思う。
そこに思わぬ敵。島崎先輩ってことらしい。
一応僕が見た感じ真由の性格は何か大人しそうな感じで分かりやすく言えば北沢の反対の性格って感じだ。
あいつの好みか何かは知らない。
キーンコーンカーンコーン
「え!?チャイム早くね!?」
「あ、大変・・。まだ食べてない・・」
例の二人の会話の声が大きくなった。
島崎先輩の発言の旅に北沢が少し反応を示す。
「・・・。気になるのも分かるけど急いで授業の準備しよ」
「かったるいなぁー・・」
最後の六時限目が終わりホームルームに入る時のことだった。
授業が終わり教材を持って元の教室へと移動していたら
偶然にもまた真由さんと島崎先輩を見つけた。
その時何か紙みたいなのを手渡していた。
・・む、直感からして・・
そのことを北沢に話した瞬間絶叫
「ァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
「お、落ち着いて・・。」
恋の敵だよなー・・・。
つか、ホームルーム始まる間でさえ島崎先輩来てるし。
ちょっとこれは僕でも少し気に食わない・・・。
もうちょっと規律を守って欲しい。
その後タイム先生が再び現れいつもの突っ込みを当てて普通にホームルームが終わった。
帰りは一人で帰っている。北沢は剣道部なので今頃防具をつけ練習でもしているだろう。
なので帰りは常に、絶対にひとり。いや、部活が休みの時は一緒だ。
帰りの電車の中。ふと目についた。
偶然にも目の前に島崎先輩がいる。一人だ。
「あ、島崎先輩。奇遇ですね」
「お、知玖じゃーん。北沢は?」
「彼は剣道部です。」
「そうかそうか。」
「ところで真由さんは?いつも一緒にいるイメージがあったので」
「ん、あぁ。彼女もね。部活があるからさ」
・・・。これはいい情報を手に入れたかもしれん。
さっそく後でメールするとしよう。今日なら島崎先輩いないから話題切り出すチャンスだぞっと。
しかし彼もまだ純粋だよな。子供みたいで。
「ところで知玖。おまえ特技なんだっけ?」
「え?あぁ。えーっと・・。・・・自分で言うのもあれですが特にないです」
「特技がない?嘘ダー。本当は何かあるんじゃねーのか?」
「うーん・・。しいて言えば本を読んだり歴史を知ったりですかね。」
「結構渋いね。」
「はい(自分で言うな)」
「三国志なら俺も知ってるよ」
「三国志は歴史の入門ですね。あれは基本的に覚えやすいので」
「歴史の話題になった瞬間ハキハキとしゃべるようになったな。知玖」
・・・突っ込まれてしまった。
「んじゃさ。上級者の歴史って何なのよ?」
「イギリス辺りですね。向こうは結構複雑なので。戦争とかの影響でもあって」
「俺歴史全然だめだからなー」
正直なぜか話してて普通に楽しい。なんともないのに楽しい。
常に笑顔で話しかけてきて当たり障りのない発言で話を盛り上げるのも得意。
「あ、明日の実行委員のミーティング。忘れずに来いよ」
「僕が忘れるわけないじゃないですか。先輩」
「ははは、そうだったな。お前はルールは絶対に守る人間だからな」
・・なんとなく島崎先輩の秘密が分かったきがした。
「おっと、停車駅だ。んじゃ俺はここでな。またな」
「お疲れ様です」
別れの挨拶をするとそのまま電車は発車していった。
中編に続く
第二話
「えー、なわけで。今回の行う競技大会は『ザ・サバイバル雪合戦』とします」
学校行事のミーティングをしているところだ。
今話し合っていたのは1月の中旬辺りに毎年生徒たちが開く
体会があるのだがそれを何にするかで話し合っていた。
中学の時もそういえばこういうのあったなぁっと考えていたが
やはりそこは高校。ルールが違う。しかも本当にサバイバル。
ルールは少々複雑だ。お互いの陣地を作り雪を投げて当たったらOUTってのは普通なんだが
何故サバイバルっという名前がついているのか。
ここが大変。準備も含めて。
戦場となる雪全てをかき集めてお互いの陣地に纏めるのだ(よくこんな案が通ったな
ルールは雪玉を持てるだけ持って可能。
ただし使い切ったら自分の陣地に戻り雪玉を補給する必要がある。
勿論投げ合ったら雪が地面に散らばるのだがここは良心に任せるとか。
雪玉が無くなったら陣地に逃げる必要があり雪玉を補充する必要がある。
この辺りがサバイバルらしい。
「少々ルールが複雑だが今回は学校設立20年目とだけあって盛り上げていきたい。
今参加している全員。このルールだけはしっかり覚えておいてほしい」
「・・・だっとさ。北沢。・・・む?北沢?」
「なんだよ・・。眠いんだ・・俺は・・」
・・・寝るな!!
「お〜い、ルール覚えておかないと大変だよ・・」
「後でお前に聞く・・」
え!?俺!?
「以上!解散!」
「あー、疲れた」
解散っと聞いた瞬間起きるな。北沢。しかもお前疲れてないだろ。
「よし、さっさと帰ろう。今日は土曜日だしな」
「この後どっか行くの?」
「んー・・。俺は特に。」
「なんだ。」
「なんだとはなんだ」
「なんだとはなんだって意味で別になんだってない」
「あーこんがるなぁ・・。帰るぞー」
帰り支度早。
「ちょっとまってくれよ」
「しょうがないなぁ・・」
荷物を纏めながらある話題を出す
「ところで昨日のメールは見た?」
「ん、・・・おっと、メール来てたのか。見てない」
・・・チャンス崩落
「どれどれ・・。・・・き、キサマァァァアアア!!」
「え!?何で怒る!?」
「からかってるのかああああ」
「タイム!!ストップ!!ミニストップでもいい!!」
慌ててカバンをしょって走る
なんで追いかけられないといけない!?
「んおりゃあ!俺の足から逃げれると思うなー!」
「がはっ!」
やばい、生命の危機。
「・・ったく。とりあえず気づかなかった俺も俺だしな・」
「え、何?からかわれたと思って攻撃したんじゃなくて気づかなかったから腹いせで攻撃したの?」
「そんなところだ」
「・・・」
恐ろしい奴だ・・。
「んむ。腹も減ってきた。戻ろう」
「気がコロコロ変わるなぁ・・」
でも腹減った事に関しては同じだから戻ろう。
時は立って年が明けた。
「ん〜・・。めでたく年明けたけど冬休みって暇になるなぁー・・」
実質家に近い人はあんまり居なく誰かと遊ぶっていうこともあまりなかったため
結構暇を持て余している。
適当にダラダラしてたら1月4日になってしまった。
そんな時一通のメールが。
「ん・・。誰かだらだろう?」
思い腰を上げて携帯を取りに行く。
送り主は北沢からだ。珍しい。
『俺今年初詣行くの忘れてたから一緒に来てクレね?一人じゃつまらんし』
・・・えー・・。もう四日だぞ・・。
でも暇していたところだし文句はない。
適当に返事してOKサインを出す。
・・・。2分ぐらいしたらメールが戻ってきた。
『わかった。んじゃ・・。日枝神社に集合でな』
そう書かれてあった。
日枝神社・・。ここから大体20分か。
多分北沢も大体そのぐらいだろう。コートを着て財布を持って出発した。
玄関を出ると寒気に包まれる。
「さ、寒いなぁ・・。」
今日は雪も降っている。
コタツに入りたい・・。
日枝神社に向かってる途中氷で張ってる水溜りを発見した。
そういえば小さい頃こういった氷の板を踏んで『バキッ』って鳴らすのが好きだった。
久々に踏んでみるか。
ズルッ
うげ!!
「おぉ。知玖。わるい。遅れた・・・って一体何があったんだ?」
「・・頭痛いだけだ・・」
しきりにズキズキする後頭部を抑えている。あぁ・・。前がクラクラする・・。
「まぁ、何があったか分からないが・・。天運武運してくる」
「違うだろ。それ。お参りって言おうよ」
「かっこよく言ってみただけだ」
「響きはいいけどそれ全然意味違ってくる!」
「・・い、いらだってるな・・」
「ここに来るまでに災難があって・・」
もう氷は踏まない。絶対に。
「っとよ。」
北沢が500円放り込む。
あのケチな北沢が無駄に500円も放り込むとは珍しい。
「なぜそんなにも大金を?」
「清算って感じだよ」
「清算?」
「まぁ俺が小さい時いろいろあってな」
「ふ〜ん・・」
気になるな。
しかし流石1月4日だけあってあんまり人がいない。
神社は正直言って初詣とお祭り以外人が集まる事は全くない。
既に元旦から四日も経っている。人が少ないのも無理はない。
「ちょいオミクジ引いてくる。」
「あ、今年まだ僕も引いてない」
おみくじ置いてある場所まで来て北沢が口を開いた。
「毎回思うんだが知玖はたまに自分のことを言う時変わるよな」
「え?どういうこと?」
「ほら。たまに『僕』って言ったり『俺』って言ったりするじゃん。結局どっちなんだ?」
「んー・・。両方・・」
「・・・まぁ、いいか。お先に引かせてもらうぞ」
北沢がオミクジの中に手を突っ込む。
・・・っておい!先に金入れろ!!
もちろん引いてからお金入れてたが
「そいじゃ僕も」
100円入れて一番底にある奴を開いた。
「・・・凶・・・」
「俺も凶だ・・・」
・・今年は二人とも凶か・・。
「やっぱ仲間だね」
「いらん関係だなぁ・・」
内容を確認して何が書いてあるのか見ていたら不吉なものが・・・・
病気 例のない症状に警戒せよ
「ぐは・・。なんかとても不吉で不明な事が書かれている・・」
「俺なんか見てみろ」
学問 大いに努力すべき
「それは今に始まったことじゃないね」
「なんだと」
二人共笑う。
「あれ、北沢?」
『「む?」』
二人して む と言う。
驚いたことに話しかけてきたのは星野真由だ。
「あれ、星野さん。一体なぜここに?」
「もしかして今初詣?」
質問を質問で返された・・・。
「え、いや。僕じゃなくて北沢が」
「俺!?」
いや、事実だろ!
「ま、まぁな。ちょっと家の事情で遅れて」
嘘付け!!
「星野さんも今初詣に?」
「違うよ」
「え?では一体なぜに・・。しかも何かスコップ持ってるし。」
「ちょっと雪下ろしをね。ここが私の家だからね」
「・・・・・」
「『ええええええぇぇぇぇ!!?』」
「って、なんで北沢まで驚いてるんだ!!?知らなかったのか!?」
「あったりまえだ!」
その時イキナリ肩掴まれて小さな声で北沢に話しかけられた
「俺昔ここの賽銭箱ひっくり返した事があるんだよ!!」
「・・おまえ相当悪だな・・」
確かにこれ知られたら終わりだな
「それよりちょうどいい所だったね。雪下ろし手伝ってよ」
「いいでs・・ゴフ」
「おう!任せろ」
押された・・・。
まぁ、ここは北沢の流れに任せよう。
「助かるよ。今おじいちゃん腰痛んでいたし」
「あれ、酷な事聞くかもしれないけど両親は・・?」
「幼い時に」
うわー。これはお決まりパターンですか。
「北沢。知ってたのか?」
コソコソト話す。
「知らなかった」
・・・失格!!
「似ているものだな・・。俺も両親いないし」
「いや、お前は単純に家出ただk・・」
「おっと、それ以上の口出しは・」
「むごむご(すいませんでした)」
バサッと雪が落ちる音しかしない。
「ふぅー!やれやれ。こっちの屋根全部落としたよ。北沢ー。どうだー?」
「まだまだ終わっていないが疲れてはいない。」
ばっさばっさ雪を落とす。まぁ範囲も広いしな。
学校の行事でもこのぐらい働いてもらえればいいんだけどなぁ。
「ほんと助かるよ」
星野は下に落ちた雪をかき集めている。
「あー、疲れた・・。悪い・・。ちょっと休憩するよ」
「体力ないな。知玖」
今の北沢はまさに凄まじい働きをしている。
っとその時だった。
「お〜。なんかお二人さん働いてるねー」
「げ・・。この声・・」
思わず声を漏らした。声のする方に目を向けるとそこには島崎先輩がいた。
「あ、島崎先輩」
星野が言う。
「うわっ、なんだ?俺のところばっかりに雪が・・」
「ちょ、ちょっと!北沢・・。いくらなんでもそりゃまずいだろ」
「構うもんか」
こいつ嫌な奴にはトコトン地味に攻撃するタイプだからなぁ・・
「ところで島崎先輩今日は何しに来たんですか?」
星野が尋ねる。
「今日の二時からカラオケがあるから招待状をね。」
北沢が屋根から屋根へジャンプして俺のところに来た。
「なんで島崎が真由の家知ってるんだ」
「ぼ、僕に聞かれても困るよ」
恋敵だなぁー・・。
「あ、でも今二人が手伝ってくれてるし・・」
「知玖と北沢ー。お前等は大丈夫だよなー?」
「あん?」
やばい。北沢怒りそう。
「ぼ、僕は大丈夫です。北沢はちょっとあれみたいですけど・・・」
「ま、期待してまってるね。真由ちゃん」
あー・・。北沢が見る見る雪を溶かしていく・・。
「かあああ!!こんちくしょうー」
幸いにも今星野さんは中で何か取りに行ってるらしく北沢の声は聞こえない。
「北沢も大変だなぁ」
「知玖。お前もさっさと屋根の雪全て下ろせ」
「い、いや、本当にこれ雪の量多くて今日一日じゃとても・・」
神社がデカイし神社そのものが家ってわけではなく近くに当然ながら和風っぽい住まいがある。
そこが星野の家なので当然そこもやることに。
一時半ぐらいになったときだった。普通に星野さんが出てきた。スコップ持って
「あれ、星野さんカラオケ行かないんですか?」
「うん。ちょっと流石に二人を置いてカラオケ行くこと出来ないからね」
「くっー・・!!感動した・・!!」
「北沢は本当に単純だな・・。」
絶対北沢の精神年齢は中学生。
「それより二人とも休憩したらどう?もう大丈夫だよ。」
「うん。そうしよう。疲れたよ」
「ふー・・。そうだな。一旦この辺りで引き上げるか」
ようやく思いスコップを手放すことができた。
その後は普通に家に帰って真っ先にベットに転がった。
「あー・・。辛かったー・・」
初詣が何か知らないけど雪下ろしになっていたし。
明日絶対筋肉痛になってるよ・・。
足が重かったが北沢は軽そうだったな。
・・よくあの神社の賽銭箱ひっくり返しておいて平穏で居られるなぁ・・。
バチ当たるぞ。
とりあえず風邪でも引かないようにしないとね。
その夜。北沢からメールが来た。
題名はいつも無題なんだが珍しく題名が書かれていた
『緊急自体発生』
・・・え!?何が起きた!?
慌ててメールを開くとそこにはこんな事が書かれていた。
『おい、知玖!大変だ!夜の繁華街を歩いて何かないか見てたら
島崎がいたんだ。しかもヤクザ共とかチンピラも絡んでいた。
てっきり襲われているのかと思ったらあいつ。ヤクザ共に命令してた。
あいつヤクザと絡んでいたぞ!!』
これは速攻でメールを打ち返す必要があった。
『なぜ北沢が繁華街を歩いていたのかはともかくそれは本当なのか!?』
すぐに返信が来た
『間違いない。この目で!視力2.0のこの目で見た!
あいつヤクザと絡んでいたってことは・・・。
何かやばいことに手出してるんじゃないのか・・?』
メールだと限界があるので電話をした
「もしもし、北沢?」
「お、おう・・。知玖」
いつになく北沢がびびっている。
確かにアイツ喧嘩事は好きみたいだけど相手が相手らしく
流石の北沢も少しビビッテいるらしい。
「とりあえず北沢。何もするなよ。触らぬ神にはたたりなしだ。」
「わかった。それでどうする?」
「今は・・なんとも言えない・・。島崎先輩がヤクザに絡んでるように思えない・・」
「ショックなのは分かるが受け止めろ」
「慰めになってないな」
それはともかく・・。
「島崎先輩の様子は?」
「何か激しく怒ってるぜ。カラオケがどうだこうだ。」
「・・星野さんのことじゃないの?」
「・・・まずい展開か?」
「多分まずい展開・・」
「・・・こりゃ今日一日中張り付く必要ありか」
「お、おい。危険だぞ!?」
だが、こうなるともう北沢は止まらない。
「へっ、俺に危険なんざないさ」
そして登校日になった。
第3話に続く
第3話
「ねみぃ・・」
「昨日何時に寝たの?」
いつも通り学校で北沢と話す
「あの後俺がずっと張り込んでたのは知ってるだろ?」
「うん。昨日の事だから鮮明に覚えているよ。どうだったの?」
「別に。何にもなかったよ。建物中で何か話し合って適当に終わった。」
「そっか。それならいいんだけど・・」
その時島崎先輩が入ってきた。
「なぁなぁ。星野さん。昨日なんでカラオケ来なかったの?」
おっと、イキナリこの話題?
「え?だって北沢さんと知玖さんが手伝ってくれてたから流石にそれを無視して
行くのはどうかと・・って思って・・」
「いい奴だなぁー・・」(北沢
「なんでそこでお前がジーンとするんだ。」(知玖
最近北沢のボケ率が上がってきている。
「別に不良の北沢なんか一緒にいる事ないじゃん」
「あ?」
あ、まずい。北沢が反応した。
「誰が不良だって?」
「ほら、不良じゃん?」
「てm・・」
すかさず俺が
「北沢ー。ほら、話の続き話そうよ。それで何だっけ?えーっと・・。
そうだったそうだった。ティガレックス四体いるクエスト作ったんだっけ?」
適当に作った言葉がこれしかでなかった。
「・・・あぁ、わかったよ」
あぁ、ありがたい。言ってる意味を理解してくれたようだ。
「いっその事ティガレックスとやらに食われちまえ。」
・・・え?今島崎先輩が言った?
「・・・聞き捨てならねぇなぁ・・あ?」
あー・・。もう本当に島崎先輩もいらついてきてるなぁ・・。
「こらー。お前等何やってんだー」
タイム先生登場。
ナイス!タイム先生!
いい加減に名前覚えておきたいが名前が難しくて覚えられない。
「・・・ちっ」(北沢
北沢が諦めて席に戻る。
一応チャイムは鳴ってないのでタイム先生が来たのは正直いって奇跡。
島崎先輩も自分のクラスに戻っていった。
「・・んで、知玖。そのティガレックスって何だ?」
「あるゲームの敵。でも北沢がその意味理解してくれたみたいだから特に意味ないよ」
「まぁな。一応我慢も必要だなっと」
いつもそうしてくれると本当に助かる。
本当のチャイムが鳴り授業が始まる時だった。
毎回休み時間も島崎先輩が時間が許す限り星野さんと一緒にいることが多かったのだが
今回は星野さんの方から島崎先輩を避けていた。
昼に入ってもずっと避けっぱなしだった。
「へっへっへ。お待ちかねの昼飯だぜ」
「今日はやけに嬉しそうだね」
妙に北沢がハイテンションだ。
「うむ。今日は奮発して学食弁当の中で最高級。ウナギ弁当を頼んだのだ!!」
「ウナギ!?」
知玖がウナギ!?っと叫んだ瞬間周りの人も集まってきた
「え!?何!?あの北沢がウナギ弁当を頼んだ!?」
「これは一大事件だな」
「今日熱ある?」(知玖
「だぁー!!何だ!?あげねぇぞ!?正常だぞ!?」
北沢が追い返す。
ちなみにだがウナギ弁当のお値段は3600円。ボリュームたっぷりの最高級弁当。
冬だから尚更高い。一日の弁当に使う値段とは到底思えない。
しかも結構ケチな北沢が頼んだのだから尚更すごい。
「何で今日ウナギ弁当買ったの?」
気になって尋ねてみた
「昨日張り付いてたら道端で5000円拾ったから」
「・・・はい、北沢のウナギ弁当ボッシュート。」
チャラッチャラッチャララララ っと口ずさみながら弁当を引っ張った。
「なっ!返せ!このやろ!」
「うわ、押すな!!落とs・・」
ガシャーン
「・・・・」
(絶句)
「・・・・」
な ん て こ っ た い
ウナギ弁当が床に落ちて食べれない物に。
「ご、ごめ・・」
北沢が怒りに体を震わせている・・・!
これは逃げないと命はない。
「僕の弁当あげるからお助け!!」
「許さん!!待て!!」
こうして五分ほど追い掛け回されてしまった。
「捕まえたぞこのやろ・・!」
「た、助けてーー!!」
本気で助けを求めてしまう。
北沢の最強必殺技と言えば・・・!!
「首絞めええええ!!」
「うぎえぇぇええ!!」
一瞬だけなのだが人とは思えないすごい力で一瞬で首を絞める。
その後離してくれるのだがこれが猛烈に咳き込む。
「うげほっ!!」
「よし、これぐらいにしてやろう」
「がはっ、ごほっ・・」
しばらくは喋れない・・・。
「北沢いる?」
星野さんがわざわざ北沢と知玖がいる机まで来た。
「ん?何だ?」(北沢
「・・・・」(知玖
完璧にまだ首が痛いし昇天中。
「弁当落としたみたいだけど分けてあげようか?あの雪かきの件のお礼として。
あの時きちんとしたお礼できなかったからね」
「おぉ!!ありがたい!!」
「よか・・った・・ね・・・ぐふ」
「南無」(北沢
南無って・・。お前がやったんだろうが!!
その時放送が掛かった。
「今日の放課後。再びミーティングを行います。実行委員の方は忘れずに集合を」
「は?またかよ・・。めんどいなぁ・・」
北沢が不満を漏らす。
まぁ、無理やり参加させられている北沢だからな。不満をこぼすのも無理ない。
「まぁ・・。早く終わるよ・・。きっと」
ようやく立て直せた。
「ま、頑張るか。いいこともあったしな」
「北沢は単純でいいよね」
「・・・ん?首絞めもう一回注文?」
「もう勘弁してくれ!!」
その後チャイムがなり授業になった。
今最後の授業を受けている最中だ。
今日ラストの授業は数学なのだが北沢は数学に関しては全く興味を持っておらず
すぐ夢の世界へ旅立つときが多い。
幸いにも席は後ろなので気づかれることは少ない。
むしろ気づかれても影響を受けにくい。
「zzz・・」
「また夢の世界に・・・」
キーンコーンカーンコーン
あぁ、終わった!ようやく今日の授業全て終わった。
長い間休みだったからどっと疲れが溜まった。
そして授業が終わった瞬間元気になる北沢。
「お、元気になったね。北沢」
「おうよ。授業も全て終わって今日はもうここにいる必要ないからな!!」
「・・・へぇー・・。でも元気ってことだよね?」
「うむ。バリバリ元気になったが何だ?」
「今日この後ミーティングだよ」
「・・・疲れたー・・・」
「嘘つけ!!」
でもやっぱり北沢らしいな。
北沢の性格は嫌いじゃない。面白いからね。
「えーっと、んじゃミーティングに出席している人読み上げるぞー」
司会は毎回三年の先輩が行っているのだが特にかかわりが無いため名前は覚えていない。
一人一人いるかいないか確認するため読み上げているのだが・・。
「島崎。・・・ん?おーい。島崎ー。」
島崎先輩がいないらしい。
「ん、島崎がどこにいるか分かる奴いるか?」
「あ・・。なんかボウリングに行ったみたいですよ」
「・・・は?」
三年の先輩が呆れた顔をしている。
「あいつまたかよ・・・。」
実は言うと島崎先輩はいく度か重要な時に限ってサボったりすることが多い。
そのためか一部の後輩からは信頼を寄せていても
先輩、同級生からは反感を買っていることが多いそうだ。
一応僕はその中でも珍しい信頼を寄せている人物。
北沢にとって邪魔としか見ていないみたいだけど・・。
「やれやれ、怠け者の島崎は置いといて次。北沢」
「zzz・・・」
「ゴルァー!寝るなー!」
「んあ?」
「起きたか。まぁ欠席してるよりはましか」
「んじゃおやすみ・・」
「コラアアアアアア!!起きろーーー!!」(知玖
ミーティングの内容は前回話し合った内容をどうするかとかの程度で
あっさりと終わった。10分ぐらいだった。
「さて、んじゃ帰るか」
校舎を出て帰り道のことだ。
「毎回思うんだけど北沢って帰る時だけ元気になるけど家で何かやりたい事あるの?」
これは結構前から思っていたことだ。
「いや別に?」
「んじゃ何で?」
「家じゃないが外ならあるぞ」
「・・・」
そういうことですか。はい。
「それにしても今日も寒いなぁ・・」
「此処のところ雪が降り続いてるからね。風邪引かないようにしないと・・」
「よく昔から馬鹿は風邪引かないって言うがあれは迷信だな」
「そりゃそうでしょ・・。」
「・・・なんとなく今俺が馬鹿だと言われた気がしたぞ」
「気のせいだよ。きっと」
「そうか?」
「うん」
何とかやり過ごせた・・。
「こんなに寒いと外にさえ出たくないな」
「出なければ大丈夫」
「ツマラン事言うなよ。しらけるぜ」
「ってか遊びに出かけてる時何かやりたいことでも?」
「単純に昔仲間とかいるからさ。」
「へぇー・・」
あんまりいい人じゃなさそうだが・・。
後は普通に雑談したりと適当な感じに受け流した。
なんか頭がフラフラするし寒気がする。
ぼーっとするしクシャミも止まらない。
・・・普通に風邪引いた気がする。
「ん、どうした。風邪引いたのか?」
父親(知玖・和【かず】)が尋ねる
「うん・・。ちょっと風邪ひいたっぽい」
「そうか。此処のところ寒い日が続いたからな。無理するなよ」
父親は結構優しくて常に自分の事を気にかけてくれる。
「でもそろそろ期末しけんじゃないの?」
・・・対照に母親(知玖・京子)は妙に成績とか評価を気にする。
体調とか二の次に言い出すことが多い。
正直たまにイライラする。
「京子。そう言うな。流位だって風邪引く。」
やっぱり父親は優しい。
翌日になったのだが案の定風邪を引いた。
しかもこの世の物とは思えない大風邪。
実はこれ新型インフルエンザじゃないのか?って思うぐらい苦しい。
天上がグルグル回るし汗も止まらない。
熱を測ったら40度もある。
こんな酷い風邪引いたのは人生の中で初めてだ。
「流位ー。大丈夫・・?」
流石の母親も心配してくれてるようだが返事する余裕がない。
食事もマトモに取れず延々と風邪にうなされた。
昼頃になったとき携帯の着信音が鳴り響いた。
もちろん酷い風邪を引いてるわけで携帯を手に取る事もなかった。
・・・・が、しかしうるさい。しかも電話だ。
放置を心がけてたんだが二分ほど経ったのにまだ電話の音が止まらない。
いい加減うるさくなったので重すぎる体を起こして携帯を手に取った。
「・・もしもし・・」
「おう、知玖。辛そうだな」
「・・・北沢・・・。状況を察してくれ・・・」
「悪かった。どうしても伝えたい情報があってな」
「短めに頼む・・」
あー、寝たい。苦しすぎる
てかメールにしてくれ
「島崎がものっそいイライラしてたらしく校内の器物破壊しちまったぞ」
「ぶ」
風邪引いてても流石にその情報を聞いた瞬間思わず上体を起こしてしまった。
「え?一体何があったの?」
「俺も知らん。ただ何か相当イライラしてたらしく窓割っちまったよ。
フハハハ、なんか見てるこっちがすっきりしたぜ」
一体また何があったんだろうか。
最近の島崎先輩は様子が変だ。変になってきたのは・・。
ちょうどカラオケの誘いを断った辺り?
・・・あぁ、また単純な話だ・・。
「・・・おーい?知玖?コメントはないのか?」
「・・・だるい・・」
「・・・寝ろ」
「お前が起こしたんだろうがぁあああ」
「悪かった悪かった。まぁ最近の島崎は荒れてて先生も戸惑ってるらしい。
おまえ結構島崎と一緒にいるから伝えたいと思ってな」
一つ気になったことがある
「・・・今日の北沢・・元気だね・・」
「ん?あぁ。嫌いな奴が何か大失敗するのを見ると気分がいい」
「・・・ですか。んじゃ切るよ・・」
「あいよ。んじゃまたな」
電話を切る。
その瞬間体にどっと疲れが溜まった。
寝よう・・。ずっと寝たい・・。
・・・。
・・・・・・・・。
「うわっ!!」
なんか寝てたらいきなり眩し過ぎる閃光が襲った。
なんだ?太陽が目の前に光臨した?
目を開けたら余計まぶしい。
目を閉じててもまぶしい。
「タ、タスケテクレー・・・」
誰か悪ふざけでもしてるのか?
そう思って辛うじてこう言った
「悪ふざけもいい加減にしろ・・」
・・・返事なし。酷いふざけっぷりだ。
さては北沢か!?
・・・が、そんな強い閃光を放つランプなんてそうそうないし
流石の北沢もやらないだろう。
んじゃこれはなんだ?
考えていても眩しすぎてつらい。
目を閉じてても眩しいってのがすごく辛い。
そのまま耐える事一分ぐらいした時暗くなった。
はぁ・・。ようやくふざけるのもやめてくれたか。
目を開ける。
「・・こるぁ・・・!!誰だ・・。」
上体を起こす。・・・が。
「・・・?」
誰もいない。しかも部屋の配置が・・?
確かに自分の部屋なのだが配置がおかしいし懐かしいものがある。
机の上にはランドセルがあって昔すごくはまったベイブレードという駒がタンスにあった。
・・・7年前の光景だ・・。
ものすごく懐かしい。
でも一体何で?
が、再び強烈な閃光を浴びせられまた目をつぶった。
今度はそう長く閃光は続かなかった。
目を開けると今度は元の部屋に戻っていた。
ランドセルじゃなくて高校に通う専用のカバンがあってタンスには本が敷き詰められている。
今に戻っていた。
「・・・?一体なんだったんだ・・?」
今度は単純に眠くなったのでまた寝た。
ちょっとこの風邪は尋常じゃない・・。
手術を受けてもいいぐらい酷い・・。
そのまま人生の中で一番辛い風邪を五日も魘された。
メールとかは何通か届いたが全部見てない。
・・・。実に六日後にようやく復帰できるようになった。
次回に続く。
第四話
「ふむ、それはまた大変な風邪だったな」
「本当に災難としか言いようがなかったよ・・」
今はすっかり熱も36.5度まで下がり楽にはなった。
「それより今日お前もビックリするニュースを持ってきたぞ」
「何?」
前回ただでさえ北沢からの電話でビックリしたのに。
「あんまり大きい声じゃ言えないが・・島崎のやろう校内の器物破壊したぞ」
「・・・それ僕が熱出してる時にも言わなかったっけ?」
「あ?え?・・・・言ったか・・?」
・・・ボケている・・
「言ったよ。あの時すっごい風邪だったのに関わらず電話してきて本当に困ったものだったのに」
「・・・酒飲んでたのが原因か・・?」
「・・・飲酒してたの?」
「おっと、これは秘密な。」
「・・将来が色んな意味で楽しみだ」
「ビールじゃないぞ。大人っぽくワインだ!」
「・・・・本当に色んな意味で将来が楽しみだっっ!!」
「・・・ついでにロゼワインだ」
「・・・ってか何処で買ってきているんだ・・未成年なのに・・」
「んー。極秘ルート?」
「ヤクザじゃないんだから」
「っ!シー・・」
??何か変な言葉言ったか?
ヤクザって単語言った瞬間急激に他の人も黙ったような・・
「知玖。わりぃ。言い忘れてた・・。島崎の奴がヤクザ疑惑が浮上しているんだ」
「え!?」
・・・っと、またでかい声出してしまった。余計静まった。
「ここの所あいつ変だ。俺から見ても」
「それは北沢に限らず誰が見てもそう思うよ」
「っんむ・・」
なんか北沢が悔しそうな顔している。
っとその時頭に何か硬い物が飛んできた
「イテッ!」
「うお、なんだ?」
見ると鉛筆。危なっ!?
「ごめん、ペン回しで遊んでたら飛んでしまった」
名前は知らないけどあだ名で「兄者」と呼ばれている人だった。
・・・あんまり話した事はない
「何をやったらペン回しでこんな飛ぶんだ・・?」
「知玖、お前最近運ないな」
北沢に言われる
「う〜ん・・。何でだろう・・。前代未聞の風邪を引くわ
神社で初詣行った時氷で頭ぶつけるわ・・(それは違」
「ふむ・・。」
「厄年じゃないの?」
っとイキナリ隣から聞きなれた声が来た。
聞きなれた声の人とは星野真由さんである。
「厄年?」
「そう、ネットで厄年かどうかでわかるし帰ったら調べたらどう?」
「う〜ん・・。厄年・・・」
・・・あながち否めない・・・!!
「厄年か。知玖。お前も末路だな」
「ちょっと待った!?末路って・・。もうすぐ死ぬ人じゃないんだから!」
縁起が悪い・・。
っとその時ドアを大きく開け背の高い人が入ってきた。
・・・あ、タイム先生だ。
「ゴールァ。ホームルーム始めるぞー!」
「先生ー。チャイムまだ鳴ってません」
・・・・キーンコーンカーンコーン
「今鳴ったぞ」
「うわ、タイム先生の時間の厳しさが進化している!」
他の生徒たちが発言した。
それにつられザワザワと再び話し声が・・。
「タイム先生ってどうすればあんなに時間に厳しくなれるんだ・・?」
「何食ったら、ああなるんだ・・?」
「バファリンの半分は厳しさで出来ているって言うしタイム先生も厳しさと時計で・・」
「ゴルァアア。静かにせんかぁー!」
まさに鶴の一声。一瞬にして静まりホームルームが始まった。
昼のチャイムが鳴り昼食タイムになった。
その時ふと思ったのだが・・・。
もうすぐで期末試験だ。
自分に関しては完璧な自信があるとまでは行かないが
少なくとも・・・。北沢よりは出来るはずだ。
「あぁあああ!!俺の人生で一番嫌いな日が近づいてくる!!」
「・・・ってか、それが人生で一番嫌いなのであればまだいい方だと・・」
「ついでに俺は杉花粉にも弱いんだ。だから余計に嫌いだ」
・・・そういえばもうそんな季節か。
「でも前回の期末試験はそんな思ったより悪い点数じゃなかった気がするけど・・」
秋辺りだったか。この学校では夏休み明けの速攻期末試験があって
9月に期末試験があった。その時北沢は平均並の点数を取っていた。
「ん、あぁ。あの時は山勘が全部当たったからな」
「運がいいね。今回も上手くいくんじゃないの?」
「う〜む・・。そうだといいんだがなぁ・・・」
話しながら弁当の蓋を開ける。
「・・・ん、なんだこりゃ」
本日の自分の弁当内容:普通で平凡な弁当
本日の北沢の弁当内容:ヒジキだけ弁当
「・・・・」
「・・・・」
たまたま自分たちの机を横切った人が思わず笑いをこらえ切れず笑ってしまう人もいた
「・・・・ぷっ」
そんな自分も思わず笑ってしまった。
「・・・・知玖。交換しないか?」
「いやだ」
「知玖の癖に生意気な・・!」
「うっわー。爆弾発言」
「ジョークだ。ジョーク」
しっかし・・。なぜヒジキだけご飯なんだ・・
「ってか、北沢って弁当作ってくれる人いるの?僕は親だけど・・」
「俺はいっつも弁当屋で買ってるぞ」
「弁当屋で買ってるなら尚更なんでヒジキだけなんだ!?」
「いや、今日出てきた『何が出るかなメニュー』っていう物があってな。
その店は常連なわけよ。だから店員に
(再現)
『おはよう、北沢さん。本日新しいメニューが出てきましたよ』
『ん、何が出るかなメニュー?』
『その名の通りです。ちょうど北沢さんにとって不足しそうな物入れて置きましたよ』
『ふむ。んじゃ一つ貰おうかな』
『貰おうかなじゃなくて買おうかな って言ってください』
(再現終了)
「ってなわけなんだ」
「・・・・ようするにその店員は北沢にとって不足していると思われるものはヒジキだったわけか!!」
余計に笑いが堪えきれず爆発してしまう。
盗み聞きしていたのか数人も笑っていた。
「・・・こんちくしょう!!全員かかってこい!!」
「げげ、落ち着け!」
おなじみの逃げ回りタイムになってしまった。
弁当さっさと食って速く試験勉強でもしてろって!!
走り回っていたら曲がりきれずに滑って転んでしまい机の角に頭をぶつけてしまった。
「いったっ・・!!」
ものっすごく痛い。
「ふーははは、お前もこれまでだ。」
北沢がその上にタックル
タダでさえ痛いんだから手加減をしてほしい
「ギブッ!!ギブアップ!!」
・・・運が悪い・・・。
とにかく運が悪い。
「ヒジキはイインダゾ〜・・。鉄分ダッブリなんだぞ〜・・・」
「とうとう知玖が壊れた。しかもダッブリって何だ。ダッブリって。」
「特に深い意味はないよ。」
それにしてもヒジキか・・。
少し思い出したら再び笑いそうになったが仕返しは流石に勘弁なので
笑いをこらえた。
「明日は休みなんだよな」
「そうか。明日休みか・・。」
その時ふと厄年という単語を思い出した。
「そうだ、ちょっと家に帰ったらネットで厄年かどうか調べて厄年だったらお払いしてもらおうかな」
「万が一本当に厄年だったら付き添うぞ」
「どうして?とても意外な発言なんだけど」
「星野の神社だろ?」
「・・・・」
・・・・・。まぁ、そういうことだろうとは思っていたが・・・。
「まぁ、いいよ。厄年じゃない可能性もあるけど」
「今の知玖の運の悪さは世界一だ。きっと厄年にちげぇねぇ」
「・・・・嬉しくない発言だ」
むしろこれは世界一というLvほど運は悪くないと思うのだが・・。
「まぁ、何にせよ結果を待っているぞ」
「了解。」
その夜。自分のPCをネットに繋げて調べた結果・・・。
「げぇ・・。本当に厄年じゃないか・・・」
厄年は厄年なんだが大厄年。これはマズイ。
本来年齢別に色々と決まった年齢に厄年とかあるらしいのだが
今回いろいろ詳しく見てみたら自分の生年月日の誤差やらなんやらで
いろいろ他の人と違うらしい。よくわからないけど。
ユウイツ分かったのは 大厄年 っていうことだ。
「・・・そういえば初詣の時も普通滑りそうもない氷で滑って頭ぶつけたしなぁ・・」
多分不注意かなっとは思ったけど大厄年なら天からのイタズラとして考えれそうな気がしてきた。
とりあえず北沢にメールを送っておこう。
『大厄年だった。明日お払いしにいってもらうよ』
・・・数分後したら返信が来た。
『わかった。神社の前で集合な』
・・・時間は!?
『待って、時間は朝の10時辺りを希望したいんだけど』
・・・・。数分待っても返信が来ない。
・・・・いや、待ってくれ。本当にここで返信が来ないと困る!
あ、メールだ。
『Docomoからの嬉しいお知らせです!』
・・・・メッセージフォーマかよ!!
うむむ・・。とりあえずこのメールを見てくれているということを信じて今日はもう寝よう。
その翌朝。
とりあえず北沢がメールを見てくれているということを前提に
自宅を9時30分ぐらいに出た。
「今日は雨か・・・」
冬の雨は寒い。雪のほうが暖かく感じる。
とりあえず足元に気をつけて歩いていけb・・・
「うわっ!?」
足元が急に滑り慌てて体勢を整える。
が、そんなに運動神経よくないのでバランスをとれずそのまま滑って転倒。
「えぇ・・。まただ・・・。」
っとその時横から車が猛スピードで走ってきた。
げげげっ!!これは更にやばい!!
慌てて横に転がって逃げ切れた。
・・・車はそのまま素通りで行った・・・。
・・・・少しは止まれよ!!
なんとか事故を起こさずに神社まで来れた。
「お?来たな。知玖」
「おはよう」
「ん、お前。今日雨が降ってるとはいえど服濡れすぎだぞ」
「滑って転んで轢かれそうになった」
「・・・災難だな。」
「全く持って災難としか言い用がないよ」
「安心しろ。それも今日までだ。きっと」
「そう願いたいね」
神社の敷地内に足を踏み入れる。
・・・そして思った。
「ところでお払いってどんな感じなんだろう?」
「・・・多分よくある棒についてる紙みたいなのを振り回して『キエェエイ!』とか言うんじゃないのか?」
「う〜ん・・・。どうなんだろうなぁ・・」
一応ネットとかでも調べたのだが分かるのは予約制だとかうんぬん。
あと出来る場所も限られているとか。偶然にも。いや、本当に偶然にもここは
お払いが可能な場所(?)だったのでとりあえず電話で事前予約(?)した。
・・・このお払いに関してはどうしても分からないことが多い・・・。
料金も不明(危険
扉を開けるとどこか懐かしいっという感じのする家であった。
入ってすぐにある階段が少々印象的
「すいません、予約したものですが・・」
・・しばらくするとドタドタと足音が響いてきた。
「すいまs・・。あ、知玖達じゃん」
「おぅ、星野」
「どうも」
階段から降りてきたのは予想通り星野さんだった。
「あれ、もしかして予約したのって?」
「はい、僕です。言われた通り調べたらトンデモナイ厄年で・・」
「そうだったのね。」
北沢が遠慮なしに上がるので自分も上がっておいた。
「とりあえずもう準備できているみたいだよ。こっちだよ」
「どうもです」
「お払いする瞬間か・・。なんか興味あるな」
ギシギシと床が軋む音が響く。
一定の距離を歩いた所に障子のはった扉があった。
「あ、ここから先は関係者以外立ち入り禁止だよ」
「げ、つまり俺はここで待ってなきゃいけないのか?」
「そういうことになるみたいだよ。北沢」(知玖
「・・・くそっ・・。来て損した・・」
北沢がガックリとうな垂れていると星野さんが喋った。
「かくいう私も立ち入り出来ないけどね。とりあえず私達は待合室で待ってるわね」
「来て損はしなかったぜ」
「(現金な奴だなぁ・・・)はい、わかりました」
・・・ってことはここから先は一人か。なんか緊張するなぁ。
扉を開けると通路があった。
ただ、この通路は外にあるため非常に寒い。しかも石畳。
靴は向こうの玄関にあるのだが・・・引き返すのもあれだからそのまま進んだ。
すると奥に扉が見えた。これのことかな。
中に入ると想像よりも遥かに大きな仏像や何やらお寺関係にありそうなものが一杯・・。
え?星野さんの神社って結構大きいの?
その大きさと量は華の清水寺と同等と言っても不思議ではないかもしれない・・・。
勿論これは過剰評価かもしれないけど。
「よくぞ参られましたな」
正座していた老人が喋った。
こちらの方を向かないで喋ったものだから少し驚く。
恐らく星野さんの爺とか父とかどっちかかな。老け具合からして父だと思うが。
・・・。ナナメ横顔だから分かりづらいけど。
「そこに座りなさい」
「はい」
結構威厳のある声で言われるものだから緊張感がより増す。
丁度座布団があった場所に正座する。
こちらに背を向けたまま喋りだした。
「・・・お前さんには強烈な厄が見える・・」
「きっとそうでしょうね・・・。それにしても見なくてもわかるものなのですか?」
「余計な事は喋らないで欲しい。」
「・・・」
威厳がありすぎる・・。
「・・・今までの中でお前さんほど強烈な何かを持ってきた者は初めてだ」
「・・・・」
無言を保つ。
つい喋ってしまいそうになったが。
「まぁ、よい。黙祷をし目を瞑るがよい」
よくわからなかったからとりあえず目だけ瞑っておいた。
しばらくするとお経みたいなものを唱えだした。
場所は変わって待合室。
「それにしても北沢と知玖君って仲いいよね」
「そうか?」
最近ややこっちが無理やり押し付けているような感じがあって
少々申し訳なく思っているのだが・・。
「まぁ、確かに仲がいいように見えるかもしれないな。だが逆に質問すると
島崎と星野も仲良くないか?」
これは一種の心理戦化してきた。
「えー、そんなことないと思うんだけど・・。それに最近島崎先輩おかしいし」
「元々変な奴だとは思うんだが・・」
「そう?」
「うむ。」
元々変な奴に見えたのは単純に北沢だからである。
「だが確かに星野の言う通りここの所、島崎の変な行動っぷりは増して行ったな」
「前は結構面白かったり優しかったのに・・・」
優しかったのに という言葉にガツンと来る北沢。
「まぁ、元々先生からも信頼を置かれていた奴だったしな・・。」
「今島崎先輩は三年生だからもうすぐで卒業なんだけど・・・大丈夫かな・・」
「心配なのか?」
次のひと言で北沢の気分が左右される可能性あり
「少しはね」
・・・左右しにくい発言だった。
「むぐ・・。ま、まぁ・・。アイツが最近不安定な理由は少し情報を掴んでいたりはするんだがなぁ」
「え?何?もしかしてまた例のs・・・」
「待て。俺はもうやっていないぞ?既に縁を切っている。」
少しの間沈黙が流れる
「それで・・その不安定な理由って・・?」
恐る恐る星野が聞く
「ははーん。気になるな?」
「そりゃ今注目の話題だから誰もがきっと気にするわよ」
「タダじゃ教えられんなぁ〜」
「あっー!久々に出したね!?マネー条件。」
実は以前にもこういうやり取りは前にもあったらしい。
意外にも北沢は物凄く情報通である。その情報はどこから仕入れているのやら。
「おっと、この情報は飛び切りのサプラァイズ!(Mr,マリック風に)
先生に言えば急激に信頼度が落ちるほどの高価な情報・・!」
こんなにも大きく言うと知らない人からすれば非常に気になって気になってしょうがないだろう。
「い、いくら・・?」
好奇心に負けたのか北沢に値段を聞きだす。
「まぁ、今回のお値段はやはり高くつくぞ?」
「とりあえず言うだけはタダでしょ?言ってみて」
暫らく長い間が空く。ここまでは何時も通りではある。
そしてトンデモナイ要求を出す。
「お払いしてる所見させてくれ」
「え?」
何て言ったのかよく分からなかったらしい。というより今お金ではない条件を出された気がした。
「ごめん。何円かよく聞こえなかった。」
「お金じゃない。お払いしてる所を見たい」
「ちょ、ちょっとまって!!?やっぱり聞き間違いじゃなかったのね!?」
「何をそんなに興奮している」
一人で勝手に舞い上がっている。
「だ、だって北沢がお金意外のものを要求して・・
そ、それだけじゃないんだけどうちのお父さんはお払いの邪魔するものは
トンデモナイ仕打ちを出すし・・」
「でも無理じゃないんだろ?」
「う、うん・・。一応無理じゃないよ。秘密の通路があるし・・」
「なら平気じゃないか。」
「で、でもなぁ・・・。ちょっと怖いなぁ・・」
「そうか。ではこの話はなかったことに・・。・・・ところで・・」
っと北沢が話しを変えようとするものだから慌ててしまい
「マ、待って!!わかったから!!」
っとつい口が滑ってしまう。
「毎度あり」
・・・北沢もとことん悪である。
逆に言えばここまで島崎先輩の裏の話しを知りたがる星野も星野である。
「ここの扉を入ると秘密の階段があってそこを登ると途中に小さなダクトがあるの。
狭いんだけどそこをホフク前進して進むと空気循環のために設置してある金網があるの。
そこから状況がわかるはず・・。」
そう言うと星野は物置部屋と思われる扉を開けた。
「それで・・島崎先輩の情報なんだけど・・」
「戻ったら話す。終わっちまうと困るしな」
確かに北沢の発言には一理ある。
渋々後で聞くことになった。
部屋の中に入ると乱雑と置かれた道具が一杯積み重なっていた。
その中にカナリ目立ちにくい場所に小さな階段があった。手擦りがないので落ちないように
気をつけねばならない。
ゆっくりと登っていくと右側に小さなダクトの穴があった。
そこから風が通っていたので確かにここから状況が分かりそうだ。
小さいと言っていただけあって確かに小さかった。
でもギリギリ人が入れる大きさではあった。
中に入ってホフク前進するのはいいのだが
埃が大分溜まっていてクシャミをしそうだ。ここでクシャミをしたらバレソウなのでこらえた。
・・・進むこと2分。
「(お、光だ。それにお経みたいな声も聞こえるぞ)」
金網に顔を近づけさせる。
そこはほぼ天上に近い位置で驚いてしまい少し下がってしまった。
しかし想像していたのとは違い『キエエェェイ!』みたいなそんな事はしていなかった。
もちろん当然のことではあるが。
・・しかし知玖があの扉をくぐってから実に一時間ほど経っていることになる。
よくもまぁそんなに長い間正座できるものだっと感心してしまう北沢がいる。
実際は知玖の足は限界にきててたった時間違いなく痺れていることだろう。
その時突然お経が止まった。
終わったのだろうか?
ゆっくりと父だと思われる人が立った。
「・・・申し訳ない。お前さんの厄を払うことが出来なかった。」
「・・え!?」
ものすごい意表をついた言葉に驚いてしまった。
それは知玖と北沢二人のことである。
続く