「ブルーノだ。隠れ家に来てから一度も外に出ちゃいないが別に出たいとも思っていないから俺は構わん。
あまり俺の役割について誰も触れていないが俺の役割は極めて重要だ。
前にも言ったがこの戦争が始まる前までは一流のレストランを経営していた。勿論腕の方も折り紙つきだ。
マルコの奴味音痴だから俺の料理の味のよさが分からないようだがパヴレやボリスなら分かってくれるだろう。
その頃の知識と経験を生かして今では最低な食材を少しはマシな料理にして全員に提供している。
勿論調理に使用する水の消費も最低限に抑えている。これは俺じゃなければ出来ないだろうな。
料理にはどうしても水を消費する。だが戦時中の水は全員知ってのとおり貴重品だ。その貴重な水をいかに抑える事が出来るかがこの戦争を生残れるかどうかのターニングポイントになる。俺はそう踏んでいる。
・・・ああ、そういえば今日は奇数日か。料理を作らないとな。
小動物用捕獲罠で捕獲したこのネズミと野菜を使ってな。
正直栄養は酷いもんだ。衛生的にも良いとは言えないが食わなければ死んでしまう。
こんなの食ってたら普通体調崩すほうなんだが・・・。
※パヴレの体調が全快した。
恐ろしいことにパヴレの奴。病気も怪我も完全治癒した。
怪我の方は包帯使ったとは、それだけで完全治癒したのは大したもんだ。病気に至っては寝ただけで治しやがった。
全く、若いっていいな。
ベッドから起き上がった後は背伸びした後にボリスが持ち帰ってきた資材を使ってさっそく何かを作り始めたよ。
どうやら作業台を更に改良するらしい。こいつはパヴレがそう決めたというよりはマルコからの提案らしい。さすが元消防隊員だな。訓練を受けていたんだろ、サバイバル知識は俺達の中じゃ一番知識が豊富だ。
※作業台を更に改良することで更に様々な道具を作ることが出来るようになる。ただしその分必要となる資材も多い。
ベッドの上で眠りこけるボリスを横にパブレとマルコがえっちらほっちら作業台の拡張を始めた。
ついでにその横で俺は今日の飯の支度をしている。頼むから木屑をこっちに飛ばすな。
汚いネズミの肉をちょうど捌き終えたところで二人の作業台拡張作業が終わったらしい。
作業台を拡張したことで精密機械を作ることも出来るように鳴ったらしい。マルコの奴どこまで知っているんだ?
とりあえずっという事でマルコがパヴレにヒヨコ電球の作り方とか温度計の作り方とかをレクチャーしていた。
で、そいつは戦時中のどういうタイミングで必要とされるんだ?ん?
※作業台を拡張したことで蒸留器、警報装置、ヒヨコ電球や温度計などを作成することができるようになる。特に警報装置は夜間襲撃されたときの防衛確率を高める極めて重要な装置だ。
マルコの小難しい話をパブレが一生懸命うなずきながら聞いているが、俺はとても耐えられなかったもんだから
とっさに横にあったラジオの電源を入れた。
そして結果的に俺はラジオの電源を入れたことを後悔した。
※タバコが不足しだし通貨として認識され始めている。物々交換時にタバコを差し出せばより多くの物資と交換してくれるだろう。
俺は今のラジオが二人に聞かれていないことを祈りながらチャンネルを変えたが、残念ながらマルコはしっかり聞いていたようだ。
俺の胸ポケットにしまっていたタバコ数本から一本抜き出し「これは貯金な。」っと言って没収してしまった。泣くぞ。
・・・。
・・・・・・・・。
夕方になり、眠っていたボリスが目を覚ました。おそようさん。
ボリスとマルコは今日の夜の計画について話し合う。今回新しい作業台を作ったことで木材もガラクタも沢山使ってしまったから補充したいらしい。
「生肉をあげたあのホームレスの家に行くのが打倒か。」
マルコがそう呟き、ボリスにその場所を教える。
その横でパヴレがバールをぶんぶん振り回し
「今日夜盗が来たらこの俺が追い返してやるよ!」
っと意気込んでいる。体調が全快したから動きたくてウズウズしているらしい。キッチンの傍で素振りするのはやめろ。今後一切だ。
「ほら、お前等。今日の飯だぞ。」
そう言って三人の元に作った飯を差し出した。
パヴレは「いただきます」と口にしてから料理にありつき、マルコが「オエッ」っと口にしながら胃に一気に流し込む。ボリスは何も言わずにただ黙々と肉を口にした。
一方の俺は冷蔵庫にしまっていた缶詰を取り出し口にしようとしたがマルコとボリスに袋叩きに会い、渋々作ったネズミ肉を口にすることにした。
くそ料理人になんてものを食わすんだ!!」
飯にありついて30分後。ボリスはバックパックを背負って夜の探索に出向いた。
やれやれ、今日は俺も防衛担当か。おい、パヴレ。今日は頼んだぞ。
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その夜。
※ボリスに金鋸を持たせていた。以前マルコが訪れた最に鉄格子で閉じられた通路があるのを確認していた。
※通路の先には宝石とアルコールがあった。金鋸を消費しただけの価値はあったといえる。その一方、戦争による困窮が進み自分達以外のグループのスカベンジャーも物資を求めて徘徊しだした。今後ますます資材の入手が困難になっていく。この時点で蓄えが少ないとこの先段々厳しくなってくる。
・・・・。
(続く)