結界石


どの町にも結界石っていうものが存在している。
これは必ずと言っていいほどある。

この結界石があるから町にモンスターがやってこないのだ。
この結界石に傷がついてたりすると結界の力が弱まってしまう。
壊れていたら敵が入る。常にこの結界石は監視されているのだ。


そんな中一人S&Aの端で寝てる奴がいる。
彼の名前はマキシミン・リフクネ。貧乏探偵。
このS&Aでギルド員として働いてる。
S&Aはペアで働くことになっている。仲間の裏切りや危険な状態を
阻止するためにペアで働くっていう事になっている。

「こらぁー!マキシミン!」
「う、うわぁ!」
「どうして、そんな所で寝てるの。」

今マキシミンを大声で起こした人はイスピン・シャルル。
マキシミンのペアである即ち相方である。

マキシミンはお嬢義が悪く手なずけにくい。
なのでイスピンは苦労する事が多い。

「あのな・・。俺はおまえみたいな良い所ぼっちゃんじゃないんだぞ?
飯食う金もないんだぞ?」
「そいじゃ貯金することだね」
「あのな!俺には6人兄弟がいてな。金の仕送りで俺の分はないんだよ!
幸いにも二人は自立してるが・・・」
「なら、もっと働くことだね」
「おまえな・・・!」

しかしここで言いあっても仕方がない。
イスピンが言ってることは当たってる。
とりあえずたち上がり乾燥したパンを口に放りこむ。
ここ最近自分の食事は乾燥したパンである。保存も効くし味も悪くない。値段も安い。
ただ、満腹感はあんまり満たせない。

「よくその食事でやっていけるね」
「俺は安い食事しか食わないっつの。」

パンを食いながら答える。
まずは今日はどんな依頼が来てるか調べることにする。

「おはようございます。」
「もはよ。」

ベクレールに挨拶する。
マキシミンは相変わらずだが。

「おはようございます。マキシミンはもっと丁寧に言いなさい」
「挨拶なんてどうせ関係ないだろ。このギルドじゃ。」
「・・・まぁそうでしょうね」

そう言うとベクレールはある紙を出した。

「依頼を受けにきたのでしょう?」
「図星。それで?」
「この設計図を見てください」

そういうとその紙を広げ図を見せる

「これは・・・結界石の設計図ですね。」
「その通りです。」
「この結界石がどうしたんだ?」
「最近町にモンスターが侵入してきてる事件知ってますね?」
「あぁ。そういえば前下水道にも敵いたな。」
「その結界石が壊れかけているそうです」
「ほぉ。それで俺にどうしろと?」
「マキシミン。口を慎んで」

イスピンが突っ込む

「へいへい・・」
「あれ、今日はなんか素直じゃん」
「俺は今食事中だぞ。」

まだパンを食っていた。貴重な食料なのかゆっくり食ってる

「話しを続けますよ。その結界石を修理してください」
「はぁ!?」

あまりの事にパンを落としそうになる

「あのな・・!結界石ってのは大魔道師とかが魔法をかけて
結果石を修理するんだぞ?こんな俺に言って何になる。」
「マキシミンは大魔道師じゃないけど魔道師じゃないか」

またもや突っ込まれる

「あのな・・。俺は風と電の魔法しか使えないぞ?黒魔法もあったか。」
「僕より数倍使えるじゃないか」
「俺は白魔法使えないぞ!?」

ベクレールが無視して話しを続ける

「安心してください。この道具を持っていってください。
進入するための鍵と修理道具です。あとこの石も」

そういうとベクレールは二人に青く輝く石を差し出した

「これはなんですか?」
「それは魔道師の白術です。もってる間あなた達は強い白魔法が使えるようになります。
それで修理してください」

マキシミンがニヤッっとする

「ほぉ。それは面白そうだな。よし引きうけた」
「僕もやります」
「ではお気をつけて。・・・・あ!お二人とも。結界石を修理すると・・・」


しかし話しを聞かずに
二人は外に出た


「この白石は貴重だな。面白いことになりそうだ」
「悪用しないでよ」
「クックック」

変な雑談しながら二人はナルビク復活ポイントの床に鍵を差し込み
鍵をあける。

「全く。床に扉があるってのも変だぜ」
「作った人の考えがすごいよね・・」
「とりあえず中に入るぞ」

マキシミンが堂々とジャンプして先に入る。

「あっ!」

イスピンが叫ぶ

「マキシミン下下!」
「ん?うわあああぁぁぁ!!」

なんと奈落の底である。

「か、風の力シルフよ!我が足に疾風の風を!」

マキシミンが急いでシルフウィンドを唱える。
そしてシルフランスの狼を召喚し宙を舞った

「あ、危ない・・・。べクレールのヤツメ!言ってくれよな」
「マキシミン。僕も乗せて。風魔法扱えるの君だけだから」
「わかったよ。」

シルフにイスピンを乗せゆっくりと下に降りる。

80bぐらい降りたところでようやく床が見えてきた
その床の中央には大きく光り輝く石が見えた。

「あれが結界石・・?」
「だろうな。それ意外考えられん。」

残り7mのところでシルフウィンドとシルフランスの効果が切れた!

「う、うわぁ!」

真っ先にマキシミンが落ちた。


ドン。

「い、いって・・・」
「わあああ」
「ぐはっ!」

マキシミンの上にイスピンが落ちた。

「お、重い!どけ!」
「あー!誰が重いだってー!?」
「おまえだっつの。はよどけ。」

イスピンが渋々どく。

するとマキシミンが白魔法を唱えた

「ヒール!」

マキシミンに聖なる光りが包み回復した!

「ぷっ!」

イスピンが笑う

「あぁ?なんで笑ってる?」
「だって、今君ヒール唱えたけど回復量みたら40だったよ」
「げ、」

確かに少量だった。全然傷や痛みは回復していない

「やっぱりMRしないとだめか。」
「あきらめるんだね〜。あははは〜。」
「おまえ、からかってるのか?」
「それより早く修理にかかろう」
「ちぇ」

二人が結界石に近づく


「ほぉー・・。結界石ってこんなに綺麗だったのか。」
「敵が入らないように結界張ってるだけはあるね。でもちょっと光りが薄い気がする」
「それで修理を頼んだのか。だが俺等二人で修理できるとはとても思えない。」
「それじゃぁ、どうするの?確かに僕達だけじゃ修理できるようには思えないね」
「大丈夫だ。こんなこともあろうかと天然助っ人用意してある。」
「助っ人?」

「風の神聖なる光りの筒よ。対象となる石を召喚したまえ!」

マキシミンに風の力が渦巻く。そしてその渦がマキシミンから離れる。
その渦が消えると人が現れた

「風魔法。風のテレポートだ」
「あ、よろしくです」

渦の中から現れたのはティチエル・ジュスピアンである。

「なるほど・・。確かに彼女は大魔法師だからね。でも勝手に連れてきていいの?」
「地上から降りてるときにひそかに連絡をとっていた。携帯信号だがな」
「ふーん・・・」
「さて、とりあえず魔力をうめこめないといけない部分はティチエルに任せるぞ」
「は〜い」

マキシミンが結界石を上り出す。

「結界石に上って平気なの?傷つかない?」
「あぁ。剣でぶったたかない限り壊れるものじゃない。それよりちょっとここ上がったところに傷がある。
修復材料なげてくれ。」

マキシミンがその傷がある場所に縄で縛り付け体を固定させ落ちないようにした。

「投げるよ。」
「あ、ちょっとまて」

マキシミンがまだ体を縛っていたところだった
しかし既にイスピンが材料をなげた。
当然うまくキャッチできず頭にぶつかる

「いでぇぇええ!!」
「あ、ごめん。」
「おまえな・・・!」
「投げてくれって言ったのはそっちじゃないか。もう一回投げるよ」

イスピンが材料を再び投げ出す。
今度はうまくキャッチする

「修復始めるか。ティチエル。マナの球体を召喚して投げてくれ」
「了解です」

ティチエルが白魔法を詠唱しマナの力を帯びた球体を召喚した
この球体は結界石の修復の最後に入れるものである

そのマナの球体をイスピンに渡し再びイスピンが投げた
見事に片手でそれをキャッチする。
そしてマキシミンは仕事にとりかかった



2時間あたりが経過した。
パッチキットなどで順調に修復し何のMISSもなく無事終了した。


「よし。こんなところか。ベクレールにрオてみるか」

マキシミンがイスピンから無理やりもたされた携帯を手にもちрかける
・・・・・・・圏外?

「ったく、やっぱ圏外か。仕方ない。地上に上がるか」
「そうだねぇ」
「そいじゃ私はお先に帰りますね」
「あぁ。お疲れ」
「お疲れ様です」
「さよならですー」

ティチエルがテレポートを詠唱しどこかへワープした

「さて、俺等も風魔法で再び上昇するぞ」
「OK−」

マキシミンがシルフウィンドとシルフランスの複合魔法を唱える・・・が
いくら唱えても風が全然でてこない

「おかしいな・・。さっきまで普通に出来たのに・・」
「MP切れ?」
「かもしれん。もったいないが飲むことにする」

マキシミンがマナP(小)を取り出す鼻をつまんで一気に飲み干す
一部の人はこの味がとても苦く感じる。マキシミンはその一人である

「うえぇ。いつ飲んでも苦い!!」
「そうかなぁ。僕は普通に感じる」
「ったく。とりあえずもう一回詠唱するぞ」

マキシミンが再び複合魔法を詠唱しだす・・が
やはり何回詠唱しても召喚できない

「なんで出来ないんだろうか」
「変だね。もしかしてあの時生命の危険だったから出来たんじゃないの?」
「あぁ。確かに今まで危ないと思ったときだけ使ってたからな・・。でもどうするんだ?」
「こうしよう」


数分後


「う、うわああぁぁぁぁ!!」

イスピンが剣を振りまわしてマキシミンを突こうとする

「ほら、早く唱えなさい」
「ま、まて!これは虐待っつか危険すぎるだろ!!」

必死にマキシミンが逃げる

「反論する暇があったら唱えなさいー!」
「わ、わかった。風の力のシルフよ!我が足に疾風の力を!」

・・・効果なし。

「失敗だ。できない。てか剣仕舞え!」
「失敗?しょうがないなぁ。もっと危険にならないとだめか」
「・・・おまっ」

数分後

「ま、まてええぇぇぇ!これはダメだ!危険すぎる!うわあぁぁぁ」

今度はイスピンが短剣を大量に取りだし投げてくる。
既に頬をかすったりなどはしている。

「さぁ、この危険から逃げたかったら唱えるんだ!」
「ぎ、ぎええぇぇ。風の力のシルフよ!(略)」

しかしまたしても失敗

「もっと危険が必要なのね・・」
「そういう問題じゃないだろ!!ったく。絶対別のところに原因ある。」
「そうかなぁ。僕はもっと危険が・・」
「やめんか!ったく。俺を殺す気か!」
「そうだ!殺そうとすればいいんだ。」
「・・・まて」

数分後

「お、おまえ。本気で殺す気か!」

イスピンがマキシミンの喉に剣をつきつけてる。それもすごい形相で

「殺されたくなかったら唱えな」
「は、はい」

流石の恐怖にクッして詠唱をはじめる

「か、風の(略)」

しかし失敗

「もっと危険な目に・・・」
「もうやめんか!俺はもう殺されそうで怖いぞ!」
「ペアなんだから殺さないよ」
「イスピンならいつ裏切ってもおかしくない・・・」
「もう一回喉に剣つきつけようか?」
「遠慮します」


「それにしても何で成功しないんだろうね」
「ふむ・・。む・・。もしや・・・。イスピン。殺の技を俺に使ってくれ。本気でな」
「え、マキシミン正気?」
「正気も正気。ちょっと考えが浮かんだ。とりあえずやってみろ」
「わかった。盾で防いでよ」
「OK.こい」
「殺!!」

・・・・?
発動しない

「あ、あれ。おかしいな。いつもなら鋭い勢いで突くのに・・・」
「環境マナだな」
「環境マナ・・あぁ!なるほど」
「環境マナがこの部屋からなくなって魔法が使えなくなったんだ」
「でもどうして?」
「結界石が環境マナを全て使ってるようにしか思えない。ティチエルは例外な。あいつは大魔法師だから環境マナ無しでも魔法は扱えるからな。」
「それじゃぁどうやってここから出るの?」
「そうだな・・。」


数分後

「ねぇ。本当にやる気?」
「俺はやる気だ」

マキシミンがこの壁を登って地上から縄を降ろす作戦に出た

「100mあるんだよ?」
「宇○見っていうクライマーがエベ○ストをクライミングしたんだから俺もできるだろ」
(注:全くTWとは関係ありません。そもそもエベレストはクライミングじゃなくて登山)

「そいじゃ・・気をつけてね」
「OK.」

マキシミンが凸凹した壁に手をかけゆっくりとよじ登る。
あまり高いところから落ちてしまうと魔法が使えないから死亡してしまう。
イスピンはどうにもすることができないためここで待つしかなかった。
ただただ、マキシミンが落ちてこないことを祈るばかり


そしてとうとう肉眼では目に見えないところまで上っていった

「マキシミンー!大丈夫ー?」

ちいさく聞こえる

「大丈夫だ。幸いにも壁を掴むところは一杯ある。にしても剣重たいな。捨てる!」
「え?」

しばらくするとすごい勢いで剣が落ちてきた!

「わっ!」

とっさにイスピンは避ける。スチールシャドウが落ちてきた

「その剣もってろよ。後で回収する」
「あやうく刺さるところだったのに」

愚痴をこぼしながらも地面に刺さってる剣を引きぬく。
そしてまた座って待つ。

1時間ぐらいが経過。

もうこっちが大声出してもなかなか聞き取りにくいらしい。


それはそうと一方マキシミンは長く上っていたため
腕や足が疲れてきた。でもここで落ちたら大変だ。

「く、くそ。負けるものかぁぁー!」

すごい速度で再び壁を登っていく。
そしてついに地上にでた!


「ぜぇ・・。上りきった・・・。」

100m強あるロープを下に下ろす。
そしてロープが落ちないよう地面に釘を刺したりする。


イスピンのほうはロープが無事降りてきたってことは
マキシミンは無事地上についたってことだとわかり安心する。
そしてロープに足をかけ引っ張る
それを合図にマキシミンが魔法を使って引き上げる。


無事二人は地上に出れた




「大変よくできましたね」
「俺はガキか」

ベクレールに報酬を渡される
大変な仕事だったため報酬も多かった

「それにしても環境マナがなくなるなんてね・・」
「全く。」
「おや、私言いましたよ?結界石修理したら環境マナがなくなりますから
脱出手段を用意してくださいねと」
「な、なにぃー!」
「え、えぇー!?」

こんなことになるならもっと準備するべきだったと
後悔する二人であった。





後書き

こんにちは。久しぶりの小説投稿です。
要塞戦してるとき結界石を守るとき環境マナがなくなった事件をモチーフにした小説です。
自分が小説創るとき必ず何かモチーフが入ってますよー。
ちなみにティチエルは環境マナ本来使います。なのでテレポートするさい
環境マナが足りませんとなりますが・・・まぁ、そこは小説なので気にしないでください(ぁ


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