「そろそろキュピルに会いたい。」
「のっけからレア発言が。」
「なんだかんだ言ってキュピルさんの事が好きなんですね~。」
「キュピル程私の事をお世話してくれる人いないからね~。私にゾッコンだから」
「(ただのペットの癖して凄いうえから目線・・・って発言は心の中で留めておこう・・・)」
「ジェスター種は心の声も読み取れる!!わああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「うぇっ!!?そんな設定初耳!!ぎゃーーーー!!!」
シュンシュンシュン
「ん?何か変な音聞こえません?」
「私から逃れたいがためにそんな嘘をついても無駄だよ。」
シュンシュンシュン
「嘘じゃありませんって!!ほら!やっぱり何か聞こえる!!」
ジジジジ・・・ドン
「ん?目の前に変な装置が落ちてきました。」
「手紙もついてる。」
「あ、みてみて。これファンからのメッセージだよ!!」
「おお!!ついにファンさんが助けに来てくれましたか!!?何て書いてあります!?」
「『ジェスターさんと琶月さんへ。キュピルさんがクエストショップの再建に勤しんでますが装備も何も全て失われた状態で黄銅を手に入れなければ何も出来ない状況です』」
「『なので、この装置に黄銅が使われていると思われる硬貨を穴に投入してください。黄銅が含まれた硬貨を投入すれば僕達の世界に送られてきます。違う場合は返却口に落ちてくるのでそれで判別してください。』」
「『なるべく早く集めてきてください。以上』・・・・・。」
「私達に対する心配の言葉が一つもナーーーーーーーーーーーーーい!!!怒るよ~~?」
「もう怒ってる。あ、でもみてください。手紙の後ろに殴り書きのように続きのメッセージが。」
「あ、本当だ。どれどれ。」
「『追伸。キュピルさんからのメッセージです。【お土産よろしく】』・・・・・。」
「どしんどしん」
「うわーーー。ジェスターさんが地団駄踏んでる。珍しい。」
「琶月!!早く日本の硬貨全部用意して!!」
「あ、でもそこは素直に協力するところが優しい!日本の硬貨は1円・・5円・・・10円・・・50円・・・100円・・・500円・・・がありますね。ちょうど全部お財布の中にはいってました!」
「問題はどれが・・ですよね。でも間違ったものを入れても返却されるらしいのでとりあえず片っ端から入れてみましょうか。」
「入れる前にちょっとその硬貨と油性ペン貸して。」
「一体何するつもりですか。はい、小銭とペンです。」
「カキカキカキカキ」
「あーー!!何で小銭に落書きを!!」
「いいの!!!はい!片っ端から入れていくよ!!」
・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ファン
「キュピルさん。さっそくジェスターさんと琶月さんから黄銅が含まれた小銭が送られてきましたよ。」
キュピル
「おぉ、ジェスターと琶月にしては早いな。二人とも過酷な環境に送られてたくましく成長しはじめたか。」
ファン
「・・・・何か小銭に文字が書いてますね。」
キュピル
「ん?どれどれ。」
『ばーか』
キュピル
「・・・・・・・・。」
ファン
「・・・・・・・・。」
ルイ
「キュピルさーーん!!何か『馬鹿!』とか『アホ!』とか『八方!』『美人!』とか書かれた小銭が一杯送られてきてます!!」
キュピル
「ジェスタぇ・・・。」
ファン
「とりあえず錬金術の材料に使って黄銅を抽出したら売却してきますね。」
キュー
「ファンは冷静だなぁー。」
・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「スッキリ。」
「それはよかったですね。琶月さん500円玉まで落書きされてプンプンです。何とか消さないと。」
「でもまさか5円玉に黄銅が含まれていたなんて。これなら一杯集められますね!!」
「こっちからメッセージを送るには通貨に落書きするしかないね。これで嫌がらせしてやる。」
「問題はいつになったら帰れるのか・・・っていうことですけどね。ハァー。」