ジェスターに恋した男の子



「ちょっとジェスターさーーん!!」

「なーに。」

「勝手に私の駄菓子を食べましたね?」

「私に見つかる場所においてあるのが悪い。」

「そういう事を言うと怒りますよ。はい、罰としてお使いに行ってきてください。」

「えーーーーーーーーー!!!!めんどーーーい!!」

「ダメです。お使いいかなかったからもう絶対にジェスターさんの分のご飯作りませんからね。」

「今日の琶月強い。大人しく買い物に行ってこよう。」

「ちゃんと買い物リストにあるとおりに買ってきてくださいよー!」

「関係ないの買ってきたらその分お小遣いから引きますからね。」

「私は子供じゃないから分かってるよーだ。いってきまーーーす。」



・・・・。


・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「(日本に来てそろそろ一年かー。長い間ここにいるけど、真面目にそろそろアノマラドに帰りたいなぁ~。飽きてきた)」

・・・・・。

男の子
「・・・あのー。」

「ん?なーに?」

男の子
「えーっと・・・その・・・えっと・・好きです!!」

男の子が手紙を投げて走り去る

「わっ。」

・・・・。

「・・・・・・・一旦家に帰ろうっと。」



・・・・。

・・・・・・・・・・・・。


「ただいま。」

「おかえりなs・・・って、いくらなんでも帰ってくるの早すぎでしょう。何も買わずに帰ってきましたね?」

「そんな悪いジェスターさんにはお風呂掃除の刑も追加でーす!ざんねーーーん!!」

「がぶりっ!!」

「あんぎゃぁああああ!!」


・・・・。

・・・・・・・・・。


「つまり、突然8歳ぐらいの男の子にラブレターと思わしき手紙を貰ってビックリしたから帰ってきたと!!恋に無縁の私達に突然吹き込んだ恋愛劇場に琶月さんお胸がドキドキ!!」

「とにかく!とにかく早く開封して読んでみてくださいよ!!」

「まーまー。もしかしたらただのチラシかもしれないよ。」

「んなわけないでしょ。はい読んで。」

ペラッ

『白い髪の不思議な女の子へ

とつぜんのお手紙ごめんなさい。
どうしても、あなたとお話がしたくて
このてがみを書きました。
ぼくはいつも、やすみの日はみどり公園にいます。
よかったらあってください。
                   たくみ より』

「・・・・・・・。」

「わーちょっとちょっとー!!やっぱりラブレター寄りの文面じゃないですかー!!しかも受け取ったとき好きですーって言っちゃったんだって?多分言葉に迷って思ってることが口に出ちゃったんですよー!」

「あれ?ジェスターさん?」

「どうしよう。こういう事態に遭遇したことないからどうすればいいのかわからない。」

「やーんジェスターさんか~わ~い~い~!お顔もちょっと赤くなってませんか!?」

「なってないから!!それ以上茶化したら死ぬまで叩くよ!!」

「すいませんでした。」

「とにかく・・えーっと、今日は・・・土曜日・・。休日ですよ。」

「そのみどり公園ってところにいったらたくみ君がいるかもしれませんよ!ほら会いに言った言った!」

「えー!でも私こんな小さすぎる男の子とは付き合えないよ!!」

「ただ会いに行けばって言っただけなんですけどね~??」

「だーーーかーーーらーーー。私には別に好k・・・。」

「え!?なんですって?す?す?」

「擦り切れるほど引き摺りまわす。」

「わーーー!!分かりました分かりました!!!とりあえず早く買い物に行ってきてください!!!いいですね!?」

「次ふざけたこと言ったら5円玉サイズにしてその貯金箱にいれてアノマラドに送り返すからね。」

「それで帰れるならぜひやってほしい琶月さんです。」



・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






「とんだ目にあっちゃった。公園に寄る気はないよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・もー!一回だけ!!ここで断ってあの子が人生に悲観して引きこもりになってそこから逆恨みで殺されたら嫌だし。」

「いくらなんでもそれはないでしょう」(←気になりすぎてこっそりついてきている




・・・・・。


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==みどり公園


男の子
「・・・・・・・・・あ!」

「えーっと、あの手紙の事なんだけど。」

男の子
「は、はい。」

「えっと・・・・ごめんね。私他に好きな人いるから。」

男の子
「っ・・・・・そ、そっかーーー。そんな気はしてたんだけどね~~~」


「あーーー、これは可哀相です。」


男の子
「えっと、渡した手紙恥ずかしいから破ってねばいばい。」

タタタタ(男の子が全力で走って公園から出て行く

「無難な断り方出来たかな?別に好きな人なんていないけど。」

「ええぇっ!?いないのに断ったんですか!!?」

「あーーー!!隠れて見てた!!死刑だ死刑だ!極刑だーー!!」

「あー痛い痛い!でも琶月さんは引き下がらない!さっき好きな人がいるって家の中で言いかけてましたよねーー?あれは是対本心ですよね。」

「今から琶月が擦り切れるまで引きずり回す。おりゃー」

「あー!!痛い痛い!!!」

警察官
「まな板少女が何者かにひきずり回されているとの通報を受けて飛んできました。」(←発言そのものが事案

「誤報だよ。」

警察官
「そうですか。」

「今もやってるやってる!!!痛い痛い!」



・・・・・。


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==翌日




「琶月さん、ジェスターさんに引き摺られたせいであちこち痛くて歩けません。今日こそちゃんと買い物行って来て下さい。」

「えー。私が作るから今日は外に出たくなーい。」

「冷蔵庫の中見てください。本当に空っぽですよ。」

「あ、本当だ。」

「お財布と安売りのチラシはそこにおいてありますから、チェックさんのいるお店で買ってきてくださいね。」

「はーい。」








・・・・・・・。


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「また来てねジェスターちゃん。」

「かーえろかえろ。」

「(スルーされた。ジェスターちゃん気難しい)」

「ふふふふーん、ふふーん、ふふーん(↓」

「ふふふふーん、ふふーん、ふふーん(↑」

「亡き王女の為のセプテットが聞こえたわ!」

「日光。」

「たすけて!!!!」

「・・・・・・・ん?」

男の子
「あ・・・・。」

「(わー、お店の入り口で合うなんて。どうしよう?)」

男の子
「えっと、その、ばいばい。」(←反対側に向かって走り出す

「あ、危ない!」

男の子
「えっ・・・」



グシャ







・・・・・・・。


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==病院


「すいませーーん!!!ここに入院している子の保護者でーす!!交通事故にあったって本当ですか!?」

看護婦
「本当です、病室はあちらです。」

「あった、ここだ!ジェスターさーん!!」

「んー?」

「あれ、ほぼ五体満足。交通事故にあったって聞いて一人暮らしが始まることを覚悟してたんですけど。」

「今私の事殺してたね?」

「病人なんだから安静に~~~。」

「いや、本当に殆ど無傷だよ。ほら。」

「あ、普通にたち歩き出した。じゃーなんで病院に??」

「実はスーパーの入り口で昨日あった男の子に会って・・・・。お互い気まずくなっちゃって男の子が道路の方に飛び出して行っちゃったんだよね。そしたらたまたま軽自動車が走ってきたから慌てて・・・」

「慌ててかばって軽自動車に轢かれた!?やっぱり安静にすべきです!!」

「慌てて軽自動車フッ飛ばしちゃった。」

「はいはい、すっかり忘れてましたそのチート武器。こっちの世界にも持ってきていたんですね。」

「あれ?じゃー尚更なんで入院しているんですか?」

「男の子を庇うために突き飛ばしたところは本当で、男の子が振り返った頃には軽自動車は吹っ飛んでいて私は久々に武器使ったから転んじゃってたんだよね。そしたら轢かれたと勘違いして救急車呼ばれて今に至るって感じ。」

「まぁ、おかげで私は被害者って立場になれて車吹っ飛ばした事は隠し通せた感じ。」

「(金輪際ジェスターさんには逆らわないようにしよっと・・・・)」

「まぁ一応車に轢かれた事になってるから、明日までここにいてその後勝手に帰るよ。」

「そうですか。」

「・・・・なんか心配して色々損した気分になりました。琶月さんももう帰ります。体痛いし。じゃー明日気をつけて帰ってくださいよ。」

「はーい。」



・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・。



==病院の外


男の子
「・・・あの、」

「ん?」

「あ!ジェスターさんに告白した男の子!」

男の子
「しぃーー!!!」

「スイマセン」

男の子
「えっと、あの子、その、髪の毛白くて不思議な子は大丈夫でした!?」

「わぁ、心配して病院まで来てくれたんですか?もう大丈夫ですよ~~。大した怪我も負ってなかったみたいで。」

「それよりももう道路に飛び出しちゃだめですよ。事情は全部聞きましたからね。」

男の子
「ごめんなさい・・・・。」

「・・・・あ、そうだ。良い事教えてあげちゃいます。」

男の子
「え?」

「髪の毛が白いあの女の子は『ジェスター』って名前なんですよ。」

男の子
「ジェスター・・」

「病院の365号室にいますから良かったらお見舞いにいってあげてくださいね。」

「明日には退院するそうですけど。」

男の子
「わかりました、ありがとうございます。」(←病院に走って入っていく

看護婦
「病院内は走っちゃいけません!」
男の子
「すいませーん!」

「あの男の子、良い子ですね。」

「さーってと。スーパーに寄って買い物しなきゃ。そういえばジェスターさん、買ってきた食材はどうしちゃったんでしょうねぇ。」






・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。


==警察署


警察官
「そんな嘘が通用すると思ってんのかぁ!?えぇっ!?」

「本当本当!!!白い幼女間違って轢いちゃったと思ったらいつのまにか吹き飛ばされてたんですっ!!!」

警察官
「吹き飛ばされたわけねぇだろうが!地面には生々しい肉片が転がってたぞ!!病院に搬送された女の子以外にも轢いたんだろ!?えぇ!?」

「それ多分牛肉wwwwwww俺無罪助けてwwwww」


終わり


続く







オマケ

「ただいま。」

おかえりレミリアちゃん。最近レミ劇から勝手に抜け出してるけど何処言ってたの。

「愚かにも亡き王女の為のセプテット歌ってる子が居たから血を全部吸いだしてやったわ。今頃あの世で泣いて航海しているでしょうね。」

本物のレミリアちゃん全然血を吸わないって聞いたんだけど。やっぱり偽者じゃん。

「今のは比喩表現!!」

意味わかんない。