「らんらんらん♪るんるんるん♪」
ジェスター
「どうしたのきもいよ。」
「いきなりキモイだなんて言わないでください!!可愛いならまだしも。」
ジェスター
「私より可愛い存在はこの世にはいないんだよ~?」
「顔アイコン出来るの楽しみですね。」
ジェスター
「ね。それで、どうしたの?」
「実はですね!貯金が5万になったんです!」
ジェスター
「あれ、いつのまに溜まってるんだね。」
「そうなんです。気が付けば普通にお買いものも出来るようになり、電車にも乗れるようになり、アルバイトはありますし・・・。」
「完全に軌道に乗ったって言えますね!!」
「正直、アノマラドで生きていくより日本生きたほうが上手に生きれる気がしてきました。1人でもやっていけそうです。」
ジェスター
「家賃と光熱費は?」
「家賃は踏み倒してます。光熱費とは?」
ジェスター
「・・・じゃー、住人税と固定資産税は?」
「何ですかそれ。ゲームですか?」
ジェスター
「・・・・そもそも住民票って取ってたっけ?」
「ジェスターさん、ここ日本ですよ。日本語喋ってくださーい。」
ジェスター
「・・・・めんどくさいから今度色々教えてあげる。」
「そうしてください。」
「じゃージェスターさん。いきましょう!!」
ジェスター
「どこに?」
「決まっているじゃないですか!アノマラドの世界に帰るアイテムを探すんです!渋谷~だとか銀座~だとか沢山お店が並んでいると聞きます。そこに一つぐらい帰れるアイテムとかあるはずですよ!」
ジェスター
「あるといいね。」
「なんでそんな消極的なんですか。帰りたくないんですか?」
ジェスター
「んー、キュピルに言われてた事思い出してて。」
「キュピルさんに何か言われてましたっけ?」
ジェスター
「何か日本にある硬貨がアノマラドで貴重ーだとか言ってなかったっけ。」
「・・・・・・・・・・。」
「あああーーー。そんな事言ってましたね。」
「でもか弱い私達二人が日本にいるってだけで十分危機的状況化です。早く帰って保護してもらいましょう。」
ジェスター
「一人で日本生きていけるんじゃなかったの?」
「すいません、早く帰って師匠に抱き着きたいんです・・・。」
ジェスター
「レズだ!!」
???
「レズ最高ぉぉぉおお!!」
????
「百合最高ぉぉおおお!!」
「・・・・時々、隣から変な声が聞こえてきますよね。」
ジェスター
「無視すれば?」
「何か身の危険を感じますけど、そうします。じゃ、銀座にいきましょうか。銀座線にいきましょー。」
・・・。
・・・・・。
==銀座
ジェスター
「寒い。」
「洋服でも買ったらどうです?流石にそのいつもの恰好じゃ寒いと思いますけど。」
ジェスター
「そういう琶月も、いつもの恰好で寒くないの?」
「師匠に鍛えられてますから。」
ジェスター
「ふーん。」
「可愛くないですね。せっかく可愛いお洋服でもおごってあげよーって思ったのに。」
ジェスター
「ずいぶんと気前良いんだね。」
「だって5万も持ってるんですよ!5万!5万!こんだけあったら沢山いろんな物買えますよ!!!コンビニのお弁当100個分!!」
ジェスター
「急に大金って感じじゃしなくなってきたね。」
「何にしても、アノマラドじゃ神鳥の羽なんかビールと同じぐらいの価格で売られてるんです。絶対に買えますよー。」
・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
「売ってないぃぃぃぃいいいいい!!!!!なんでええぇぇぇええええ!!!びえええええええ!!!」
ジェスター
「恥ずかしいからやめて。」
「ぐすんぐすん・・・・。こんだけ回ってもマジックアイテムの一つも見つかりませんでしたね・・・。」
イケメン店員
「お嬢ちゃん、手品のグッズなら売ってるよ!」
「手品は別に良いです。」
イケメン店員
「あっそ。」
「もーいいです。ジェスターさん、帰りましょう。」
ジェスター
「何も買わないの?」
「まー銀座回って5万というお金がいかにちっぽけかよくわかりました。」
「何なんですかこの国!どうしてお洋服一着だけで1万2万しているんですか!!まさかこんな高いとは思いもしませんでした・・・。」
ジェスター
「銀座が特別高いだけだと思うけど。」
「そうなんですか?だといいんですけど。」
「まー、でもお金は大事にしましょう。5万も結構働かないと手に入らない額です。帰りましょう。」
ジェスター
「はーい。」
「あーあ、結局交通費だけ無駄にかさんでしまいました。」
・・・・。
・・・・・・・。
イケメン店員
「・・・もしもし?さっき目の前に可愛い子二人が通ったんだけど、何か5万も持ち歩いているらしいよ。
・・・そう。・・・特徴は赤い髪のまな板な子。マジックアイテムがどうのこうの言ってたぜ。それで釣れ。・・・OK?・・うい。」
・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「寒いー。」
ジェスター
「はっくしゅん。あれ?」
「ジェスターさん、昔からくしゃみした後、あれ?って言う癖ありますよね。」
ジェスター
「なんでだろうね。はっくしゅん。あれ?」
イケメン客引き
「そこの赤い髪の可愛い子!可愛い子!」
「ん?私の事ですか?」
イケメン客引き
「そうそう!そこの胸の大きい君!!」
「ふっふっふ、そうです。この私こそ胸が大きくて髪が赤くなにより可愛い子です。」
ジェスター
「胸が大きい?お兄さん盲目?」
イケメン客引き
「俺の店寄ってきてよ!マジックアイテムあるぞ~。」
「え!?ジェスターさん、朗報ですよ!!」
ジェスター
「・・・・・・・じぃ~~~~~~~~。」
イケメン客引き
「な、なんだよ。」
ジェスター
「・・・・琶月ー。この人嘘ついてるよ。ジェスター種の誇りにかけて誓うよ。」
「何ですか、そのウェスタン集の誇りとかなんとか。私はマジックアイテムのが大事です。」
ジェスター
「あーあ。私はいかないから。」
「どうぞご勝手に。」
イケメン客引き
「あったかいお茶もあるから。ささ、こっちこっち。」
「イエーイ。」
・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
イケメン客引き
「ここ。」
「んー?何かお店っていうより普通の建屋にしか見えませんk・・・。」
イケメン客引き
「うおらぁっ!」
「わっ!!!!」
イケメン客引き
「ちっ、避けたか。」
「何するんですか!!!!」
ごろつきA
「お嬢ちゃん、こーーーんな夜中に歩いてちゃダメだろうが~。」
ごろつきB
「罰として俺達と一晩遊ぼうぜ?」
「・・・・・・。」
「あれ、やばい。琶月さん滅茶苦茶ピンチです。」
イケメン客引き
「まずはその懐に入ってる財布出しな。」
「そ、そしたら帰してくれますか?」
イケメン客引き
「おう。」
「五万円・・・大事ですけど、自分の身の方が大事なので・・・はい。」
イケメン客引き
「ふむ、情報通り五万あるな。よし、好きにしていいぞー。」
ごろつきA
「へっへっへ。」
ごろつきB
「俺まな板好きなんだよ。」
「ちょ、ちょっと!!どこ触ってるんですか!!帰してくれるっていう約束はどうしたんですか!!」
イケメン客引き
「素直に信じる辺り本当に若いな。ま、適当にあの白い女の子に従っていればよかったのにとか後悔しながら楽しみな。俺、胸ないやつ興味ないから。んじゃ。」
「あ、琶月さん終わった。」
ジェスター
「ワッーーーーーーーーー!!」
ごろつきA
「うおっ!?なんだこの変な奴!!?」
ごろつきB
「こ、こいつ模擬刀もってやがる!だがこんなチビの力で叩かれても・・・」
ジェスター
「とりゃあぁっーー!!」
ザクッ
ごろつきB
「んぎえええええええ!!!俺の右腕がぁぁーー!!」
ごろつきA
「し、真剣かよ!!」
ジェスター
「はい、琶月!刀!」
「!!!」
「・・・・形勢逆転です。」
「ていやああああああああーーーー!!!!」
ごろつきA
「流石に真剣じゃリスクと報酬が釣り合わねぇ、いったん逃げるぞ。」
ごろつきB
「ちくしょう、早く病院!おぼえてやがれよ!」
ジェスター
「逃がさないよ~?」
ごろつきB
「ヒィッ!?こいつも刃物!?」
ごろつきA
「どけ、ナイフぐらいなら俺が・・・。」
ジェスター
「言っておくけど、キュピルに教えてもらってたから琶月よりは強いよ。」
グサリッ
ごろつきA
「ぐあああぁぁっ!」
ごろつきB
「に、逃げろ逃げろ!!」
「おとといきやがれってんです。」
ジェスター
「あーあ、服汚れちゃった。」
「・・・・その・・・本当にごめんなさい・・・。素直にジェスターさんのいう事に従っていればこんな事に・・・。」
ジェスター
「次からはちゃんとジェスター様のいう事聞いてよ?私の方が琶月より長く生きてるんだから。」
「うぇっ!?そうなんですか!!?」
ジェスター
「それよりお金は?」
「・・・あああああ!!まだ取られたままだ!!!!!」
ジェスター
「もう追いかけるのはやめたほうがいいかもね。他にも仲間いたら流石に刀あっても危険かも。もうちょっと早く助けにこれてたらよかったんだけど。
流石に人目につかないように空飛ぶの大変だった。」
「あ、そっか・・・。そういえばジェスターさんは空飛べましたね・・・。」
ジェスター
「とりあえず琶月は大丈夫?」
「はい、私は大丈夫です。」
ジェスター
「じゃーかえろ。帰ったら先にお風呂入るの私だからね?」
「・・・えっと、ジェスターさん。」
ジェスター
「ん~?」
「・・・ジェスターさん、本当にありがとうございました。大好きです。」
変態A
「レズ最高ぉぉぉおお!!」
変態B
「百合最高ぉぉおおお!!」
「うわあぁ!!変態だーーー!!」
続く