「フォックスニュースはフェイクニュースしか流さない悪いメディアだ!」
「海外のメディアは間違った情報しか流さない。我々は海外のメディアが嘘をついた場合フェイクニュースとして認定する。」
「なんだか最近フェイクニュースって言葉をよく聞くようになりましたね。」
「この世界は正しい情報をつかむのが難しい世界なんだねぇ。」
「フェイクニュースってどういう意味です?」
「調べてみたらどう?」
「調べ方がわからない!ジェスターさんに聞いたらなんでも答えてくれる!」
「キュピルが琶月の事を何度も減給したがる気持ちがわかった気がする。」
「ちょっとーどういう意味ですかーそれー。」
「フェイクニュースっていうのは嘘ニュースって意味だよ。冒頭二人はマスメディアに対して嘘の情報ばかり流しているっていうのを主張しているよ。」
「ははーん、なるほど・・・。」
「嘘のニュースを流すのはよくないですねぇ。ちゃんと真実を流してほしいです。」
「果たしてマスメディアが流した情報は本当に嘘だったのかな?」
「と、いいますと?」
「本当は正しい情報なんだけど、認めたくないから『フェイクニュースだ』って叫んだだけかもしれない。」
「あー。・・・えー、でも普通そういう事って言います?真実に対して嘘で塗り固めようとしているわけですよね?バレません?」
「平然と塗り固めてくるから世界が困惑しているんだよ。」
「例えばすごく分かりやすい話でいうと・・・・。つい最近、北朝鮮の金正男がマレーシアで暗殺されたのは知ってるよね?」
「あ、それなら琶月さん知ってますよ。」
「金正男って人がどういう人かはよく知らないですけど、確か北朝鮮って国を治めている一番えらい人のお兄さんでしたっけ?自分の兄をよく暗殺しますよねぇ。」
「その事件に対して北朝鮮は『暗殺されたのは金正男ではなく、別人であると言い張っているのは知っている?」
「あー、なんか言ってますけど本当ですかね?世界が金正男であると認めているんですよ?北朝鮮の身元解析チームが来て実際に検査して言ったのならともかく、そういうことはしていないんですよね?これは北朝鮮側が嘘を言っている可能性が高いって琶月さんでもわかります。」
「うんうん、なるほど。」
「じゃー話を一つ戻そっか。最初のドナルト・トランプの場合の話をするよ。アメリカのメディア会社が『アメリカ大統領選はトランプが勝利を収めたが総獲得票数はヒラリークリントンの方が多かった』っていう記事を掲載。それに対しトランプは『ヒラリー・クリントン陣営が不正投票を行い実際よりも多い票数を獲得している。これはフェイクニュースだ。』と主張している。さて、どっちが正しいかな?」
「え・・・?・・・うー・・ん・・・・。票数は調べればわかりそうなものですけど・・・・。」
「はい、どっちが嘘ついてる?」
「・・・・アメリカのメディアの方ですか?だってアメリカ大統領が言っているんだから嘘のわけが・・・。」
「ここまで言っておいてなんだけど、どっちが正しいのかは私にはわからないんだよね。」
「えーーーー!!じゃーどうしてこんなモヤモヤする質問を投げたんですかー!」
「琶月に今世の中を飛び交っているニュースがいかにモヤモヤさせるものばかりであるかっていうのを気づいてほしかったからだよ。」
「今殆どのニュースにおいて、関係者は「それは嘘である。事実無根だ」っという主張を繰り広げ結局一般市民が知り得る情報の範囲では真偽がわかる事が非常に少なくなっている。」
「日本の総理大臣が今森友学園の不正な値引き問題に関わっていたっていうニュースが流れ、それに対し日本の総理大臣は「事実無根である」と主張している。もしかしたらマスメディア側が正しくて日本の総理大臣が苦し紛れの嘘を言っているだけかもしれない。でも、もしかしたら日本の総理大臣の主張が本当に正しくてマスメディアが本当にフェイクニュースを流してしまっただけなのかもしれない。」
「でもその真偽の結果が一般市民に知れ渡ることは極々少ない。」
「私達が普段目にしているニュースや情報は本当に正しいのか。それが嘘か真か見極める力が今求められてる。」
「はえー、琶月さん難しくてよくわかってないですけど・・・でもキュピルさんが昔こんな事言ってましたよね・・・。」
「嘘か真か知りたければ、自分の目で直接現場まで言って調査すれば良いって」
「うん、そうだね。キュピルはそういう行動を起こせる実行力があるから簡単に言えるけどこの世界に住む私達がそれをやるのはかなり難しいね。インターネットから入ってくる情報を取捨選択することぐらいしかできない。」
「スマートフォンやテレビ、新聞を通じて琶月さんのもとに入ってくる情報が果たして本当に正しいものかどうか・・・。そんなこと一度も考えたことありませんでした。」
「むかーし、ネットでこんな言葉が流行ったこともあったらしいね。『嘘かどうか見極める力を持っていなければインターネットを使いこなすのは難しい』って。今まさにそういう時代なんだね。」
「まぁここで私が言いたいのは、あまり世の中に出回る情報を鵜呑みしないでねってことかなぁ。」
「ちなみになんですけど、少しでも真相に迫りたいと思った時はどうすればいいんですか?」
「一つのメディアに頼らない事が一番大事だよ。例えば国際ニュースってのはその国の意向が記事に反映されていることが多いから一つの国のニュースばかり見ていると偏った結論ばかりになっていることが多い。」
「だからそういう時は他の国が書いた記事を読んでみることも大事だよ。日本と中国の間で起きた問題に迫りたいなら日本側のニュースばかり読むんじゃなくて中国の方のニュースも読むとかね。」
「体感中国側のニュースは嘘ばっかりな気がするけど。」(小声
「ちょっとー?」
「まとめとして、多角的に。いろんな方面からその情報を入手してみるといいよ。一つの情報源に依存するんじゃなくて常に複数の情報源から検証すること。今の世の中、殆どの情報に対して疑ってかかるぐらいがちょうどいい時代だと思うよ。」
「ふーん・・・ややこしい世界ですねぇ。」
「ところで琶月・・・・。」
「なんですか?」
「ここに小学校の成績表があります。」
「ついにジェスターさんも今学期終了ですね?いやいや入学した割には続けてますね。はい、見せてください。」
「って、なんですかこれ!?低評価ばっかりじゃないですか!!!!真面目に勉強しているんですか!?」
「はい、ここでさっき私が言ったこと思い出して。これは果たして本当に正しい情報なのだろうか・・・と。」
「成績表に嘘なんかあるわけないでしょ。結果だけなんですから。はい、今月のお小遣い没収~~~~。」
「あ、こらーーーーー!!どろぼーーーー!!」
「なんて言いがかり!!」
ソース:色々
ひとり言:
民主主義は暗闇の中で死ぬ。言い得て妙だと思います。
昨今の世の中を振り返るとニュースが述べた事に大して各国のおえらい人々が必ずといっていいほど真逆の反論をしています。
ニュースと国の間だけじゃなくて、他国間で起きた出来事もそうですね。マレーシアと北朝鮮とか。
我々一般人が正しい情報を手にするのは難しい時代になっている。あまり偏った方向に突き進まないように一人ひとりが自制しなければいけない世の中になったのかもしれません。