小学校に通いなさい(後編の前編


「ジェスターさん体育館で空飛んだって本当ですか!?」

「うん。」

「ごまかすのにどれだけ苦労したと思っているんですか!一応父親がマジシャンで得意のマジックを披露したってことにしましたけど!」

「むしろよくそんなんで誤魔化せたね。」

「ま、ともかくこれで私を学校に通わせるのは危険だと分かった?他にもいろんなことやっちゃうよー?琶月も困るでしょ?」

「ぐぬぬ・・・。」

「・・・・って、そういえばよくよく考えてみると何で私が困るんでしょうね?」

「アレ。ほら、私達はアノマラド大陸から来ていて不思議な力もってるからこの星の人にはばれないようにとーたらこーたら。」

「そんなこと一度も言っていませんし琶月さん不思議な力持ってませんし。」

「もってるじゃん。世界一胸がないっていう特殊能力が。」

「だまらっしゃい。」

「よくよくかんがえてみたら、ジェスターさんが空飛べることばれても案外困ったことはないような気がしてきました。」

「『可愛い女の子、空を飛ぶ!』『不思議な力で空飛ぶ新種の生物発見!』とかインタビューがはいってそのうち能力調査~とかで研究員がきて毎月お金くれるかも。」

「ちょっとー!私を売り払うつもり!?」

「売り払うだなんて一言もいってませんよ。ジェスターさんはそこの施設で働くんです。ほら、ぱたぱた飛ぶだけの簡単なお仕事ですよきっと。」

「絶対に働きたくない!!!」

「クズだ!」

「ふふん、いいですもん。研究員がたずねに来たら容赦なく働かせにいきますからね。」

「予定変更。もう学校で空飛ばない。」

「えーーーーーーーーーーーー。」






・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


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==数週間後


キーンコーンカーンコーン


先生
「それではさよーなら。」

子供達
「さよーならー。」

女の子A
「ジェスターちゃん一緒にかえろ~。」

「帰り道反対だよ。昨日も言わなかったっけ?」

女の子A
「あーそっかー。」
男の子B
「ジェスター!野球しようぜぇ!」

「ホームラン出しちゃうよ。」

男の子B
「マジかよー!んじゃ後で校庭に集合なー!」


・・・・。

・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「ジェスター様はえらいもんからちゃんと毎日学校かよってる。遊びにもつきあってる。悪い子じゃないもん。」


「おいー、今日はちゃんと持ってきたんだろうなー?」

「ん?」


たくみ
「う、うん・・・・。」
高学年生A
「どれどれ。・・・・少ないな。」
高学年生B
「少ないから罰として明日ももってこいよ。」
たくみ
「え、えぇ!?」


「あれ、あの子!・・・・生意気にも私にラブレター出した男の子じゃないの?」

高学年生
「じゃあな。」
たくみ
「・・・・・・・・。」



・・・・・・・。


「ねぇ。」

たくみ
「・・!!じ、ジェスターちゃん!この学校に通ってたの!?」

「ねぇ、今の何?」

たくみ
「なんでもないよ!ねえ、怪我はもう大丈夫?」

「質問に答えて。今の何?かつあげ?いじめ?」

たくみ
「・・・なんでもないよ。」

「答える!」

たくみ
「うっ・・・ちょ、ちょっとお金くれって言われただけだよ。」

「かつあげじゃん!何で抵抗しないの!」

たくみ
「抵抗?」

「(小学生相手に抵抗って言葉は難しいのかな。)反撃とか言い返すとか嫌だって言うとかさ。」

たくみ
「あの人達怖いし・・・何されるかわかんないら・・・。」

「そうやって言われたことを言われたままにしているとどんどん向こうも調子にのって取り返しの付かないことになるよ。」

たくみ
「じゃぁどうすればいいの・・・。先生に言うとかはいやだよ。それにあの二人表では良い人みたいだから僕の言う事信じてくれないよ。」

「ふぅ・・・。ジェスター様に出会えた事を感謝してね。私がなんとかしてあげるから明日のお昼また会おうね。ばいばい。」

たくみ
「え、ちょ、ちょっとまってジェスターちゃんどういうこと・・・って、行っちゃった・・・。」



・・・・。

・・・・・・・。


「がおー!」

男の子B
「うわー!ジェスターがホームラン出したーー!!」
男の子C
「なんか怒ってない?」


続く


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